第206回 上司の扱いを学ぶ

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/上司の扱いを学ぶ

某大手さん「2年目フォローアップ研修」にて、こんな「ケース討議」が行われていました。

あなたはある企業で働いている2年目社員です。先日、新しい職場に配属されたのですが、残念ながら、あなたの上司は厳格でコミュニケーションが難しいと評判です。同僚たちは皆、上司との関係に悩んでおり、その雰囲気はチーム全体に影響を与えています。。

(正確には、もっと具体的に日頃の上司のご様子が記載されていたのですが、ここではシンプルにしてみました)

ワーク問題:

①上司との初対面でのコミュニケーションは重要です。具体的に、初対面での挨拶や自己紹介の際に「心掛けるべきポイント」を挙げてください。

②上司が厳格であると知った上で、コミュニケーションを「円滑に進めるためのコツ」を考えてみてください。例えば、どのような質問や話題が適切か、避けるべきかを述べてください。

③ある日、上司がチームミーティングであなたの提案を頭ごなしに否定しました。この状況でどのように対応すべきか、「建設的なフィードバック」を得るためにはどのようなアプローチが効果的かを考え、アクションプランを立ててください。

④上司との関係を改善するための「具体的な行動計画」を考案してください。進捗をモニタリングし、改善が見られた場合の「評価基準」も考えてみましょう。

⑤同僚・先輩たちとの「連携も重要」です。上司との付き合い方について周囲と情報を共有し、お互いにサポートするための「コミュニケーション戦略」を考えてください。

「このケースワークを通じて、上司とのコミュニケーションスキルの向上やチーム全体の雰囲気改善に向けたプランを検討していただきたいのですが、皆さんだったら、どう対応しますか?」

と、社内講師を務める人事部の方が何やら笑顔で問いかけます。

ああだ、こうだ、と皆が意見交換が行われていましたが、ひと通り終わったところで、社内講師から、以下のような「対策案」が披露されたのです。

◆苦手な上司との付き合い方

・礼儀正しく接することを意識する
・報告・連絡・相談は徹底する
・仕事に集中する
・相手を認める
・相手の長所を見つける
・できるだけ距離を取る
・反面教師にする

この解説を聞いた後の感想共有では、

「こんな人いたら、仕事にならんし、退職いただくか、まあ自分が辞めるかだよね」

「いや。普通に辞めるっしょ?」

「なんで、この人が上司になれたのかが、そもそもの問題よな」

「むしろ、こちらが管理職手当だけもらいたいわな」

などの声がそこかしこから。。

それでも、「自分の家族だったら、どう対応する?」などの追加質問を投げかける社内講師。。

もはや、「単なる大手」というブランドだけでは若手を繋ぎ止めることなど不可能なようですが、、

大手にもはっきりとした二極化が訪れているのです。

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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