“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第64回 「X採用」を成功させるための発信
今の時代、採用は人事ではなく社長の仕事になっていると言ってもいいと思うんです。社長自らが広報を担う必要が出てきているというか。
テレビCMのような大規模な広告は難しくても、Xでの発信は誰でもできることですからね。やった方がいいと思います。
ですよね。ともあれ、Xが採用に効果がありそうだということは広まってきているんですけど、実際に採用を成功させている人って現時点ではまだ少ないんです。それでいうと、倉橋さんはXでの採用に成功されてますよね。
そうですね。ありがたいことに僕のXを見てご応募いただくことも増えてきました。
そうですよね。ということで今回は、倉橋さんの実体験に基づいたX採用の秘訣をお伺いしたいなと。どういう発信をしたらいいのか、また社長としてどんなことに気を付けたらいいのか。
僕のXでの発信は、お客様との接点を持つ目的もあるにはあるんですが、基本的には社員に向けてのメッセージなんです。その延長線上に未来の社員や取引先など、将来的に万代とご縁がつながる人がいると思っているので。
ははぁ、なるほど。つまり、既に関わっている人に対しての情報発信が重要ということですか。
そうそう。まずはその方々に僕の価値観を伝えることが大事だと思っていて。採用に関しても、その価値観を見て「自分とは合わないな」と思ったら応募もしてこないわけで、いい意味で選別できるという。
それはそうですよね。つまり、発信することで社員さんに価値観を理解してもらいつつ、未来の応募者のセグメントも兼ねているということですね。
仰るとおりです。そういう点で、Xはすごくいい発信装置ですね。Xを始めてから、退職者が圧倒的に減りましたし、採用する人たちもポジティブに見てくれるようになりました。特にこの対談シリーズが好評で。
それは嬉しいですね!
キャリアや幹部クラスに応募してくれる方々は、全ての記事に目を通してくれています。
へぇ〜それは素晴らしい。Xよりも深掘りしてますから、より詳しく倉橋さんの価値観が理解できるんでしょうね。
そうなんです。自己紹介の延長のような感じなので。逆に言えば、この対談記事の内容が受け付けないという人は、それ以上僕と関わろうとはしないはずですから。
X同様に非常によくできたフィルターの役割を果たしてくれているわけですね。
そうなんです。結果、応募してくれる人は自分と価値観の近い人になるので、お互いにストレスがないんですよ。初めて会う人なのに、なんか波長が合うな〜という人ばかりで(笑)。
すばらしいですね(笑)。でもそれが成り立つのって、倉橋さんがXやこの対談通りの人だからですよ。世の中、そこが一致しない会社がたくさんあるでしょう? ネット上だとすごくいいことを言っているのに、実際に話してみたら全然違っていたみたいな。
うーん、僕には理解できませんね。ギャップをなくすためにXで発信しているのに、わざわざギャップを感じさせるようなことをしてたら意味ないじゃないですか(笑)。
確かに(笑)。もう一つ気になるのは、社長は自信を持って発信しているんだけど、社員からは受け入れられていないというケース。社長の頭の中と現場に温度差があるんだけど、社長だけがそれに気付いてないというか。
ああ、なるほど。SNSでの発信には、その人の人格が反映されますからね。乱暴な人は乱暴な雰囲気になるし、優しい人は優し気な雰囲気になる。特に実名だとよりそう感じます。
確かにそうですね。売上重視の人とかも、そういう雰囲気が色濃く出ますよね。
それはもうその人の性格なので、悪いことではないと思います。でもフィルターが機能しすぎて、誰も来なくなったら困ってしまいますよね。そういう場合は自分の発信を見つめ直す必要はあるのかなと。
なるほど。そうすると、やっぱりXでの発信は、偽らずにありのままの自分で行うべきではあるけれど、もし自分が求める人に響かない場合は、発信内容を見直す必要があると。
仰るとおりです。もし炎上するのであれば、その人自身のパーソナリティにそういう要素があるはずなので。
その原因を真摯に反省した方がいいと。ともあれ、Xは全経営者が試してみる価値がありそうですね。もし仮に炎上することがあっても、自分の発信がどのように受け取られているかを知るいい機会になりますから。
そうですね。僕も始めてまだ3年ほどですが、絶対にやった方がいいと思います。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。