【読むPodcast | マネトレ45-後半】「2人の共同経営会社の出口戦略」第132回

前半では全く質問には触れず、Colrzさんのつくば支店の話題で盛り上がりましたが、後半ではきちんと質問に答えます。「年商15億、株価5億、毎年5000万の利益。共同経営でともに55歳。株の所有は50%ずつ。5年後に引退したい。」との質問。財務アタマがフル回転の回答です。(音声はこちら

>>>大久保圭太氏のプロフィール

円道

すごい質問でしたよ。箇条書きというより単語がボコボコと(笑)

大久保

「自分、不器用ですから」みたいな(笑)

円道

はい。

大久保

言葉少ないのは東北とかかな。わかんないけど(笑)

円道

どういう偏見(笑)

大久保

いや、偏見じゃなくてさ、寒いとこってあんましゃべんないから。

円道

しゃべるわ(笑)いつの時代?(笑)

大久保

俺、東北出身だもん(笑)

円道

うそ!?めっちゃしゃべるやん。ホントですか?

大久保

生まれは会津若松だもん。母ちゃんが。

円道

え、そうなんですか?母ちゃん?(笑)

大久保

そうだよ。白虎隊の子孫だって……

円道

待って待って!その話いいです。たぶん聞きたい方もいますけど。

大久保

「白虎隊の子孫だ」って言われたけど、白虎隊全員死んだから子孫なわけねえよ(笑)あ、1人生きてたか。俺、なんで小学校のとき信じてたんだろう(笑)

円道

「自分、その魂持ってる」みたいな?

大久保

よく考えたら1人しか生きてないもんね。その人の子孫じゃなかったら違うよね。

円道

まあ、たしかにね。

大久保

何の話だっけ?

円道

出口を教えてもらえますか?

大久保

ああ、そうだそうだ。はい。えーと、どうしようね。株価が高すぎる。だから、5年後、まあ、若いけどね…5年後に、社内に継ぐとなると、やっぱ株価を下げないといけないよね。いま雇われてて、次の人は買えないじゃん。買えないから下げるしかないよね。そうすると、何で下げるかって、やっぱ、ベタだけど退職金なんだろうと思ってて。

円道

ああ、はいはい。

大久保

創業25年で……創業だもんね。

円道

ですね。創業25年。

大久保

創業で2人だとすると、25年で、5年後だから30年。退職金がだいたい「最終の月額の報酬」×「年数」×「だいたい3倍」とか、まあ、そこは顧問税理士にリスクとってもらってあれだけど、だいたい3倍ぐらいだったとすると、でも、5億あって、毎年いくら利益出てるんだっけ?

円道

5,000万ですね。

大久保

じゃあ、5年で2億5,000……7億5,000万になっちゃうのか。

円道

退職金の計算、ざっくりで言うと、もう1回言ってもらってもいいですか?

大久保

嫌です(笑)

円道

お願いします。

大久保

最後の月額の役員給与の金額×役員年数。だから、いま30年×功績倍率っていって倍率をかけていいんだけど、今回はだいたい3倍までは認められるだろうと。そうすると、だから×90だよね。だから、最後の報酬がたとえば毎月100万円もらってたら……

円道

1,200万、年収で。

大久保

そうですね。×90だから9,000万。最後は月額たとえば500万だとしたら4億5,000万。この場合、いま5億円で、5,000万ずつ利益出てたら、仮定だけど7億5,000万になっちゃう。なっちゃうっていうか7億5,000万じゃたぶん買えないだろうから、1人3億7,000万ずつ退職金とって株価ゼロにして、次の方に渡す。

円道

退職金3億7,000万も払う方法って、どうやってやるんですか?

大久保

420万ぐらい最後とってればいいんじゃない?割り返すと。400万たとえば月額とってれば4,800万。

円道

年収を合わせてく?

大久保

そう。だから、いま給料いくらかわかんないけど、5年後の出口っていって、もし、いま100万だったら100万ずつ上げてって、急に上げると課税庁に言われる可能性もあるんで。あ、こんな話していいんだっけ?(笑)

円道

そこの判断はお願いします。

大久保

まあ、でも徐々に上げてって、最終の月額で……まあ、リスクは顧問税理士に相談してください。計算上ね。やると、400万×30年×3で3億6,000万でしょ。

円道

それは、ベースは、売るというか手放すときの時価総に対して退職金の計算を逆算して当てていくってことですか?

大久保

そう。それは、まあ、ひとつ。ただ、それをね……

円道

ちなみに、その、1人あたり3億7,000万ぐらいは退職金で払えるんですか?

大久保

どういう意味?お金があるか?

円道

そうそうそう。

大久保

知らない。調達ができるのか、あるいは、いま保険とか何とかで積み立ててきてるのか、そのへんはちょっとわかんないけど、一応そうすると次に渡せるよっていうことと、本当に、あとは次に渡しちゃっていいのかっていう問題が。次の世代がわかんないけど。

円道

でも、いままで、たぶん、普通の社員で雇った方々を後継にして渡すつもりで…。

大久保

それをやってって、その次どうすんのかとか考えていくと、もしかしたら渡さずに社団法人とかつくって。

円道

そっち!?売るとかじゃなくて社団法人?

大久保

社団法人に移して。社団法人って相続対策で使われてて、要するに株価高い株を社団法人に渡してしまうことで、持分というか、財産権はないから相続対策をはずしちゃうんだけど、去年かな、改正が入って、要は親族で2分の1以上持ってたらだめよと。2分の1以上持ってたら好きなことやれるから。

円道

このケースで言うと、株価の5億分あるじゃないですか。株価をその社団法人に、要は株価下げた状態のときに全部渡しちゃうってことですか。

大久保

そう。渡しちゃって、いまこれだから、ほら、創業の人、2人バラバラじゃん。

円道

で、もう1人社団法人の理事に入ると。

大久保

そうそう。で、次の経営者も入ってもらって3人にしてしまえば、ある程度コントロールもきくし。

円道

社団法人の理事って全員一票みたいな感じですよね。

大久保

そう。だから、その次の後継者のときも株価対策しなくてもいいから、それだと。そうすると、そこに理事に入ってもらうことで、次の代、次の代、次の代……みたいのができるかもしれない。ただ、変なやつも入ってくるだろうし。

円道

まあ、そこはありますね。

大久保

ただ、株渡しちゃったら、株渡したやつが変だったらもう終わっちゃうからね。そういう意味では、まだ複数名の理事会にしておけば。

円道

要は社団法人で持って合議制で判断すると。

大久保

そうそう。みたいなことも検討できんのかなっていう。

円道

そうか、家族の相続じゃなくてもこのスキーム使えるんですね。

大久保

家族の相続は逆に使えなくなったから。逆に言うと、本当にそういうスキームには使える。

円道

なるほど。正しい使い方?

大久保

そうそう、になるんだろうなっていう感じはする。なので、それも渡し方としてはひとつだけど。ただ、そうすると、退職金ってさ、だいたい細かくなっちゃうと55パーセントの2分の1だから、いろいろ細かい計算はあるけど、半分ではあるけど、27.5じゃん、税率が。

円道

うんうん。

大久保

だから9,900万払うから、3億6,000万だっけ?…iPhoneで計算する。3億5,000万でしょ。そうすると、2億6,000万ぐらい残りますよと。

円道

十分じゃないですか。っていうことじゃなくて?

大久保

いやいやいや。だってさ、株売ったら20パーでいいんだよ、ってなるじゃん。だから、この手のケースだと、結構M&Aなんて、特に地方だと思うかもしれないけど、例えば7億5,000万の株価あってさ、5,000万が…そのまま本当に続いてたらね、例えば……

円道

5年で?5年後に売るということですか?

大久保

5年後に売るときに株価7億5,000万で売れるじゃん。プラスのれんとか考えたらさ、9億とか10億。

円道

ああ、9いきますか。

大久保

売れるじゃない。まあ、5年分のれんみて10億ぐらい、例えば。で、10億だと、5億ずつで考えたら、20パーで4億残るからね。しかもさ、10億で買えるって結構デカい企業だったりするじゃん。

円道

たしかに、大企業とか上場企業とかになりますよね。

大久保

ね。そのほうが安心じゃね?っていう。

円道

ああ、働いてる方々が?

大久保

そうそうそう。次の経営者が超優秀だったらいいけど。絶対こいつ張ったほうがいいんだっていう子がいたら、株渡しちゃってもそれこそいいかもしれないけど、そうじゃなかったら、やっぱ創業の社長とは違うよね。しかも、2代目とかとして育て上げられてきたとか、そういうのならいいけど。なんとなく部門長だったみたいな人だったら、やっぱリスクが背負えねえじゃん!っていうのもあるから。

円道

たしかに15億5,000万の利益出してる会社の……

大久保

なかなかだね。

円道

たしかにね、創業を継ぐのはつらいですね。

大久保

そうすると、売って逃げたっていう立て付けにならないように、顧問で残るとかにして。大手の……

円道

ああ、しばらくは入って?社外とかに。

大久保

そう。で、べつにそれで一緒にアライアンス組んでやってんだっつって、そんなに気にするかっていうとね。

円道

たしかにね。一瞬社員の目線からいったら「あ、売られた」と思うかもしれないですけど。

大久保

思うかな?グループに入ったっつって。早めに売って、一緒に社長も代わらずやってたほうが、もしかしたらいいかもしれないね。現時点で売っちゃって、5年間給料もらって、退職金もらえばいいじゃん。

円道

は~、そういうことな。すごいですね。

大久保

そういうことな、ってなんだよ(笑)

円道

そういうことか。

大久保

酔っててもできんだろ(笑)

円道

眠くてもできるんですね。すごいですね。スキームの前に売ると。

大久保

売るもあるよ。いま売れば。

円道

いろいろ手法出ましたね。社団法人スキームも出ましたけど。下に継ぐってありましたけど、渡すとかね。そして大企業に売却すると。デカいとこに。

大久保

うん。

円道

なんか、この短文で来る方からすると、「あ、そういうことか」っつってすぐに動きそうですよね、こういう方って。

大久保

なんかいいね、無料で(笑)

円道

すぐに動きそうですね、こういう方って。「あ、売り先いたな、あいつ」みたいなね。そういう賢さありそうですよね。

大久保

ああ、たしかにね。まあ、でも、アドバイザリーぐらい入れたほうがいいよね。価格交渉のところで、やっぱ直接だと嫌だよね。やりにくいしね。

円道

そんなときはね、無料で大久保先生に一応連絡を。

大久保

いや、べつにいいです(笑)

円道

で、売ったあとに、ネタにゲストで出ていただくと。

大久保

ポッドキャストのために動いてるみたい(笑)

円道

たしかに。

大久保

どっちがメインだかわかんない(笑)

円道

ネタが欲しいみたいな。

大久保

そうそう(笑)

円道

というわけでやってまいりましたが、いやあ、今日はさすが財務……

大久保

たまには財務アタマね。

円道

そうですね。いやあ、勉強になりました。

大久保

ありがとうございます。

円道

本日もありがとうございました。

大久保

ありがとうございましたー。

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