このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/ 評論家の作り方
大手メーカー、人事マネジャーのAさんから、入社1-3年目の若手層を対象とした講演の相談をいただきました。
目的は、「リモートワーク続きで凹んでいる若手層に“主体性”を持たせてほしい」と言ったざっくりとしたもので、、、具体的な部分はまだ固まっていなかったため、「若手層の現状や課題」などをうかがっていたところ、昨年実施した際のアンケートを参考がてら共有いただきました。
拝見しますと、ほぼ100%、〆のコメントが、
・大きな刺激をいただきました
・大きな気づきをいただきました
・深い学びをいただきました
と書かれているのです。
「大きい or 深い」に「刺激 or 気づき or 学び」を組み合わせたものであり、
・どんなことに
・どんな風に感じて
・自分にとって、どんな意味があるのか
・これからの自分に、どう活かしたいのか
については、ほとんど触れることなく、たんに「良い話でした」と伝えるばかりなのです。。
これでは「主体性」どころか「思考停止」な状態を生み出していると言っても過言ではありません。。
極め付けに、「講師評価」として「内容、話し方、スライド」などについて、5点満点での評価をとっているのです。
Aさんからは、「昨年は講師評価が4.2だったので、最低でも4.5以上は取りたいですね」とのお言葉をいただきましたが、、
「何を感じ、自分にとって、どんな意味があったのか?どんな部分に違和感、疑問を抱いたのか?」
これらを自分の頭で考え、言葉でまとめることこそが、「主体性」ではないでしょうか。。
これでは、口先ばかりの「評論家」を増やしているように感じます。。
もし、ご依頼いただけるのだとすれば、「今年からは、『アンケートの講師評価は外し、経営者宛に組織の改善点や提言について、自分なりの実践案』を感想文として提出いただくようにしてみませんか?」とお伝えしましたが、さて結果やいかに!?