第225回 世界のみんなの働き方

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/世界のみんなの働き方

先日、大手各社の「人事・人材開発職」の方々が集うコミュニティーに参加しました。

その場では「今後の働き方」についての情報共有・意見交換が行われていましたが、

なかでも、興味深かったのが、「世界の働き方」について。

「ユニークな取り組み」をしている9カ国の主だった情報を教えていただいたのですが、「世界各国で定着している働き方」を下記に共有します。(各国、全ての企業に該当するわけではありませんが、定着が促進されている事例とのこと)

① アメリカ:フレキシブルワーク
働く場所や、労働時間も「完全自由」という制度が定着

② イギリス:圧縮労働時間制 / 学期間労働時間制
・1日の労働時間を延ばす代わりに週の「労働日数を少なくできる」制度

・子供の登校時間や休暇に合わせて「労働時間を短縮」できる制度

③ ドイツ:1日10時間以上の労働を法律で禁止
日本より労働時間が短いにも関わらず、「労働生産性」は日本を大きく上回る

④ スウェーデン:親休暇法
子供が8歳になるまでに「合計480日間を取得」できる制度

⑤ オランダ:時間貯蓄制度
残業や休日出勤など所定外の労働時間を貯蓄し、後日「有給休暇などに振り替えて利用」できる制度

⑥ フランス:日曜勤務は平日給与の倍
日曜出勤は「平日給与の倍額」になる

⑦ ベトナム:副業/ダブルワーク
ベトナムでは「複数の仕事を行うことが当たり前」で、ほぼ過半数は兼業

⑧ タイ:子連れ出勤
社会全体で子育てを行うという文化があり、「子連れ出社」も普通

⑨ ブラジル:バケーション休暇
1年のうちに「連続30日の有給」を与えなければいけない制度

個人的には、「オランダ、フランス、ブラジルの制度」に特に魅力を感じますが、他にもいろんな「人にやさしい働き方」があるのでしょう。

先日発表された「東京商工会議所」のリサーチ(2024年度新入社員の意識調査)でも、「チャンスがあれば転職したい」という考えが、「定年まで同じ職場でずっと働きたい」を上回り、「長期勤続志向の低下」があらわれています。

これからは、働く人々が自らの意志で「会社や職場」を選び、「嫌なら退職する」という当たり前のことが促進されていくことは明らかであり、「自らの人生、キャリアは自分で選び、自らのチカラでつくる」という意識が定着していくのでしょうね。

人や社会を大切に考える会社には人が集まり、「そうでない会社・組織は淘汰」されていくのでしょうが、これからの世界、楽しみがいっぱいなのであります。

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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