第10回 採用活動は𝕏(Twitter)で。

この対談について

“生粋の商売人”倉橋純一。全国13店舗展開中の遊べるリユースショップ『万代』を始め、農機具販売事業『農家さんの味方』、オークション事業『杜の都オークション』など、次々に新しいビジネスを考え出す倉橋さんの“売り方”を探ります。

第10回 採用活動は𝕏(Twitter)で。

安田
倉橋さんのTwitterを拝見していると、採用にすごく活用されていますよね。なぜ採用活動にTwitterを使おうと思ったんですか?

倉橋

仕事を探している方たちに対して「これから会社がこういう方向に進んでいくので協力してください」ということをとにかく発信したかったんです。で、それはTwitterが一番見てもらいやすいかなと。

安田
なるほど。求職者に対する発信ツールとして、Twitterが一番合っていたと。でも、そもそもなぜそういうメッセージを発信しようと思ったんですか? 面接の場で伝えるだけでは不十分だったんでしょうか。

倉橋
まさにそういうことです。説明会や面接で会社のことを伝えても、その場だけでは限界があるなと感じていて。
安田
なるほど。それにしても社長自ら発信するのがすごいなと思っていて。事務員さんとかに丸投げしちゃってる会社も多いでしょう?

倉橋
そうかもしれませんね。でもウチの会社のことを発信するなら、社長である私自身が発信するのが一番いいじゃないですか。私の考えでやっている会社なんですから。
安田
確かに中小企業の場合、「社長=会社」みたいなところがありますからね。Twitterでの採用がうまくいき始めてからは、説明会とかの開催はどうなったんですか?

倉橋
今は一切やってないですね。そういえば昔、安田さんの会社にお世話になって説明会をやったことがありましたけど(笑)。
安田

ああ、ワイキューブ時代に。あの頃は説明会をして面接して採用する、というのが一般的でしたからね。


倉橋
その時に採用した2人が、今ではウチの子会社の社長として頑張ってくれています。だから説明会での採用が決して悪いとは思わないんです。ただ、今考えてもそれは偶然というか、かなりラッキーなケースだと思っていて。
安田
確かに、説明会って偶然の要素が大きいですよね。会社についてあんまり知らない人も来ちゃう。そう考えると、集める前に会社のことをガンガン発信するのは理にかなっている気がします。

倉橋
そうなんです。Twitterでの発信を始めてからは、万代のことを知っていて、さらに興味を持ってくれている人を採用できるようになりました。
安田
なるほどなぁ。そうやって採用手法が変わっている一方で、求職者が仕事を選ぶ基準も変わってきてますよね。今までは「労働条件が希望に合うか」一択だったのが、今は「この会社が好きかどうか」も重視されるようになってきた気がします。

倉橋
僕もそう思います。働く人の価値観も変わってきましたね。
安田
そうですね。だからこそ社長はSNSで「私はこんな人で、うちの会社ではこんな面白い仕事をしているから一緒にやりませんか?」と、どんどん発信すべきだと思うんですよ。

倉橋
本当にそうですね。特に今みたいな人手不足の時代、社長のSNS活用は必須というか。僕もTwitterに力を入れるようになって、「一緒に働きたい」という声をいただく機会が増えましたから。
安田
でも、勧めてもやらない経営者が多いですよね。そのくせ、人手不足だ人手不足だと困っている。倉橋さんの周りだと、人手不足で困っている社長さんの中で何割ぐらいの人が積極的に発信されてますか?

倉橋
うーん、人手不足と言っている人たちはまずやってないですね。
安田
やってないんですか(笑)。つまり、やってないから人手不足ってことなんですかね。

倉橋
それはあると思いますね。僕自身もある意味で人手不足だから発信しているわけですけど。
安田
毎日のように発信を続けていても人手不足なんですか?

倉橋
これからやりたいビジネスのことを考えると、まだまだ人は足りていないですね。
安田
ははぁ、なるほど。これからの事業拡大のことを考えると、まだまだ足りないと。同じ人手不足でも、既存事業が回っていない会社のそれとは全然違いますね。

倉橋
それで言うと、既存事業の人手が足りない会社って「採用できても続かない」ってケースが多いらしいんですよね。で、退職理由は「入社前に思っていたのと違っていた」と。社長がSNSで発信を続けてたら、そういうミスマッチも防げると思うんですよ。
安田
そりゃそうですよね。倉橋さんのツイートがどうしても受け付けないっていう人は、そもそも万代さんに応募しないですもんね(笑)。

倉橋
そうそう(笑)。そういうリトマス試験紙のような役割としてもTwitterを活用していますね。
安田
そもそもTwitterを始めようと思ったきっかけは何かあったんですか?

倉橋
直接のきっかけは、弊社で働いている人が800名ぐらいになって、顔を合わせる機会がなかなかなくなってしまって。社員に対して気軽にメッセージを伝えられる方法がないかなと思って始めました。
安田
ということは、社内向けの情報発信も含んでいるわけですね。

倉橋
スタート時点ではそうでしたね。でもだんだんとお客さんとのコミュニケーションにも使うようになって。時々キャンペーンをやったりするんですよ。「改善してほしいこと」をリプライで教えてくれたら、抽選で何かプレゼントします!みたいな。
安田
へえ。万代さんへの要望をお客さんに直接聞いてしまうんですね。
倉橋
そうですそうです。半年に1回ぐらいやってるんですけど、とにかくネタの宝庫ですね。例えば「UFOキャッチャーで取った景品をSNSに投稿するための撮影ブースが欲しい」という意見がありまして。
安田
ああ、魚釣りでも撮影しますもんね。「獲ったどー!」っていうやつですね。

倉橋
そうそう!(笑) 早速それを採用したところ、けっこうブームになって。
安田
へえ、すごいですね。そのアイデアをもらったのがTwitterなんですね。
倉橋
そうなんです。だからTwitterでの発信は社長の必須の仕事だと思っています。「マーケティング」も「採用」も「ブランディング」も、会社にとって必要な要素が揃っている。
安田
じゃあやらない人は好き嫌い云々ではなく単にサボってるだけだと(笑)。

倉橋
サボってるだけだと思いますね(笑)。僕もサボってましたから気持ちはよくわかります(笑)。Twitterって炎上するみたいなイメージがありましたし。
安田

確かに。ろくでもないやつばかりが集まっているイメージがありましたよね。

倉橋

ええ。そういう懸念もあってやってなかったんですけど、安田さんと同じ10年前に始めていたらまた全然違っていただろうなと考えたりします。


対談している二人

倉橋 純一(くらはし じゅんいち)
株式会社万代 代表

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株式会社万代 代表|25歳に起業→北海道・東北エリア中心に13店舗 地域密着型で展開中|日本のサブカルチャーを世界に届けるため取り組み中|Reuse × Amusement リユースとアミューズの融合が強み|変わり続ける売り場やサービスを日々改善中|「私たちの仕事、それはお客様働く人に感動を創ること」をモットーに活動中

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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