“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第115回 「美味しい」よりも大事な、商売の総合得点

サイゼリヤの創業社長さんの言葉で、「美味しいものが売れるんじゃない。売れているものが美味しいんだ」というのがあるんですけど、ご存知ですか? 正直この意味がちょっとよく分からなくて。

お客様って、いろんな要素の合計点が高いものを「買おう」となるんですね。味のクオリティが何点、価格が何点…というように、合計点が高いから選ばれている。そういう意味では味も値段も一要素に過ぎないですよね。

うーん、食べ物も結局は総合点なんだと思いますよ。人間の脳ってすごく判断が早いんです。お店に入ってたぶん1秒もしないうちに、味以外の、居心地とか客層のようないろんなものを含めて採点しているはずです。

ははぁ、なるほど。注文した商品が出てくる前に、ある程度の点数が決まっているわけですね。それに「すごく美味しい」といっても限界がありますもんね。「このハンバーグのためだけに通う!」というほどの店はなかなかないけど、「まずいから二度と行かない」店はある。

例えばディナーしかやっていないコース料理のお店って、シェフのこだわりが詰まった「好きな人が来てくれればいい」というスタンスの所が多い印象です。でも本当に流行っているお店は、そんな独りよがりでは作っていない、ということですか。

でもたまに3時間半くらいかかる時もあるじゃないですか。そうなるとどんなに美味しくても、個人的な得点はちょっと下がっちゃいますね。もちろん3時間半ゆったりしたい、というお客様もいるでしょうし、そのお店はそういう人をターゲットにしているんだと思いますけど。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。