このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/一瞬のチャンス?
先日、某大手さんにて「職場の中核」を担う「チームリーダークラス」の皆様方を対象とした「リーダーシップ研修」が開催されましたが、ワタクシ、今回はめずらしく講師役を務めたのであります。
それぞれが「数名〜数十名の部下」を抱える管理職がお集まりいただいた研修での開講講話。
担当役員さんが、この場の「目的や期待」を伝えると共に「モチベーションアップ」を狙うために「少し話す時間をください!」と開始前に相談されましたので、高松は「もちろんです!」と返します。
では、役員さんからのご講話を。
「忙しいなかの参加ありがとうございます!」
「みなさんは『職場リーダー』として、まさに『職場の中核』をになっているワケですが、、」
「今後は、より視座を高め、『会社のさらなる成長』のために活躍していただきたく、今回の場を設けました!」
テンポよく、溌剌とした声で語りかけます。
「『会社のさらなる成長』のためには、、」
「『業務範囲を広げる』、『視野を広げる、視座を高める』ことが必要で、皆様がレベルアップすることこそが、『生産性向上』に繋がります!」
組織へのさらなる貢献を期待していることを届けます。
「さらには、みなさんには『職場の心理的安全性』を高めて、人材の『定着率向上』にも務めていただきたいのです」
「難しいことは言いませんが、私は、心理的安全性のある職場というのは、、」
「気持ちよく仕事ができる環境を作ることだと思っています」
「そのためには、『細かいことを言わない』『相手の立場に立って考える』ということを実践しています」
役員さんと受講生の皆さんとの距離が近いのか、時折、ツッコミや質問も入り、対話が生じる穏やかなムードです。
そんななか、、
「最後に補足ですが、」
「事前に上司からも伝えられているかと思いますが」
「われわれのグループでは、グループ全体の『さらなる利益創出』が喫緊に求められています」
「そのため、みなさんのようなリーダークラスの方々においては、より一層、自分の強みが発揮でき、自分らしく働ける職場で活躍してほしいと願っています」
「『転籍を求める職場リスト』も配られているかと思いますが、『3年以内に部門再編』などがどんどん進むことと思います」
「『ここは!』と思うような職場がありましたら、3年以内とは言わず、『早い判断、決断』をお勧めします。何事もいち早く始めた方がうまくいきますし、努力は一生続くのですから」
「適材適所、抜擢起用で北海道日本ハムファイターズを躍進させている新庄監督も『努力は一生、本番は一回、チャンスは一瞬』と言っています。ぜひ、早めの決断でチャンスをつかむことを検討してください」
「皆さん、本日の研修も頑張ってください!!」
「では、講師の高松さんを紹介します。高松さん、よろしくお願いいたします!!」
このようなメッセージを引き継ぐカタチで紹介されたのですが、、、
皆様方のご表情を拝見すると、、
「え、、なんか俺ら転籍を求められているの??」というような、戸惑いのお顔が並んでいます。。
こんな時、どんな言葉で始めたら良いのか、、
皆さんだったらどうされますか?
ちなみに、タカマツはというと、
「ファイターズ・新庄監督の話が出ましたが、ワタクシ、現在、ぶっちぎりに記録的敗戦を重ねている西武ライオンズファンを長らく続けているタカマツと申します」
「あまりに勝てなくて、シーズン途中での監督交代も取り入れられましたが、それでもなかなか状況は変わっていません」
「いやぁ、上司や監督の役割って大変ですね」
「まあ、今日一日、どうぞよろしくお願いいたします」
冷え冷えとした雰囲気は覆ることなく、進行することになりましたとさ、、