安田佳生です。

でも、認知症ってどうなんですかね、認知がなくなってくるじゃないですか、現実社会のね。

だから、まわりは大変だと思うんですよ。認知を失った人って感じで、つながりがなくなってる感じで。

本人どんな感じだろう？っていう。

ね。

どこかのちゃんと世界でちゃんとした状態なのか、つまり、なんていうんでしょう、電波がうまくつながらないだけで。

うんうん。

まあ、この社会に、なんていうんでしょう、生きていくための、お互いの暗黙の了解とかルールみたいなもんですからね。

人に迷惑かけなきゃいい、ってことなのかもしれませんけど。認知できないと迷惑かかっちゃうんでね、いまの社会だと。

それがむずかしいとこ。

はい。で、今日はですね、私が最近ちょっと考えてる「自由」というものについてですね、お二人に聞いてみたいなと。

はい。

なんでこれを考え始めたかっていうとね、僕も長いあいだ経営者やってましたけど、正社員を雇うときに、やっぱ、できるだけ優秀な、「この人にしかできない仕事ができる人」みたいなのをとりたいわけです。

だけど、いまの会社って、それじゃ回らないんですね。

なんでかっていうと、「社員は残業させちゃいけない」とかね、「ちゃんと休ませなきゃいけない」とかいうルールがいろいろあってですね。働き方改革とか労働法。

そうすると、「私がいなくなったら、この仕事はもう動きません」みたいな人がいると、困るわけなんですよ。

その人も残業させれないんで、「5時になったんで帰ります」とか、「休日は休ませてもらいます」とか言ったら、止まっちゃうわけですよ、会社が。

だから、どうしても代わりがきく仕事をやらせざるをえなくなってくるわけなんですね。「いざとなったら、その人がいなくなっても回りますよ」っていう、これが健康的な会社なわけなんですけど。

そこではたとですね、「代わりがきく人材と、きかない人材は、いったいどっちが自由なんだろうか？」と思ったわけですよ。

代わりがきかないとですね、休めないわけですよ、当然。自分がやんなくちゃいけないし、自分がやんないといけないんで残業も増えたりとかね。

だけど一方で、代わりがきかない人っていうのはですね、他の人じゃできないんで、条件を交渉したりもできるわけですよ。

「これだけ休みを取らせてもらって、これだけの報酬じゃないと私はやりません」とか、でも、代わりがきく人だと、そこは「じゃあ、他の人にやってもらうからいいよ」みたいになっちゃうわけですよ。

ね。どっちがいったい自由なんだと。お二人はどっちだと思いますか？

前者？もう、どっちが前者だったか忘れちゃったんですけど。

のほうがいいと？

ほお。なんで？

うん。

べつに優先させなくてもいいと思うんですが、「その人じゃないといけない」ってなると、迷惑がかかるかもしれないですよね。

たとえばフリーランスって「フリー」って言うけど、じゃあ自由かっていうと、休むのは自由なんだけど、そのかわり、休んだら収入がパタリを止まってしまって。

ケガして入院しても、社員さんだったらいろんな手当てとかあって、生活保護とかありますけど、まあ、もうね、ケガしたら自己責任で収入ゼロになっちゃうっていうですね、どっちが自由なんだ？っていうのは、なかなかむずかしいとこですけど。

そうですよね。

だから、会社で受けるときって、だいたいチームで仕事を受けるので、ひとり抜けても他の人で回しておけるというかですね。

退院して帰ってきたら「あ、やっときました」みたいになると、非常に快適なわけですけど。

ね。個人でね、フリーランスの人とかでも、ずっと下請け的に仕事をやってる人、いるじゃないですか。そういう人って、やっぱり不自由だなあって僕は感じるんですね。つまり、「この商品をいついつまでに、この値段で納めてね」って言われて、やらざるをえないっていう。断ったら他の人に行っちゃうんで。

だけど、自分の商品を持ってて、自分で集客できて、自分で納品のポリシーとかも決めれる人は自由だなと思うんですけど、でも、裏を返せば、商品は自分でつくんなくちゃいけないし、集客もしなくちゃいけないし、自分自身で納品しなくちゃいけないとか、いろいろ制約もあるわけで。

ね。

なるほど。

なるほど。

たとえば家族がいてね、子どもが学校行ってたり、いろんな事情があって、「仕事を選べない」とか「辞めたいけど辞めれない」みたいな不自由もあるし。

そういう社会的かかわりがなかったら、自由ともいえるわけじゃないですか。

なるほど。たとえば、コロナのすごいバージョンのウイルスがまん延して、世界中の人が死んじゃうとするじゃないですか。

で、自分だけがなぜか特異体質で、ひとりだけ生き残ったとするじゃないですか。

そしたら、もう、明日から皇居に住んでもいいわけですよ。

ベルサイユ宮殿に住んだっていいし、銀座の高級時計とか両手に20個ぐらいはめて家に帰っても、誰も怒らないわけですよ。だけど、電車は自分で動かさなきゃいけないし、ベルサイユ宮殿まで行けないしって。だから、自由と不自由って結構、コインの表裏というか。

「この不自由を受け入れると、これが自由になる」みたいな、そういう関係なのかなっていう気が最近してまして。

つまり、「どの不自由を受け入れるか」っていうのをまず決めないことには、人間っていうのは自由になれなくて。

たとえば、結婚も不自由じゃないですか。

イメージ、そういうもんもあるじゃないですか。

だけど、それを受け入れることによって、新たな自由も手に入るんじゃないのかなって気もしますね、なんか。

まあ、でも、国とか、いきなり明日からイタリア人になれなかったりとかしますけど、生まれた場所とかによって。

基本的に、自分で選べないもんって、あんまないと思うんですよ、そういう根源的なもの以外は。

そうですよね。

僕は「自由じゃない、不自由だ」と思ってる人の多くは、意識して不自由をチョイスしてないから、自分の意図せぬ不自由を押し付けられてる気がするんですよね。

そう。「どの不自由を受け入れるか」っていう決断をすれば、それ以外は自由になるんじゃないのかなと。

そんなこと言ってません（笑）。そんなこと言ったらリスナーが減っちゃうじゃないですか（笑）。どうしてくれるんですか（笑）

（笑）

……ということで、はい。

おまとめしましょう。

はい。自由について。

なるほど。僕は、不自由と自由がセットだと思ってるということで。

はい。ということで、本日は以上です。ありがとうございました。