【読むPodcast | ゲリラマーケティング】「医療クリニックを特別化したい」2018年6月20日配信

第299回「医療クリニックを特別化したい」
というご要望。そもそも特別化とは何なのか。人と人が友達になる時、そこには〇〇がある。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

おばあちゃんの米寿の誕生日にアルバムを作りました。おめでとう。長生きしてください。金子亜佑美です。

安田

安田佳生です。

金子

今回はクリニック経営者 40代の方からご質問いただいております。安田さんの独特な視点、金子さんの理解困難な最初の挨拶(アバンコール?)、栃尾さんの美しい声をいつも興味深く拝聴しています。私はクリニックを開業したばかりの医師です。今までポッドキャストの中では特別化と差別化の話に最も感銘を受けました。ご存じのように、医療にかかる値段は全国一律で決まっているため、クリニックは他のクリニックより安売りするなど値段で差別化を図るのは相当困難です。特別化がクリニックの経営を軌道に乗せるのに重要だと思い、どうすれば患者さんと特別な関係を築けるのかを日々考えています。さて、質問です。現在どうすればスタッフを定着させられるのかを悩んでいます。クリニックではスタッフにあげられる給料にも限界があり、ちょっと嫌なことがあると給料の良い病院などに逃げられてしまいます。スタッフとの間にも特別化が必要だとは思うのですが、具体的にどうすれば良いか教えてください。ということです。

栃尾

長めでしたね。

金子

長めでしたね。

栃尾

亜佑美ちゃんにしては長めでした。

金子

長めでした。

安田

美しい声。

栃尾

ありがとうございます(笑)。これは、金子さんは悪口言われた感があるんですか?理解困難な最初の挨拶。

金子

いや、まあ、こんなもんです、はい。

安田

嬉しいんですか?こう言われると。

金子

あ、ありがとうございます。

栃尾

狙ってんだもんね、理解困難を(笑)

金子

そうですね。狙ってます(笑)

栃尾

そうでもない?

金子

はい、そうでもないです。

栃尾

そうでもないですね。

金子

すいません。

安田

質問は、医療クリニック、医院ですね、何科かは分かんないですけど。「特別化」って知ってますか?覚えてます?差別化と特別化の違いを端的に、金子先生。

金子

えっとですね………………

栃尾

長い。シンキングタイムが長い(笑)

金子

えっと、特別化と差別化……特別化と差別化……

安田

差別化というのはですね、例えば同じパン屋さんが2軒並んでるとしたら「うちは隣よりもクロワッサンが10円安いよ」とか「隣より1時間早くから店開けてますよ」とかっていう、同じ仕事やってる他のお店とか同業と比べての違いを打ち出すと。それを差別化って言うんですけど。「ここは違う」っていうとこですね。で、特別化っていうのは私が勝手に作った言葉でして、隣のパン屋とは関係なく、高かろうが、店が遠かろうが、朝早く開いてなかろうが、「私はそこで買いたいんだ」っていうような関係をお客さんの間と作ろうってことで、差別化の場合はね、例えば「10円安い」っていうのは、100人いたら100人ともどっちのほうが安いかっていうのは明確なんですね。でも、特別化の場合は、例えば金子さんが買ってらっしゃるヤマネみたいな……

金子

ハムスターですね。

安田

(笑)。ハムスターみたいな、他にもっと可愛いハムスターがいるとするじゃないですか。

金子

まあ、いますね。

安田

いたとしても、金子さんにとったら今のハムスター君が特別ハムスターなわけですよ。

金子

うん、そうですね。

安田

ペットショップでもうちょっと可愛いのがいたから「こっちと入れ替えようか」とはならないわけです。

金子

うん、そうですね。

安田

ペットショップでもうちょっと可愛いのがいたから「こっちと入れ替えようか」とはならないわけです。

金子

ならないですね。

安田

その金子さんと今のハム君との関係によって特別化が成り立ってるってことなんですよ。

金子

なるほど。

安田

昔からずっと使ってるマグカップみたいな、その人にとっては特別だけど、思い出が詰まったもんだけど、他の人から見たらガラクタ的な、という関係性のことなんですけどね。

金子

あー、分かりました。

安田

で、この医院さんは、お客さんとかスタッフさんと、金子さんとハム君のような関係性を作りたいわけです。

金子

あー、なるほどね。

安田

どうしたらいいですか?

金子

それは毎日エサをあげて、3日に1回ぐらいはヒマワリの種を5つぐらい手に乗せながらあげて。

安田

3日に1回しかあげないんだ。

金子

そうですね。あんまりあげると太っちゃうんで。で、1週間に1回ぐらいは掃除して、っていう感じですかね。

安田

そういうことで(笑)

金子

(笑)

安田

栃尾さんも、星の王子さまのタヌキじゃなくて、キツネの話ね。

栃尾

わざと?(笑)。はい、大好きですから。

安田

「わざと」って言いました?今(笑)

栃尾

聞こえている(笑)

安田

好きですよね。

栃尾

大好きですよ。

安田

あれも特別化の話ですよね。

栃尾

そうです。特別化っていうと、私、あれで覚えてるんで。

安田

あれはどんな話でしたっけ?

栃尾

説明するんですか?(笑)

安田

11秒ぐらいで。

栃尾

11秒で?「友達になる」ってことですね。

安田

友達になる?

栃尾

はい。

金子

あー分かりやすい。

栃尾

11秒以内で言えたんじゃないでしょうか(笑)

安田

友達になると他のキツネとかとは違うという?

栃尾

そうです。キツネから見た王子さまがただの人間であるのと、「あの王子さまである」っていう、足音が聞こえただけで楽しみになるっていう、そういう関係性ですね。

安田

それをクリニックに応用するとどうなるんですかね。

栃尾

「友達になる」ってことですね(笑)

金子

スタッフさんとね。

栃尾

スタッフさんとね。かけがえのない友達になる。

安田

なるほど。あと、患者さんとも友達になると?

栃尾

あ、そうですね、患者さんとも友達になる。

安田

どうやったらなれるんですか?やっぱり、ヒマワリの種ですかね。

栃尾

やっぱ“give”ですよね。

安田

なるほどね。星の王子さまではあれじゃないですか、毎日同じ場所で同じ時間に待ち合わせするっていうことを勧めてましたよね。

栃尾

そうですね。

安田

そうするとだんだんとそれが当たり前になってきて、ある日その時間に姿が見えないとソワソワし出すっていう。そうするともう友達になっている、っていうことなんですよ。

金子

そうかぁ~。

栃尾

「愛着」っていうことなんですかね。

安田

愛着ってことなんですかね。僕はやっぱり友達ってね、何ていうか、やること決まってないじゃないですか。

栃尾

あー、はい。

安田

だから、例えばキツネと王子さまも会う場所とか会う時間も、べつにどこの場所でもいいし何時でもいいんですよね。そういう、どうでもいいようなことを一緒にやるっていうかね、決めるっていうか、そういうのが多分友達を作るんだと思うんです。だから、例えばマグカップも、何らかの一緒に過ごしてきた時間とか、誰かと一緒に使った思い出みたいなのがあるから特別になるんですよね。クリニックさんなんで、何でしたっけ、全国値段は一律で、サービスも一律で、「特別な注射2本打っときます」とかできないわけなんで、どうすんの?ってことなんですけど。こういう相談はよく受けるんですけどね、色んな企業さんから。結局、みなさん企業の常識の中で考えちゃうじゃないですか、業界っていうか。で、医者もそうなんだと思うんですけど、やんないといけないことは決まってるんだと思うんですよ。でも、やっちゃいけないことってそんなになくて。だから、クリニックで絶対やらないといけないこと以外のことをやりゃいいと思うんですよね、余計なことっていうか。だから、キツネと子どもが会うのも余計なことじゃないですか、べつに毎日会う必要ないし。そういう余計なもんがないと。

金子

余計なもん?

安田

つまり、そのクリニックに、いわゆる世の中の医療クリニックにべつになくてもいいもの、それを作ることがすごい大事なんじゃないかなって思いますね。

金子

社内旅行ですか?

安田

え?

金子

社内旅行。

栃尾

まあ、「スタッフさんと特別化」っておっしゃってるんで。

安田

何となく、この質問読んでると特徴が見えないんですよね。医療クリニックということ以外に、どんな思いで、どんなことがやりたくて、何を変えたくてやってんのか、みたいなのがよく分かんないんですけど。そういうのがないと、どこのクリニックにもあるもんじゃなくて、「べつにクリニックには必要ないけど、私はこれを毎日やってます」とか、例えば「すごい有名なアーティストの絵を飾ってます」とか。べつに必要ないけど、その人にとっては必要っていうか、そういうのが必要だと思うんですけど。余計なもの。

栃尾

思いとか。

安田

枠からはみ出るもんがないと特別な関係は生まれないんじゃないかなっていう気がしますけどね。

金子

そのクリニックの中で、社長の思いに賛同できるような何かが欲しいってことですか?

安田

そうですね。それがすごくお医者さんとして真っ当な思いじゃなくてもべつにいいと思うんですよ。すごいアート好きとか、すごい旅行好きとか、すごい昆虫好きとか、べつに何でもいいんです。けれども、そこに何か共感する人との繋がりっていうのが、仕事以外の部分での繋がりみたいなのが必要なんじゃないのかなって気はしますね。

金子

なるほど。哀愁みたいなやつですかね。

安田

哀愁……哀愁なんですかね(笑)

金子

えーと……(笑)

安田

そういうことで、じゃあ「哀愁」っていうことにしておきましょう。

栃尾

そうですね、いいんじゃないですか(笑)

金子

いやいやいやいや(笑)

安田

ということで本日は以上です。ありがとうございました。

栃尾

ありがとうございました。

金子

ありがとうございました。


*本ぺージは、2018年6月20日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから


ポッドキャスト番組「安田佳生のゲリラマーケティング」は毎週水曜日配信中。

安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
emitochio.net

 

 

 

金子亜祐美
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