このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/ 無駄を味わう
米国、動画配信サービス大手「Netflix」の人事制度や組織風土を解説した書籍「NO RULES 世界一『自由』な会社」が話題です。
同社では、就業時間が決められておらず、休暇を取る際の申請も不要。さらには、上司が部下に命令を与えることすらありません。
「新しい組織の在り方」をユニークに実践していますが、ここでは、その事例をご紹介するのではなく、「機能変更」についてを。
1年ほど前までは、PCで動画を見る際に1.5倍速での再生機能はなかったのですが、最近では「速度を速めての視聴」が可能なのです。
他のサービスを見ても、AmazonプライムやPodcast、Youtubeでも「10秒飛ばし/戻し」や「1.5/2倍速」などの「速度変更」に対応しているのは、もはや当たり前のようです。
背景には、現代社会に生きる我々の「時短生活」や「生き急ぎ」、「最短距離での成長」や「効率的な学び」を求めるなどの現状が見えてきます。
現在の人類は、歴史上もっとも多くの「視聴/聴講コンテンツ」を「安価に自由に」選択できる環境に生きていますが、じっくり時間をかけることや回り道は「無駄」という認識の方が多くいるように感じます。
そんなことを、某大手役員のTさんと話しましたが、
「我々の時代は、『他人との競争』に生きてきたけど、今の時代は『時間との競争』を強いられているように感じます」
「『人と比較する人生』も、『時間に追われる人生』も疲れますよね。。」
確かに、「いま見るべき(読むべき/聴くべき)映画(動画/書籍/マンガ)リスト」などを求める人があまりにも多くいるように感じます。
「時間消費を『無駄』ととらえてしまうと、『行間からの学び』や『沈黙から伝わる緊張感』などを味わえない『つまらない人生』を生きることになってしまうと僕は思うんですけどね」と、赤ら顔で語るTさんのご感想を伺うまでに、高松は3時間ほどのサシ飲みに時間を消費した夜の出来事でした笑