後半では質問にどんどん答えます。中小企業の税効果会計、減価償却、個人事業主で製造業の財務戦略など。一気にどうぞ!(音声はこちら)
中小企業は繰延税金資産が計上されることが多いので、税効果会計を導入したほうがよいと聞きますが、本当でしょうか?という質問です。まず答えからいきましょうか。
導入しなくていいです。
はい。
はい。
次。
いいの?(笑)
だめです(笑)どういうことですか?
繰延税金資産って知ってる?
まず、そうですね、そこからお願いしたいです。
繰延税金資産と税効果会計がわかんないとね。
そうですね。
(笑)
全部わかんない(笑)
でも中小企業はわかるよね?(笑)
厳密にはわかってない気もしますけどね。
まあ、たしかにたしかに(笑)えーと、税効果会計っていうのは、税金の計算と会計がずれるんですよ。たとえば、えー、なんだろう、なんだろうなあ、中小企業は基本的に税務申告に合わせた会計をしてるから、ずれないんだよね。逆に言うと、ずれないから、繰延税金資産が計上されることは多くないです。
おぉ。
だから計上しなくていいと思うし。繰延税金資産が計上されるっていうことは、何ていうのかな、税金を先に払ってる状態なのね、会計よりも。
ほぉー。
そうだよなあ。そうだね。
わかりません。先に払ってるんですね。
だから資産なんだよね。前払いというか。
はいはい。
それを資産とみなしてんのよ。
それは、ある何かの資産に対して前払い的に税金を納める?
いや、違う違う違う。計算上のもんだから。
あ、計算上の話。
ずれの差額を出して……なんて言っていいかわかんねえや。あ、わかりやすいのは、会計上、たとえば1億円利益が出た、それに対して法人税が30パーなら3,000万じゃない?
はいはいはい。
なんだけど、会計処理が税法と違うと、たとえば、その法人税が2,000万円になったり5,000万円になったりするじゃん?するのね。
うんうん。
それ、変じゃん?
うん。
会計がおかしくなるから、それを5,000万を3,000万にするために、法人税等調整額というのを出して、B/Sには繰延税金資産で載っけんだけど、もうわかんないよね(笑)
あの、この方は何が聞きたいんですか?
「導入したほうがいいかどうか」っていうから、「導入しなくて結構です」としか言いようがない。
ふーん。税理士の方なんですかね。経理とかなんですか?
いや、なんだろう、欠損金があるからっていう意味かな。繰越欠損金は税効果の対象なのよ。でも、それに対して税効果会計をかけても、まあ、銀行は否認するよな。
この話って、ここに税理士の先生いらっしゃって一緒にしゃべっていただいたら、界わいは面白い話なんですか?
いや、そんな面白くないんじゃないの(笑)面白いのかな?わかんない、あんま考えたことない。まあ、いいんじゃない。税効果会計はこれぐらいにしたほうがいいんじゃないの。
じゃあ、次いきましょう。
はい。
減価償却資産について。銀行が独自に調整しているとのことですが、具体的にどのような調整をしているのでしょうか?たとえば取得当初から法定耐用年数より長い耐用年数を設定した場合、銀行にはわかるものでしょうか?
銀行員に聞けよって。まあ、調整してるっていうのは、銀行にもよるしね。俺、銀行員じゃないから厳密にはわからないけど、たとえば「減価償却をしない」っていうことをするじゃない?税理士さんだと「償却しなければ利益出ます」みたいな。でも、去年の申告書があってさ、去年の資産の台帳があるわけだよ、銀行側に。そうするとさ、あれだよね、わかるよね、っていう。なんていうの、独自でやってるというか、どこまでしてるかわかんないけど、出してることに対してやってなかったら調整かけるし。明らかにちっちゃかったら。要は、減価償却してないっていうのはバレるよねということと、法定耐用年数より長い耐用年数を設定した場合は、たぶん、わかんないと思う。たとえば100年とかだったらさ、あれだよ。
「そんなもんねえだろ」みたいな?
「そんなのない」ってわかるじゃない?そう。
15年のやつを25年とかにしてたら、あり得るかなっていうような?
わかんないけど、「20年ぐらいだったらあり得るかな」とか思うんじゃない?
この方、この質問の意図は、銀行をある種だますって言っちゃ変ですけど、っていうようなことをしたいというか。
そういうことじゃない?悪いやつだね!(笑)
リアクション。「悪いやつだね」って(笑)いま何が憑依したんですか?
いまはたぶんルフィじゃない(笑)ONE PIECEだね、たぶん、いま。
すげえな、いまの(笑)なんか演技してる。
(笑)……さて、なんだっけ?ちゃんとやってくださいっていう(笑)たぶん、税理士さんとか財務コンサルとかの人なんでしょうけど。まあ、でも、そんな感じじゃないですか。だから、お客さんにちゃんと行かせていただければいいと思いますけど。あんま、だから、だまさないほうがいいんじゃないかな、っていう。
でも、「耐用年数長くした場合には、わからないことが多いだろうね」っていうことですか?
そう。でも、この間さ、72か月の減価償却資産を72年で償却してたっつってさ(笑)
何年で?
だから、6年のやつを72年っつって。
6年のやつを!?
それ、バレてないから、わかんないのかもしれないね。
すごいな。
ていうか、そんなミスすんなよと思うけどね(笑)
それ、ミスだった?
ミスだよ。72か月って入れたんじゃない?そしたら72年だって(笑)
(笑)
「これ、償却遅くねえか?ずいぶん残ってねえか?」っつってさ(笑)
そんなことある?(笑)
いや、だからもう採用すんのやめようと思って(笑)
いやあ、やっと、なんか、初めていまの話を受け入れることができました。
ああ、ホント?
難しすぎてね。はい、というわけで。
これで終わっちゃうじゃん(笑)
いやいや、ラストもう1個あります。
もういいでしょ。
もういいですね。
え?(笑)
もう1個あります。
やんの?
もういいかな?いきますかね。
いいよ。
いきます。製造業経営者の方です。39歳ですね。
はいはいはい。
黙ってうなずきながら拝聴して何年たつでしょうか。ですが、ハッと気づき、焦って質問をお送りしました。助けてください。
どうした!?
個人事業主で製造業を営んでおります。従業員はいません。昨年、銀行から追加融資を勧められ、承諾しました。「借りたら返すな」が頭にあったので、「借りるなら多めに」と、年商くらい借り入れました。
結構借りたね。
そこで質問です。
はい。
大口の取引などが続き、材料費など先払いで借り入れから使って、大幅に減っています。追い打ちをかけるように取引先から支払い延期の連絡が入り、まわりでは倒産のうわさもあります。最悪の場合、「『借りたら返すな』でなんとか」と思っていましたが、いつも大久保さんがお話をされているのは株式会社の財務で、個人事業主は当てはまらないとハッと気づきました。頭が悪いですよね。
いえいえ。
もし、どうしようもなくなったとき、個人事業主はどうするべきでしょうか?また、私のような個人事業主は、どのような財務戦略で発展していくのがよいのでしょうか?手遅れになる前に教えてください。どうぞよろしくお願いします。
はい。急に大変な話になっちゃったけど。
そうそうそう。これ、大事な話じゃないですか。
ね。えーと……どうだろうね。まず、なんで個人事業主でやってんのかわかんないんだけど。製造業やってて個人事業主って、なかなか珍しいよね。
珍しいですね。
で、「年商ほど借りてる」って、なかなか借りてるね。
ですね。年商がちょっとわかんないですけどね。
うん。まあ、わかんないけど。ただ、個人事業でそんなに利益が出てなくて、個人事業でやってるぐらいの、そんな大きいビジネスじゃないと思うんで、とすると、たぶん法人化しても連帯保証とられるから同じだよねっていう、結論は。
ああ、はいはい。
だから、利益を出すことに一生懸命になればいいと思うんで。発展していくなら、やっぱり法人化すべきだと思うよ。「どのような財務戦略で」っていうのは、やっぱり箱をつくって、個人と法人ちゃんと分けて、最終的には連帯保証を外せるようにしていくっていうのがいいと思うけど、いまの状況だったら……ただ、倒産とかが厳しそうだね。
そうですね。相手方の話ですもんね。
そうそうそう。そのへんは気をつけたほうがいいというか。まあ、ちょっと、どういう状況かあれだけど、そっちの会社の借り入れを手伝ってあげたらいい。「借りたら返すな」の本を渡して、借りてもらうっていう(笑)
なるほど。
自分がババ引かないようにしたほうがいいよね。
そこはたしかに。
ただ、キャッシュが大幅に減ってんのも、仕入が先だから、まあ、だから、借りててよかったねというか、借りないとできないから、借り入れ自体は間違いではないけども。ま、「気をつけてね」だよね。サイトとかの調整は頑張ったほうがいいと思うけど。
ああ、支払いのね。
できるならね。少しでも、サイト、普通の話になっちゃうけど、延ばして、回収しなきゃいけない、危ないところには売らないとかさ、まず。そんな簡単じゃないんだろうけど。ただ、「あんまり変わんないよ」ということですよ。
でも、そこはひとつ救いってね。「法人にしてなかった。最悪だ」っていうことではないってことですね、どっちみち。
うん。たとえば「創業融資で連帯保証なくて」みたいなことだったらあるけど。だから、何年ぐらいやってるかわかんないけど、もしそれが創業融資とかで連帯保証つかないやつが制度でとれる、いま、タイミングであれば、もしかしたら法人化してもいいと思うけど、ただ、まあ、こんだけ借りてると、ちょっとどうなのかなっていうところなんで。
なるほどですね。じゃあ、もう本当に事業に集中して。
そうだね。また頑張るしかないんじゃない?
なるほどですね。
で、中途半端に借りて倒れないようにね。取引先が倒れたら、ちゃんと銀行に行って、その分調達を、理由があるから、しながらね、つぶさないっていうことだと思うんで。
これ、さらに、そこの会社が倒産したとわかった場合は、それが理由になって、逆に融資しやすかったりするんですか?
まあ、ケースバイケースだけど、「倒すわけにはいかない」って思ってくれれば、そこは理由つくからね。
ああ。追加融資あり得る?
追加融資あり得るかなと思うし。
なるほど。まあ、今回、ちょっと急ぎめで扱ったほうがいいかなと思いまして、すべり込ませてしまったんですけど。
ああ、ありがとうございます。
ちょっとね、もし具体的にもうちょっとありましたら。あと、リアルに問い合わせるっていうのもあるのかなと思いますので、ぜひ、Colorzさんに問い合わせるなりしてみてください。
はい。
というわけで、大久保先生、本日もありがとうございました。
ありがとうございまーす。