このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/実践編:大手の作法の極意!
先日、「大手各社の若手が集まる場」に呼んでいただきました。
もともと大学同期のふたりが発起人になり、「企業のワクを超えた若手同士での相互変容」を目指した団体ではありますが、「20社以上、50名を超えるメンバー」で定期的に、オフライン・オンラインにて、様々なテーマでの意見交換を実施している、なんとも意識の高い方々の集まりでございました。
タカマツが呼んでいただいたのは、「大手のオトナたちの思考」というセッションでしたが、かれらが「疑問に感じる」大手のオトナたちの「言動や役割」などについて、あれやこれやと「質問をいただき」、それに対して「感想をお返しする」といった流れでした。
それでは、ほんの一部をご共有。
・オンラインツールすらマトモに扱えない、、画面に映るオロオロした姿が痛々しい。。直視できない、、
・たいして仕事もなく、ましてや大した仕事でもないのに、高い給料をもらい、たまに出てくる会議では、全く意見も言わない。。
・役職者の肩書きがついているのに、マネジメントはおろか、育成にも携わらず、、にもかかわらず、時に上司面してくる。。
「ねえ、高松さん、『部下のいない管理職』とは、一体何者なのでしょうか?」
そんな問いを投げられました。。
・副部長とか、部長代理とか、担当課長などと名乗るエセ管理職がいるんですが、ライン部下はいないから、もちろん、管理や育成もしていません、、
・特定分野の仕事を長年経験し、実績や技能、経験値を積み重ねてきた専門職というワケでもないですし、、
「ねえ、高松さん、どうして、部下がいなくて、若手と同じ仕事をしていて、年収がぼくらより『500万円も高い』んでしょうか?」
そんな問いも重ねて投げられました。。
いわゆる、ライン管理職ではない、「部下なし管理職」に対しての「不満の数々」を聞かされ、その上で、かれらの「存在意義」を問うてくるのです。。
参加している方々の企業名をうかがってみますと、何やら、「たかまり」とお付き合いいただいている会社がチラホラと。
どこから、私の声が漏れるかわかりません。軽々しいことは言えません。
「皆さんの会社の多くが、職能資格制度をとっているかと思いますが、一度、管理職に昇格させると、一般職に降格させるのは法律面でも、制度運用面でも難しいんです」
「また、解雇するのだって、簡単ではありません」
「ですから、今後は転籍で報酬を下げたり、人事評価を低くして、賞与などを下げたりすることになると思います」
「もしかすると、数年以内にリストラが本格化することだってあるかもしれません」
「今後、経営環境はもっと厳しくなるでしょうから、社内の人材への投資は、皆さんのような優秀な人材へ一気に傾くはずです」
「間違いなく、10数年以内には、部下なし管理職なんてものは『絶滅危惧種』の扱いになる、と多くの経営コンサルも話しています」
「あの時代には、部下のいない管理職なんていう奇妙な役割が、そこかしこに存在していたね、なんて笑い話になるんじゃないですか」
大手の作法を実践している身としては、面白いことを言うのでも、ためになることを言うのでもありません。
リスクを避けることを最優先するのです。
結果、
アンケートでは、「何にも回答してくれませんでした」に近しい声を多数いただいた次第でございます。
ワタクシ、気持ちを改め、今後、一層の努力に励みたいと思う次第でございます。