“生粋の商売人”倉橋純一。全国18店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第47回 「子どもマーケティング」と「親マーケティング」の違い
前回は、万代さんが大きくターゲットを変えたというお話をお聞きしましたが、ターゲットを変えるのってすごく難しいですよね。ここで間違えてしまう経営者さんも多いと思うんです。
そうですね。万代でも、お子さんに来てもらえる店を作ろうと「子どもマーケティング」の研究を続けていますが、すごく難しいです。「子どもが行きたい店」と「親が子どもを連れて行きたい店」がそもそも違っていたりして。
ああ、確かに。子どもはガチャガチャがたくさんあるところに行きたがるけど、親は図書館に行かせたい、とか(笑)。「子どもさえ掴めれば親も付いてくる」というほど単純ではないわけですね。
ふーむ、「親も喜ぶような店」ではダメなんですか?
それでいうと、一旦親のことは忘れてOKです。その代わり、徹底的に子どもにターゲットを絞る。子どもが行きたがらなければ、結局ファミリーも動かないので。
ははぁ。いくらお母さんやお父さんが行きたがっても、子どもが気乗りしなければファミリーは来ないと。
そういうことです。例えば回転ずしやスーパー銭湯などを見ていると、お子さんが喜ぶしかけがたくさんありますよね。
ええ、仰るとおりです。「お子さんを連れてきた方たちのためのサービス」として置いています。
へぇ〜、なるほどなぁ。「子どもに付いてきた人たちも退屈しないように」ってことなんですね。
50万ですか! それはちょっと高いですね。
ははぁ、なるほど。お金を気にせず家族皆で楽しめる場所ですよと。……とはいえ、ターゲットはあくまで「子ども」にするんですよね。
ふーむ、多くの人が間違いやすいところですよね。ターゲットを広げすぎてしまうこともあるでしょうし。
ぼやけてしまうことで、結局誰にも響かなくなっちゃいますもんね。例えば子どもが喜ぶからとガチャガチャを置いたのに、その景品を親に寄せて勉強グッズにしてしまったら、子どもにも親にも響かなくなってしまう(笑)。
なるほどなぁ。ちなみにターゲットを設定するときに、間違っていないかどうか確かめる方法ってあるんでしょうか?
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。