第61回 万代のビジネスモデルは「儲かる文化祭」

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第61回 万代のビジネスモデルは「儲かる文化祭」

安田

倉橋さん、先日Xで万代のビジネスモデルを「文化祭をビジネスにしたような仕事」と投稿されてましたよね。


倉橋

ええ。実際、僕らがやっていることは文化祭とすごく似ているんですよ。チームで一丸となって新しいお店を作ったり、改装して新しい売り場を作ったり。

安田

文化祭もクラスや部活でチームになって進めていきますもんね。いろんなトラブルを皆で協力し合って乗り越えていくことが醍醐味だったり。


倉橋

そうそう。トラブルはつきものですからね。万代の場合もそれは同じで、リサーチは充分にするんですが、なかなか順風満帆には進まない(笑)。直前になって「行政の認可が2週間遅れるらしい!どうするんだ!」みたいなことがしょっちゅう起こる(笑)。

安田

それはそれで楽しそうですけど、実際の現場は大変なんでしょうね(笑)。でもあらためて考えてみると、そもそも店舗ビジネスって元から文化祭に似ているのかもしれませんね。


倉橋

そうなんです。「分業制」なところも同じなんですよね。文化祭で演劇をやるとしたら、大道具、役者、演出家と役割が分かれますよね。店舗ビジネスもそれは全く同じで、店長は全体を統括する舞台監督のような役割です。

安田

なるほどなぁ。ということは、文化祭が好きだった人は、万代で働くのも楽しめそうですね。


倉橋

そう思います。皆でチームを組んで協力しながら進めるのが好きな人にはピッタリで。飲食業や小売業とも近いので、そういう経験がある人も大歓迎です。

安田

ははあ、それらも個人技ではなく皆で協力するビジネスですもんね。うまくいったら打ち上げでお祝いしたり(笑)。


倉橋

そうそう。何かしらのトラブルがあった方が盛り上がったりして(笑)。

安田

笑。渦中にいる時は大変でも、後から振り返るといい思い出だったりしますからね。倉橋さん自身も文化祭で盛り上がったり楽しんだりしたタイプだったんですか?


倉橋

いや、こんな話をしておいてなんなんですが、僕自身は文化祭で積極的に楽しんだという経験があんまりなくて(笑)。なんだか楽しそうには見えていたんですけど。

安田

そうなんですか! てっきり文化祭が大好きだから万代のビジネスモデルを作られたのかと思ってましたよ。


倉橋

すみません(笑)。それでいうと、昔楽しめなかった分いま取り戻そうとしているのかもしれません。「自分の理想の文化祭」を作っているというか。

安田

なるほどなぁ。…まぁ私も実は倉橋さんと一緒で、文化祭で盛り上がるタイプではなかったんですけどね(笑)。

倉橋

そうなんですか。でも確かに文化祭ではしゃいでいる安田さんは想像できないかもしれない(笑)。文化祭自体に参加しなかった感じですか?

安田

いえいえ、高校時代は「生物部」という生き物係のような部活に入っていて、その部員として参加してましたよ。もっとも、なぜかその頃から「いかにお金を稼ぐか」ばかり考えている学生で、他の部員とは視点が違ったんですけど(笑)。

倉橋

さすが、当時からビジネス思考だったんですね(笑)。

安田

そうかもしれません(笑)。生物部ならではの商品をたくさん用意して、1日で2万円くらい売り上げたんです。そのお金で皆で美味しいものを食べに行った思い出があります。

倉橋

素晴らしい。お客様に来ていただいて、魅力的な商品を提供する。万代で今まさにやっていることですよ。クリエイティブな部分や広報なども含めて、やっぱり文化祭との共通点は多いですね。

安田

確かにそうですね。とはいえ本当の文化祭は楽しめればそれでいいですけど、ビジネスではそうはいかない。文化祭のように「赤字だったけど楽しかったからいいよね!」とは絶対にならないわけで。

倉橋

仰るとおりです。ただなんというか、だからこそビジネスは楽しいんだと思います。本物の文化祭より楽しいというより、楽しむポイントが違うというか。経済的な指標があるからこそ燃えますし、やりがいを感じるんじゃないかな。

安田

ははぁ、なるほど。そう言われると私も生物部で売上を目標にしてましたけど、燃えてましたね(笑)。儲かると楽しいですしね。

倉橋

売れたということは、お客様に「魅力的だ」「お得だ」と感じてもらえた、ということですから。つまり他人から認めてもらえたということなので、やっぱり嬉しいですよね。

安田

なるほど。ちなみに、もし今の倉橋さんの経験と知識を持ったまま学生に戻れるとしたら、いくらぐらい文化祭で儲けられますか?

倉橋

どうでしょう…。もし客層がわかるのであれば、2日間で1000万円くらいの売上も実現できるかもしれません。

安田

文化祭で1000万ですか。それはすごいですね! テレビ取材が殺到して、地元で有名な高校生になりそうです(笑)。でもどんなビジネスでそこまで売り上げるんですか?

倉橋

サブスクのようなものができたらいいなと思います。そうすれば文化祭の後も継続的に買い物をしてもらえるので。

安田

文化祭でサブスクですか! そこで物を売って終わりではなく、年間契約にしてしまうと。いや〜すごい発想ですね。

倉橋

ありがとうございます(笑)。そういえば、大学時代の文化祭でコーラを大量に安く仕入れて失敗した経験を思い出しました。全然売れなくて在庫が残ってしまって。

安田

なるほど。その失敗が今に生きているわけですね(笑)。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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