第112回 万代「第2創業」の幕開けは福岡の地で

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第112回 万代「第2創業」の幕開けは福岡の地で

安田

万代さんといえば東北や北海道のイメージですが、今度は九州の福岡に出店されるそうですね。


倉橋

そうなんです。福岡郊外にある久山町という所で、地図でいうと福岡市の右上あたりですね。コストコさんも入っている大型商業施設で、先日見学に行った時もご家族連れで賑わっていました。

安田

へぇ、ということは、もともと人の往来が多い場所なんですね。これまでの話を聞いていると、次は東南アジアかと思っていたので、福岡と聞いて少し意外でした。このタイミングで福岡進出を決めた裏事情が何かあるんでしょうか?


倉橋

裏事情というほどではないのですが(笑)。もともと僕には「ローカルエリアで地域の方々に娯楽を提供できる施設を作りたい」という想いがありまして。それで東京や大阪のような都会より、むしろそこから離れた場所が僕ららしいと考えて事業をしているんですね。

安田

そうですよね。それで東北や北海道を中心に店舗を広げられてきた。でも今回は急に九州。なにか心境の変化があったのかなと。


倉橋

いやいや、むしろその原点の想いに忠実に出店地を探した結果です。それがたまたま九州になっただけというか。

安田

ああ、なるほどなるほど。つまり今までと何も変わらない基準でそうなったわけですね。…いや、とはいえですよ、急にそんなに遠くに行きますか(笑)。


倉橋

確かにそれでいうと、自分で探したわけではなく、紹介いただいたんです。で、内容を確認してみたらすごくよかった。コストコさんに来られるお客様は、万代のターゲット層と重なる部分が多いですから。

安田

確かに、コストコって週末に家族で行くようなイメージがありますね。つまり大きなチャンスだと感じ、「ここなら勝負できるぞ」となったわけですね。


倉橋

キレイに言えばそうなんですけど、実際はそんなに余裕はなかったです(笑)。確かに条件はいいけれど、大きな勝負だというのは間違いない。東北や北海道と違って万代を知っている人もほぼいないだろうし、気分的には「第2創業」くらいの感じです。

安田

は〜、なるほど確かに。ちなみに店舗サイズも大きいんですか?

倉橋

そうなんです。1000坪を超える広さなので、万代の中で一、二を争うくらい大きいんです。

安田

なるほど、土地的にも新しい場所で、店舗も大きい。確かにそれは大勝負ですね(笑)。まぁでも、今までの万代さんを見ていると、大成功するイメージしか湧きませんけど。

倉橋

そうなればありがたいですけど、商売って本当にわからないですからね。逆に言えばこれほどの緊張感は久々で、そういう意味ではワクワクしているかもしれない(笑)。

安田

いいですね! でも社員さんは東北・北海道から転勤されるわけですよね。それは嫌がられませんでした?

倉橋

いやそれが、10人の募集に対して50人くらい応募が来ちゃって(笑)。

安田

へぇ! 「転勤なんてしたくない」という人が多いこのご時世で、フロンティア精神に溢れてますね。

倉橋

僕としても嬉しい限りです。福岡という土地の魅力もあるんでしょうが、会社にとって大きな転換点であることを皆も感じてくれているんだと思います。

安田

なるほど。経営的に見れば、東北・北海道に店舗が集中していたところ、次は九州に出店ということで、日本列島を挟み撃ちにするような形になりますよね。今回が成功したら、その間を埋めていく戦略を取りそうですが、そのあたりは?

倉橋

いやいや(笑)。関東、東海、近畿というエリアはどうしても競争が激しいですから。間を埋めると言ってもそう簡単ではありません。

安田

でも近畿だと、例えば三重や滋賀はわりとローカルな方ですよね。

倉橋

滋賀は起業した場所でもありますからね。そこに戻るというよりは、次はそれこそ世界展開を考えていきたいです。今回の福岡出店が、世界に行くための一つのクッションになればいいなと。

安田

なるほど。地理的にも、福岡は東南アジアに近いですからね。

倉橋

そうなんです。マーケティング的にも、これまで20数年で経験したことのないようなことが色々と起こると思うんです。だからこそ原点に返って、まずは「お客様に喜んでいただけるお店」を丁寧に作ることがスタートかなと思っています。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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