2018年2月1日に配信された「銀行に関する質問4選を、大久保圭太が一刀両断!」の後半。前半では「1.借り入れ時の金利と期間を銀行はどうやって決めるのか?」「2.保証協会なし融資(いわゆるプロパー融資)を獲得するためのポイントは?」をお届けしました。後半では「3.銀行から提示された金利や期間の交渉」「4.取引先銀行を変えるリスクやデメリット、長期取引するメリット」をお送りします。
第3問。提示される金利や期間なのですが、そこから交渉は可能なのでしょうか?中小企業の社長です。
可能?
え、それは・・・提案されたものを見せちゃう?
あ、そんなの、いいんですか?
テキトーじゃなくて。裁量の余地がある。
まあ、テキトーなんだと思うけどね(笑)
裁量の余地があると。
そういうの見たら下げてくれるから。銀行は総合的に考えているので、金利下げたほうがいいかどうかってチラッと前に言ったと思うんだけど、あんまり下げすぎると「お宅と付き合わなくてもいいよね」にはなると思うんだよ。だって、べつに経費考えたら優良先じゃないわけじゃん?そこは勘違いしちゃいけないのは「どうせ貸すとこねーんだろ?借りてやるよ」みたいな立場にならないほうがいい。心の中では思っていたとしても、銀行の利益も考えてあげないと、悪くなった時にどう対応されるか影響する。結局銀行も経費とかで利益を見てるわけだから、それは考えてあげたほうがいい。それはたぶん中小企業の観点にない。要するにどういうことかというと、銀行がいろんな手数料なんだで稼いでるところで、この企業と付き合うべきかどうかって考えてるので。再編していく中では銀行側も選ぶ可能性も出てくると思うんだよね。そのときに「いいよ、あんなとこ」ってなっちゃうような付き合いをするよりは、譲るとこは譲りながらの対応をしていく。ただ1個だけ譲れないのはキャッシュ残だと思っているので、多くキャッシュを持っていれば潰れないから。期間も、なるべく長くやりたくないね。金利については、それでイコール死ぬわけじゃないとは思っているので、その0.何パーを下げるために死ぬ気で何かをやってもね・・・僕はあんまりおすすめしない。で、上手くいってきたときに、個人保証を外していくっていうフェーズに入ったときに、金利がちょっと上がると思うんですよ、「それでいいじゃない」って言えていいと思うし。そこに囚われすぎないっていうか。なんかちょっといいこと言ってんなって感じが。
自分でですか?(笑)おっしゃる通りですが。いい、ちゃんとしたビジネスパートナーとして組む、という見方も大事だよということですね。
そうそう。銀行の味方です。
お~、今までの文脈からするとリスナーは今、虚を衝かれましたが。でも、その通り。
味方ですよ。だって、悪くなったときに返さなく・・ああ、いいや、支えてくれるパートナーですから。
いろいろやりますから。さあ、いきましょう、次です。
東京で卸売業をやっております。取引先銀行を変えることにリスクやデメリットはあるのでしょうか?あるいは取引先銀行と長期にわたり取引をすることにどんなメリットがあるのでしょうか?ラストの質問になりそうですが、いきましょう。
ん~。目先はないですよ、リスクとかデメリットっていうのは。ないというか、むしろメリットは結構多かったりして。たとえば、本当ケースバイケースなんであれだけど、土地担保にとって借り入れをしてるところに他行が担保外して同額の融資借り換えしてくれるとか、個人保証を外してくれるとか、そうやって会社の大きなメリットをとるっていう意味では、取引行を変えることに、さしてリスクはないよね。デメリットもおそらくはないだろうと。ただ、さっき言ったような銀行側の目線を考えたときに「そんなことすんのね、この人」って思ってると思ったほうがいいよ、たぶん。1回目はいいよね。大きく不義理をされてたみたいなさ、保証を外してくれなかったとか、そういうときにガッと変えてしまうのはいいと思うよ。けれども、それを毎回頻繁にいろんな銀行を変えているっていう状況になると「結局私もフラれるな」みたいな感じになっちゃうとね。とはいっても、長期間にわたってやったからってはめられてることもあると思うんで、そこはやっぱりけん制をさせながら長くいろんな銀行と付き合っていくと。これから銀行が減って、半分になるって考えると、特に地方とかは長く取引していって上手く付き合わなきゃいけないと思うんで、そこはやられっぱなしにならないようにけん制入れて、ちゃんと長くつきあう。双方のメリットを考えていくっていうことを考えていくのがいいと思う。あとは、地方になれば、たとえば役員クラスの対応をしてくれるみたいな、それぐらいになればメインとして動いてくれんのかなと思うけど、あんまり信用しすぎず、だからといってあんまり不義理せずっていう、結構バランスいい付き合いがいいのかな、っていうふうに思いますね。
ということですね。いいですね、いろんな角度から抽象度高めに答えていくことによって整理されていくこの感じ。
すげえ疲れんだけど。
え、そうですか?非常に勉強になりましたけれども。
よかったです。
非常にいい回でした。まだ残り10個ぐらいありそうですので、これもまた別の機会にぜひ。いろいろと面白い質問ありますので、また違うところで。
とりあえず飲み行っていいっすか。
一刀両断やりましょう。
一刀両断ってさ、なんかタイトルが昭和っぽいよね(笑)
思いつかないんですよ。
考えといてください。
考えましょうよ。というわけで、大久保先生、本日もありがとうございました。
ありがとうございました。