“生粋の商売人”倉橋純一。全国21店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。
第99回 「社長のSNS利用」のススメ

倉橋さんがXに力を入れ始めてもう長いですよね。SNSを通じての出会いも増えているんじゃないですか?

そんなことないでしょう(笑)。でも安田さんのSNSの言葉は、実際のパーソナリティがよく反映されているとは思います。話の切り口とか、言い回しの丁寧さとか。感情的になっているところは見たことがないですし。

そうそう。だから僕の投稿を見て、「なんか違うな」と感じたら、うちの会社を選ばない方がいいんだと思います。社長の発言が好きになれないなら、その会社に就職する必要はないですから。そういう意味で、フィルターとしてもすごく有効なんですよね。

それは絶対にやってはいけないパターンでしょうね。フォロワー数にとらわれて「演じる」ことに重きを置くと、リアルとのギャップが出てしまう。そもそも「価値観に共感してくれる人と出会うため」に発信しているのに。

そうですよね。ただ倉橋さんのように、演じなくてもフォロワーが増えて採用につながる人ばかりじゃないと思うんですよ。性格に難のある経営者が、採用がうまくいってないからとSNSを始めても、素をさらけ出してしまったら誰も来ないですよね(笑)。

なるほど(笑)。小手先の投稿じゃ、採用はできないってことですね。特に経営者の場合、自分の価値観に合う人とオンラインでつながることが重要ですよね。採用も集客も、自分が大事にしていることを発信して、それに共感した人が来るというのが理想なわけで。

ただね、コメンテーターのようにテレビに出て知名度を上げるのとは違って、SNSってもっと距離が近いじゃないですか。しっかりとビジョンを持ってる人にはSNSは合うけど、「採用がうまくいかないからとりあえずSNSをやっておこう」では成果は出にくいだろうなぁと。

逆に「この社長はなんかおかしいぞ」と思われたら、あっという間にそっぽを向かれてしまいますからね。…でもそう考えると、いい時代になったのかもしれません。昔って、実際にあってみるとひどい社長ってけっこういたじゃないですか(笑)。すごく横柄だったりして。

なるほどなぁ。倉橋さんが「同族経営をやらない」と決めて、それを発信してるのもすごく理にかなってるわけですね。それもいいことばかりを言うわけじゃなく、「転勤がある」とか「飲み会がある」とか、人によってはマイナスになることもしっかり伝えている。
対談している二人
倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表
株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に20店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。