税理士業界のM&A。その実態はいかに!?【読むPodcast | マネトレ113-後半】

平均年齢60歳以上といわれる税理士業界。実際のところ、税理士事務所のM&Aはどうなっているのでしょう?M&Aの譲渡価格、大久保先生がもったいないと思う士業の独立開業など、具体的に話します。(前半はこちら)(音声はこちら
円道

クライアントさんのほうが、後継者いなくて一代で終わっちゃったり、相続して終わることも多いと。

大久保

そうそうそう。まあ、M&Aというよりは、支部の中で引き継ぐこともあるんじゃない?昔はそんな感じだと……まあ、俺は支部とか行ったことないから、税理士会行ったことないから、わかんないけど。

円道

うんうん、入れてもらえないっすもんね。

大久保

入れてもらえないよね。

円道

……(笑)

大久保

行こうかな、おもしろいから逆に。入れてくれるかな?

円道

どうなんですかね。「スーツだけは着てください」みたいな(笑)

大久保

1回スタッフの表彰で行ったけど、「まじで!?」って言われたから。

円道

そうだ、その話ちょっとお伺いしたいですね。

大久保

(笑)また今年表彰されるやついるんじゃない?たぶん。5年以上とか、もうひとり、またいるから。

円道

へぇ~。あれ?髪の毛緑の方……どうでしたっけ?

大久保

そうそうそう、金髪(笑)

円道

表彰台に立ったら、会場のほうから「まじで!?」って声が聞こえたってやつ(笑)

大久保

「所長も来てるんで」って言われて、俺が出ていったときに「まじで!?」って言われた(笑)職員さんには言わないんだよ、一応。「そういう人もいるよね」っていう。

円道

Colorzの合いの手すごいっすよね。いろいろあるよね。

大久保

ちゃんと俺、メガネしてたもん。ダテ眼鏡、まじめにちゃんとして。


円道

大久保先生のメガネもまた怪しいですからね。

大久保

(笑)だから、そういうのはあるけど、いまはMA、仲介とかも動いてるから……

円道

世の中の業界的に、日本全体的に事業承継の問題があって、MAが加速してるじゃないですか。

大久保

うんうん。

円道

その文脈において、会計事務所とかに特化した場合、「MAめちゃくちゃ盛んだなぁ」っていう印象は、逆に意外とないんですか?

大久保

いやいや、盛んだと思うよ。盛んでしょ。辻・本郷税理士法人とかはバンバン買ってるし。

円道

ああ、やっぱりそうなんですね。

大久保

地方の後継者がいないところを大手が、まあ、それこそ看板を替えるぐらいのイメージなんだろうけど、やってるか、結構疲れちゃってる人が若手に売ったりとかしてるよね。サン共同とかは、そのへんはうまく統合してるんじゃない?5、6個統合してんのかな、朝倉さんとかね。

円道

かなり具体的な話をいまいただいてますけど、いま、まさに話した「看板を替える」みたいな話があったので、ちょっとそのへんが通ずるんで、2番目の質問いきたいんですが、税理士事務所の譲渡価格は一般的にどのような金額になるのでしょうか?一括で年間顧問契約相当額その他の算定方法あるのでしょうか?と来ているんですけど。たしかに。このへんは?

大久保

一応、年間顧問料みたいな話は聞くけどね、目安がね。ただ、支払い方がどうなのかはあれだね。結局、所長替わっちゃって解約とかも出てくるだろうからね。

円道

はいはいはい。

大久保

まあ、そのへんはどういう調整すんのか、みたいなところはあるんじゃないかな。だから、顧問料みたいなので、ずっと分割で払うみたいなパターンもあるだろうし。

円道

ああ、そのパーセントを?

大久保

パーセントなのか……

円道

3年5年の間は、とか?

大久保

そうそうそうそう。「一括でもらっても」みたいな。特に個人事業主だと一括で課税されちゃうから、分割のほうがいいのかもしれないね。

円道

たしかに。うんうんうん。

大久保

でも、だいたい年間顧問料ぐらいなんじゃないかな。

円道

年間顧問料ぐらいのもんなんですか。なんか、資産価値ってそれ以上の感じもしますし。

大久保

どーだろうねえ。

円道

たとえば100件持ってて、1件の単価が仮に50万だとして5,000万。5,000万で譲渡ですか?

大久保

そうだね。でも、たぶん残るのって2割ぐらいなんじゃない?わかんないけど。どうなんだろう。

円道

「残る」って?

大久保

ケイツネというか。

円道

ああ、はいはい。

大久保

まあ、役員報酬取ってそうなのか。だから、5年回収ぐらいのイメージだと思うけどね。

円道

なるほど。

大久保

だって、売上高で売れる会社ってなかなかないでしょ。

円道

うーん、まあそうか。そうですね。

大久保

うん。まあ、サブスクだからさ。

円道

そうそうそう。税理士業界ってサブスクなんで強いじゃないですか、ライフタイムでみたときの強さって、ちょっと異常だなと思うんで。

大久保

そうね。解約率とかにもよるけどね。そのへんもぜんぶ見られるんだろうけどね。

円道

ああ、そうかそうか。そうですよね。

大久保

うん。

円道

税理士業界のデューデリの解約率とか見られるの、ちょっと、なんか、心苦しいですね。

大久保

(笑)でも逆にいったら、バンバン新しいの入ってきて、バンバン抜けていくぐらいのほうが、買いやすいかもしれないよね。

円道

あ~。

大久保

うちみたいな重たい案件がドドドッてあると、たぶん1件抜けると……。お客さんも結構個性派ぞろいだからさ(笑)担当が替わると、なかなか対応できなかったりとかもして、結構うちは売りにくいよね。

円道

あ~。たしかにね。キングダムの桓騎軍(かんきぐん)扱ってるような経営者の方もいますしね。

大久保

そんな感じだよね、うん。(笑)

円道

さて、3つ目、最後いきたいと思います。以前、Colorzの求人サイトを拝見したのですが、「のれん分け」と「分けのれん」という、他の企業では見たことのない募集要項がありました。このあたりの内容とColorzの経営方針などを併せてご教示いただけますと幸いです。では、お会いできる日を楽しみにしてりまーす。ということですけど。

大久保

「チャオ!」みたいな感じだね、なんか(笑)

円道

(笑)最後にここの質問ありますが、ありましたね、「のれん分け」「分けのれん」って。

大久保

あれでしょ、「のれん分け」は、ちゃんとのれんを引き継ぐから「のれん分け」だけど、いきなり業務委託でやるから「分けのれん」っていう、安田さんが勝手につけただけなんだけど。

円道

いきなり業務委託でやるっていうのは、どういう意味ですか?

大久保

いきなりColorzの名前で業務委託でやってもらう、みたいな。

円道

あ、受託する的な?

大久保

そうそうそう。

円道

受託って言うんですか?この業界は。わかりませんけど。

大久保

受託、うん。うちから発注するってこと。

円道

なるほど。それが「分けのれん」か。あくまでも顧客はColorzさんについてるっていうことですね。

大久保

そうそうそうそうそう。だから、担当者が外部っていうイメージかな。

円道

なるほど。というのが「分けのれん」の話ではありましたが、でも、業界的にのれん分けっていうのは多いんですか?

大久保

いや、あんまないんじゃない。

円道

ないんだ。

大久保

ないっていうか、独立するとかはあるんじゃないかな、昔ながらの、修行して、独立して、みたいなのはあると思うけど、のれん分けとかはないんじゃない。「なんとか事務所」でやるよね、普通に。

円道

まあ、そうですよね。だいたい、お世話になったところのオーナーの事務所から自分の名前に変わるみたいな。

大久保

まあ、どっかで独立して……漫画の「カバチタレ!」だね。終わっちゃったよね、カバチタレ。

円道

そうなんだ。

大久保

最後、独立して終わったよ。

円道

へぇ~。

大久保

「えーっ!?」と思って。

円道

え、終わってなかったんですか?カバチタレって。

大久保

終わってなかったの。それに驚きだよ、まず(笑)

円道

終わってねーんだ。

大久保

最後、地元帰って独立しちゃって、終わったあ、みたいな。

円道

あそこなんでしたっけ?行政書士?

大久保

行政書士なんだけどさ、所長代理やってたんだけど、地元で独立させたんだよ。

円道

分けのれん?

大久保

のれん分けでもない。自分の事務所で。えーっ!?と思って(笑)

円道

通常のルートですね。

大久保

えーっ!?と思ってさ。いや、だからね、あんだけやれる主人公が独立して地元でやると、結構ちっちゃい仕事をめっちゃ受ける感じの雰囲気なんだよね。

円道

ああ。

大久保

悪い子じゃないんだけどさ、まあ、“寄り添い系”だからいいんだけどさ、なんか、それもつまらないよねっていうのが結構……いや、カバチタレ大好きだからいいんだけど、そういう終わりにしないために、やっぱ「のれん分け」なんじゃねーかと思っちゃったね。

円道

え、ちょっと待って。いまの話はカバチタレの話ですか?

大久保

カバチタレの話と、のれん分けの話を統合した。

円道

あ、統合したんですね(笑)いま、どっちがどっちか、現実とマンガがわかんなかった(笑)

大久保

(笑)うちで独立して「なんとか事務所です」って勝手にやってもいいけど、お客さんもぜんぶ「関係ないんで」つってゼロからやったら、やっぱ、ちっちゃい案件ばっかになるじゃない。

円道

うんうんうん。

大久保

もったいないよね。

円道

なるほどね。

大久保

いままでクソほどしごいてきたその能力をさ、そこに使われちゃうと……みたいのはあるよね。

円道

ああ。

大久保

だから、ある程度おもしろい案件をやれる体制をつくってあげたいなっていうのはあるよね、のれん分けで。

円道

なるほどですね。そういう意味でも、この方の質問にあるように、Colorzが今後いい意味でのMAとかを展開していって顧客を広げていき、そういった税理士たちも育てていってほしいなあというのは、ほんとに思いますけど。ひとつめ、税理士事務所・会計事務所のMAの世間の状況は、どのような感じでしょうか?やはり税理士事務所の事業承継は行われているものでしょうか?
1個1個いきますかね。

大久保

そういうことなの?(笑)

円道

うん。そういうことです。

大久保

買ってくれんのかと思った。

円道

そっち!?(笑)

大久保

(笑)

円道

売り手?

大久保

売り手(笑)

円道

絶対にColorzは買いたくないでしょ。

大久保

そうなんだよね(笑)絶対言われる。

円道

いろんなもんがついてきそうで、なんか怖い。

大久保

ぜんぜん売れないよ。そうそうそう。

円道

デューデリには出てこない闇がありそうで嫌です(笑)

大久保

隠すからね、得意なのは(笑)

円道

まあ、ということで、非常にありがたい質問をいただきましたので、今日のところはここで終わりたいと思います。

大久保

はーい。

円道

ありがとうございました。

大久保

ありがとうございまーす。

感想・著者への質問はこちらから