【読むPodcast | マネトレ77-後半】「財務三表のうちC/Sの話が出ないのはなぜ?」第196回

B/S、P/L、C/Sで構成される財務三表。そういえば、中小企業の決算申告時にはC/Sが見当たらない!?キャッシュフロー計算書があると何がわかる?(音声はこちらから。)

円道

C/S(キャッシュフロー計算書)について。

大久保

C/Sね。営業キャッシュフロー、本業のキャッシュと、投資のキャッシュ、投資で使ったお金と、財務で得たお金を3種類に分けて、「現金がこうやって動きましたよ」みたいなのをつくっていくっていうのがキャッシュフロー計算書。

円道

うんうん。

大久保

基本的にはB/SにもP/Lにもお金の流れがないので。B/Sには残高しかないから。

円道

なるほど。

大久保

ただ、B/Sを並べるとキャッシュフローが実はつくれるんだけど。

円道

B/Sを並べる?

大久保

そう。2期並べると、お金の流れが見えるっていう。

円道

ああ。

大久保

これはちょっと難しい部分もあって、簡単には説明できないんだけど。

円道

ただ、午前中に私は、そのコンテンツを聞いてしまったので理解はしてます。たしかにそうですね。

大久保

だから、それともかぶって、「俺、ここで何を話すか」っていう動揺も実はあったの。そんなドンピシャで質問来るんだ。

円道

ほんとですね、たしかに。

大久保

で、何が重要かっていうと、営業の場合は増えてるのかどうかって、本業でお金が増えてるかどうかっていうのはあんまわかんないというか、お金に色はないので、借り入れで増えてるのか、投資で増えるっていうか、何か固定資産を売ったからお金が入ってきてるのか、それとも借り入れをしたからお金が増えてんのかっていうのは、分解しないとわからない。それを分解してくれるのがキャッシュフロー計算書。

円道

はいはい。

大久保

いつも言ってるけど、P/Lはお金を追ってないからぜんぜんわかんなくて、キャッシュフローが、B/Sを2期並べると、現金が去年と今年でどう増えてるかって見えるじゃん。

円道

うん。

大久保

他の科目を見ていくと、たとえば固定資産が増えてれば固定資産を買ってんだろうから、それは投資のキャッシュフローだよねとか、あとは借り入れがどうなってるか、財務キャッシュフローがどうかっていうのをざっくり把握していくっていう形。なので、すごい超ざっくりキャッシュフローの流れを見るんだったら、だいたい借り入れはいくら増えてんのかなっていうのと固定資産に投資したかなっていうのを見て、差額が営業のキャッシュフローなんだろう、ということだね。

円道

よくある、借り入れしたり調達して「お金が儲かってると勘違いしちゃう問題」みたいなのがわかるには、要はB/SとP/Lじゃわかんないってことですね。

大久保

そう、B/SとP/Lではわかんないので。これ、逆の見方をすると、財務キャッシュできちんと投資を賄ってると、ほとんど営業キャッシュになるんじゃないかなって感じはするけどね。投資する分をちゃんと借りて……まあ、減っていくのもあるから、かっちりはまんないと思う。

円道

これ、つくってないとはおっしゃってましたけど、実際に財務諸表を見てるときに、頭の中では、認識としてはつくるんですか?「営業キャッシュフロー、この会社はこうだな」とか。

大久保

まあ、どうだろうねぇ。俺はそうやってやってるけど。

円道

やっぱ、やってるんですね。

大久保

うん。B/S見て、どういう流れだったかっていうのを追っていって。

円道

つくってないから、頭の中でやってるんで可視化されてないから……あ、そういうことなんすね。

大久保

まあ、でも、やってる人ってそんなふうになると思うけどね。

円道

ふーん。

大久保

大好きなの、2期並べて金の動きを見るって。ちょっと興奮するぐらい(笑)

円道

(笑)。でも、たしかに今回のコンテンツ、財務講座みたいな感じでお話ししてくださってたじゃないですか。実際に2期並べた財務諸表を大久保先生が、「ここ、なんか怪しい。粉飾じゃねーか?」とかやってるのを見て、たしかに、なんか、興奮してくる感が……(笑)。邪推ね。

大久保

いやいや、結構邪推するよね、なんか。好物だから、基本的に決算書って(笑)。だから新規で持ってくるとき、なんか楽しみだよ。「どんなマンガだろ」みたいな、新しいマンガ読んでるぐらい。

円道

新しいコンテンツみたいな感じなんですか?

大久保

そうそうそうそう。「あ~、こう来たか!」って。来ないとリアクション薄いから。

円道

楽しそうね(笑)

大久保

そうそうそう(笑)。「あ、こういう感じね」みたいな。ぜーったい問題あるんだもん。

円道

はぁ~。

大久保

問題がないのってあんま見たことがないから。「なんでこんなことしちゃったんですか?」みたいな。

円道

1回、公開でやってみたいですね。財務諸表をとりあえず4・5個並べて、片っ端からブワーって大久保先生が切りさばいていくっていう(笑)

大久保

それ、また収録すんの?

円道

やりますか?あの女性呼びます?(笑)

大久保

「頑張って。まだいける」って言われたもん(笑)

円道

あ、最後にあれですけど……で、なんで重要なのか?っていう意味でいうと、話はちゃんとしてくださってましたけど、要は「流れが見えないから」ってこと?

大久保

そう。お金の流れが見えないから、それが見える計算書であると。だから、中小企業は逆に持ってないし、たぶんつくってくれないと思うんだよね。まあ、聞けばだいたい出してくれると思うから。

円道

能力的には、税理士の資格持ってればC/Sはつくれるんですか?

大久保

どうなんだっけな。わかんない。

円道

あ、そういうもんなんですね。義務なしと。

大久保

いや、普通はつくれると思うよ。昔うちにいた会計士の若いやつはぜんぜんつくれなかった、5時間ぐらいやってたけど。「バカなのか?」って、「なにやってんの、これ」っていうほどだった(笑)。普通にある程度会計やってればつくれると思う。まあ、きっちりつくんなくても、簡易的に説明してもらえばだいたいわかると思う。

円道

じゃあ、自分の顧問先に「簡易でいいから、C/Sちょっと把握したいんだけど」って言えば、見れたりはできるはずってことですね。

大久保

確認はできると思う。

円道

ああ。まあ、ぜひ、この方もそういう意味では、自分の顧問先に聞いてみるのがいいかもしれないですよね。というわけで、今日のあたりはここで終わりたいと思います。大久保先生、ありがとうございましたー。

大久保

ありがとうございまーす。

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