純利益1.5億の会社の社長から、お礼に株をあげると言われました、という質問者さん。株を受け取るときの注意点とは!?贈与、EBITA法など、皆さん財務アタマを使って読み進めてください。(音声はこちら)
今回のケースだと1.5億純利じゃないですか。だいたい、株はどのくらい時価総がついて価値になるんですかという。
そのコンサルタントが言ってる「5倍」っていうのは、ちょっとわかんないんだけど、えーと……いま、スタートアップで……どうすんだろう、出口はね。そんだけの価格で売るってことは、上場とかなのかなって思うんだけど。
この会社がですか?ちまたの?この会社?
この会社が。この会社が、だから、どういう形で誰に売るかだよね。いまの利益が続くだけであれば、例えば3年~5年ぐらいの営業利益でのれんが付くと思うんだけど、だいたい中小企業の株価算定っていうのは純資産プラス経常利益とかの何倍みたいな、そんな話だと思うんだけど。何年分みたいなね。だから、毎年利益出して純資産積み上げるとね。だから、その会社って1億5,000万出てるってことは……まあ、あれかな、納税前かな、でも、納税後で1億出てたら、1年やるごとに株価は1億円ずつ上がっていくんだよね。それで1億ずつ高く売れるのと、プラスのれんをくっつけて、もうちょっと高く売れると思うんだよね、そもそも。
単純に掛ける5年じゃないんですね。
5年プラスいまの純資産。純資産って、「その会社、いま、時価だったら売ったり買ったりしていくら」って話だから。
でも、創業初期から業務委託で3年取引してきたから、ちょうど3年ぐらいやってきてるんでしょうね。
うん。3年やってきて、まあ、3年間の利益経過わかんないけど、とりあえず、いま1.5億出てて、その中で注意すべき点というのは贈与税かな。
そうそうそう。聞きたい話ですね。
え?なになに?急にうれしそうに。いま、やめようかなと思ったのに(笑)
いやいや、みんなお金の話好きじゃないですか。
だってお金の番組でしょ(笑)
ああ、そうでしたね。
「そうでした」じゃねえ(笑)たとえば、だから、いまの株価がいくらなのかっていう。難しくて、「いま売れるよ」って話して、第三者間の取引で、なんていうか、市場間での取引というか、ぜんぜん関係ない人がいくらで欲しいから買うっていう、当たり前の市場の話じゃない?でも、贈与税って税金の話だから、この人が何パーセントもらうのかによって実は変わってくるっていうか。えー……何を言いたいか。
っていうと?
っていうと、配当還元方式っていうのを使えるというか……なんだろな、どうしたらいい?
すっげーざっくりでもいいし。
超ざっくりで言うと、まず、税務署の評価だから、いま言ったみたいに「のれん」とか考慮しないって話。いちばんわかりやすく言うと、時価で純資産にプラス利益の何年みたいなので「のれん」が付くって言ったけど、のれんは付かないで評価していいから、その会社が、まあ、例えば利益が0・0で今年1億でしたっていったら1億円の価値があるので、1億円の何パーセント。例えば10パーもらうなら1,000万。で、売れるなら、払えば贈与税はないから、もらえんだったら1,000万円出して贈与税がかかる可能性があるんだけど、ぜんぜん第三者で……これ、なんでその株価の規定があるかっていうと、要は「子どもに安く渡したい」とか「相続対策をしたい」みたいのがあるじゃん?そうすると、あまり安くしてしまうと税金が取れないから国税が設けてる。でも、第三者でそんなに株多く持ってないよって人だったら安くたっていいじゃないっていう。そうすると、いまみたいな、株の買主が第三者なんだから、配当還元方式っていって、「配当がいくらで、割り戻していくらって決めていいよ」と。で、ほとんど上場企業、配当してないじゃん?だから、評価額は非常に低くなると。
1.5億で、1パーで、いまのふんちゃらふんちゃら方式みたいなやつでいくと、ざっくり、譲渡した場合はいくらぐらい税金払うことになりそうなんですか?
たぶん、ほとんど0に近いんじゃない?だって1.5関係ないもん、配当してないから。あれ?配当してないといくらなんだっけな。最近やってねーから忘れちゃった(笑)
まあ、そのへんの細かいのはググっていただくということで。
ググって?(笑)そうね。25パー未満だったら大丈夫だわ。その方式でやっていいので。だから、贈与税はかからないに等しいかな、もらっても。
だったら、べつにもらったリスクは特にないじゃないですね。
うん。
もらうリスクはないと思っていいですよね。
もらうリスクはたぶんないと思う。うん。
で、その上で、実際この取引先の社長が売却したあとであれば、その株、時価総に合わせて、さっき算定の話ありましたけど、この方の、まあ、保有しててもいいですけど、たぶん売るんですよね。って場合には、この方としては「買収先に」って言ってますけど、やっぱそうですか?
ん?買収先?
買収先に買い取ってもらうっていう。
そうだね。もちろんもちろん。買い手もたぶん100パー欲しいだろうし。だから、どれぐらいもらうかだけど、そうね、一緒に売るっていうことだろうね。
その場合って、だいたいどのぐらい?業態もわかんないし、時価総は計算できないですかね。
わかんないけど、いま言った「純資産×営業の何年分」っていうのがひとつ指標になるから、それか、もしこの会社がたとえばITとかで、まあITじゃなくてもいいんだけど、上場の可能性があるみたいな、本当のスタートアップだとすると、DCFっていう方法で評価ができる。ディスカウント・キャッシュ・フロー。将来の利益から時価総額出して「このぐらいの金額ですよ」ってやると、もうちょっと高く売れる可能性はあるよね。「いまだったらこれぐらいで、上がるとこれぐらいだから」ってファンドとかが買うみたいな。そういう絵を描けるのか。まあ、だけどDCFはほとんど使えない。上場するとか次のイグジットが決まってる場合はDCF法でやれるので。それか、いま言った純資産と。あとはEBITDA法。これ、前やったよね。
やりましたね。
そうだよね。それが適用できればそれかなと。まあ、でも、なんとなくで、そのぐらいで売れるんじゃない。10億5,000も出てたらね、7・8ぐらいでね。
じゃあ、株もらわない手はないじゃないですね。
10パーもらったら……
10パーももらえるんですか。
それぐらいくれんじゃないの。くれない?
そんなに?
そうすると7,000万か。
ってなりますけど。すごいですね。
ただ、ちょっと気をつけなきゃいけないのは、譲渡が完全に決まってる段階でもらって、その株がさっきの配当還元方式でいいのかっていう問題はちょっとある。要は時価なんで、あくまで。だから、ちょっとそのへんがね、税法とM&Aの考えとちょっとズレてきてるというか。
M&Aの考えと納税の考えがあるってことですね。
そう。ちょっと時代がズレてるよね。税理士さんとかで「そんなに高く売ったら贈与税がかかります」みたいに言う人いんのよ。俺らの常識からしたら、普通に純資産が1,000万の会社でも、「1億円で買いたい」っていう人がいたら買ってくれるっていうのが感覚的にわかるじゃない?でも、おじいちゃんの税理士とかってわかんないから、「贈与だ」みたいな話になんのよ。いや、贈与じゃなくて1億が正しいよねって話じゃん?買いたいやつがいんだから。何を言ってんだろ?みたいな議論がそこそこ起きるよね。
まあ、でも、この方は社長も含めてわかってそうですからね。
社長、でも、あんまわかってないんじゃないの。
わかって……なさそう?
わかってないから、もっともらっちゃえばいい。
すごくないですか。仕組みわかっておらずにM&Aって。こんだけ、3年で1.5億まで持ってって。
だから49パーぐらいもらっちゃえばいいじゃん(笑)
れ、それで成果報酬で、相談で、大久保先生がやったほうがいいんじゃないんですかね。
俺も欲しい。俺も欲しい。俺も欲しい、その数(笑)
そしたら、たぶん全面的に協力してくれますよ、これ。
すごい悪い人みたいになってるじゃん。金で動くみたいな。
いま、私、提案しましたからね。一応言っときます(笑)
何が?何それ?
これ以上は何も言わないです(笑)
怖えーな(笑)
これ以上は何も言いません。
いや、でも面白いよね。売り先も考えられると思うし。
ホントですよね。一緒に考えてもらって。こういう機会いいんじゃないですかね。1回会いに行ったらいいんじゃないですか?
たしかに。どこにいんの?
いや、大久保先生に。
ああ。自分から……
(笑)
(笑)
怖い怖い(笑)ああ、すげー怖いなあ。
え、何が怖い?
こういうとこあるからなあー。
仕事だよ仕事。仕事だよ。
なんか汗かいてきちゃった。
金が目的なんだよ、っつって(笑)
引っ張るねー。価値観ね(笑)
今日4本目だから。だんだん疲れてきた。
そうですね。今日まだありますから。
えーっ。
今日まだありますから。一体何本録るんだ!?っていう。
もう勘弁してよ。そろそろビールいいでしょ。
そうっすね。ちょっと買ってきましょうかね、ハイボールぐらいね。
そうだね。ちょっと、なんか、エンディングに向けてね。
終わらない。なんでそれをチラつかせるんですか(笑)
ちょっと面白いかなって。だってさ、それぞれ引っ越すしさ。
いや、そういう話は……
ああ、いいんだ(笑)
はい。というわけでね、やってまいりました。面白い質問でしたね。
そうっすね。
また何か進捗ありましたら、ぜひ、お待ちしております。
はーい。
というわけで、ありがとうございました。
ありがとうございまーす。