第6回 開業1年目から年収3600万円?!

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国13店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第6回 開業1年目から年収3600万円?!

安田

前回のお話の中で、25歳で起業されたと仰ってましたよね。その頃お父さんは自分の会社が民事再生になっていて、援助する余裕もなかった。つまり、全て自己資金で始めたんですよね。


倉橋
はい、1000万円くらい必死にかき集めまして(笑)。
安田
その前に、大学生の頃やっていた商売の借金があったわけですよね。それを完済して、さらに1000万円集めるっていうのもすごいですね。

倉橋
今考えると、当時はあんまり深く考えていなかったんだと思います。1000万円のうち500万円を開業資金、残りの500万円を運転資金って考えていたんですけど、結局1000万円ぜんぶ開業資金で使っちゃいましたから(笑)。
安田
なるほど(笑)。若いからこその勢いなのかもしれませんね。ちなみに最初は滋賀県で起業されたんですよね。生まれ育ちは神戸という話でしたけど、滋賀には何か縁があったんですか。

倉橋
いや、縁もゆかりもありませんでしたね(笑)。商売を始めようと思った時に、物件を探して国道2号線を神戸から車でずっと走っていたんです。でもなかなか見つからなくて、滋賀まで行ってようやく手頃な物件を見つけて。
安田
へえ。ということは、始めから滋賀に店舗を出そうと思っていたわけじゃないんですね。

倉橋

ええ、いい物件があったのが滋賀だったというだけで。東京靴流通センターっていう100坪ぐらいのお店が日本全国にあるんですけど、ちょうどその空き店舗がいくつか出ていて。

安田

なるほど。ちなみに当初からリユース商売だったわけですよね。なぜそこに目をつけたんですか?


倉橋
リユース業は仕入れが安いんですよ。だから限られた資金しかない自分でもいけると思って。あとはアダルト系商品を委託販売でやっていましたね。当時はまだDVDが普及してなくてVHSでしたけど。
安田
なるほど。委託販売というと、「売れたら払う」という契約だったわけですね。店舗形態としては、ビデオショップにリユースショップがくっついたような形ですか。

倉橋
そうなんですが、当時はリユースよりアダルト中心でしたね。アダルトショップに、漫画のフィギュアなど男性ニーズのあるリユースグッズを置いていたような感じです。
安田
なるほど。それにしても、いきなり店舗を構えるってなかなか勇気のいることですよ。学生時代に人材派遣の商売で成功したって仰っていましたけど、そっちの事業なら大きな店舗はいらないわけでしょう?

倉橋
少なからず、店舗型の商売をしていた父の影響があったんでしょうね。小学生の頃から、父の車の助手席に乗ると「ロードサイドではこういう店をやったらいいよ」「こういう看板を立てたらいいよ」なんて聞いていたので。
安田
なるほど、店舗ビジネスの英才教育を受けてたわけですね。そうすると、中学に上がる頃には店舗ビジネスのノウハウはある程度身についていたと。

倉橋
そうだと思います。当時から自信もあって「自分がお店をやれば必ず成功する」と思ってました。まだ子どものくせに、物件を見て「ここなら絶対売れる!」なんて言ってみたり(笑)。
安田
すごい自信ですね(笑)。ちなみに、どういう物件が魅力的なんですか。成功する条件というか。

倉橋
私の場合は、まず賃料が50万円から60万円ぐらいで、国道沿い。この2つは必須条件でした。
安田
ほう、具体的ですね。ちなみに店舗のターゲットは完全に男性ですよね。男性に絞ったのは理由があったんですか?

倉橋
単純に需要と供給の話で。男性に特化したリユースビジネスには、ライバルが全くいなかったんです。
安田
あれ? リユース業界だと当時からブックオフとかありませんでしたっけ。

倉橋
ブックオフさんって、実は女性向けアイテムが中心のビジネスなんです。男性の趣味を専門的に扱うリユースショップはありませんでした。
安田
へぇ、意外な感じもしますけど、実際そうだったと。

倉橋
ええ。あとは僕自身の体感もあります。僕って少年ジャンプ世代ど真ん中なんですけど、周囲の男性の趣味って、結局フィギュアかコミックか、あとはアダルト系だったんですよね。
安田
ああ、つまりみんな似たような趣味だったと。でも、それを専門的に扱っている店がなかった。

倉橋
そういうことです。で、ストレートに男性の趣味の商品を集めまくった店をやったら、やっぱりめちゃくちゃ当たったんですよ。
安田
それって単純に、ニーズがあったから当たったんですかね。それともお父さんから学んだ「国道沿いにこういう看板出せば売れる」みたいな英才教育のおかげですか?

倉橋
どちらもあると思います。折込チラシなどを使った地道なPRもかなりやりましたし。
安田

なるほど。ところで、店舗ビジネスだからスタッフさんも必要ですよね。最初から雇ってたんですか?


倉橋
もちろんです。100坪の店舗で、朝10時から深夜2時までの16時間営業だと、僕1人では絶対に回らないので(笑)。それでも最初は僕含め6名ほどで回していましたね。
安田
6名体制で、売上はどのぐらいだったんですか?
倉橋
月1000万円ぐらいはすぐに行きましたね。
安田
月商1000万円! すごいですね。そのうち利益はどれくらいあるんです?

倉橋
モノによって多少ばらつきはあるものの、平均300万円くらいは営業利益が出てましたね。
安田
じゃあ人件費や家賃を払っても黒字だったわけですか?
倉橋
そうなりますね。ただ最初は法人化せず個人事業主としてやっていたので、ちょっと事情が異なるというか。毎月の利益が300万だったら、年間で3600万円の利益がそのまま所得扱いになっていました。
安田
年収3600万円ですか! サラリーマンを辞めて1年ですごい変化ですね!

倉橋
おかげさまで(笑)。で、これはもう個人でやっている場合じゃないなと思い、会社組織を作ったんです。
安田
なるほど。では来週は、会社組織を作った頃のお話を詳しくお聞かせください。

対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に13店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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