第235回 中学生さんへ_大手からの回答

 このコラムについて 

「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。

本日のお作法/中学生さんへ_大手からの回答

 

ワタクシ、こちらの「大手の作法」以外に「ハチドリのはね」という人材・組織開発系のwebマガジンでも「大手探訪」なるコラムを掲載しているのですが、先日、そちらに「中学生からご質問」をいただいたのです。

彼女は、中学生にして「社会全体が成長する働き方」に興味・関心を持ち、学びを深めていらっしゃるようで、そんな素敵な感性に触れられ、こちらの身が引き締まる思いです。

以下にてご質問をいただきましたが、「大手で働く方々のお声」なども集めた一般論に「大手で働く方々の価値観(高松調べ)」も交えての回答をさせていただきました。

(1)離職率が高いことによる「メリット・デメリット」はありますか?

メリット:
・新しい視点やアイデアの導入
離職率が高いと、新しいメンバーを頻繁に採用せざるを得ない状況のため、異なる視点や新しいアイデアが取り入れられやすい

・柔軟な組織
頻繁に人材が入れ替わることで、組織が柔軟に変化しやすく、適応力が高まることもあります

デメリット:
・ノウハウの喪失
経験豊富な社員が辞めてしまうと、蓄積されたノウハウや専門知識が失われる可能性が高い

・コストの増加
新しい社員の採用やトレーニングにかかるコストが増加し、経済的負担が大きくなる

・モチベーションの低下
頻繁な人材の入れ替わりがあると、残った社員のモチベーションが低下し、チームの一体感が損なわれることもあります

(2)離職率が低い会社=労働者が求めている仕事、離職率が低い会社=モチベーションが長く続く会社だと思います。ゴールドウイン社では社員のモチベーションが長く続く制度やイベントはありますか?

正式に取材をしたわけではございませんので、正確な情報ではない可能性もある前提で記載します。(同社に勤める友人2人から聞いた話です)

同社では、社員のモチベーションを高め、維持するために以下のような制度やイベントを実施しているとのこと

・キャリアパスの明確化
自身のキャリアビジョンを醸成させ、成長実感を掴めるように「キャリアパスを明確」にするための研修や「上司との面談」が頻繁に実施されている

・トレーニングと研修
定期的なスキルアップ研修やリーダーシップトレーニングを実施し、社員の成長をサポートする仕組みがある

・社員同士の交流イベント
社員同士が交流しリラックスできる自由参加型イベントを定期的に開催

・フィードバック文化
定期的な評価やフィードバックセッションを行い、自分の業績や課題を把握できるような機会が仕組み化されている

(3)労働者がモチベーションをもって仕事に臨むことで「会社・労働者」にどんなメリットがありますか?

会社にとってのメリット:
・生産性の向上
モチベーションの高い社員は、より効率的に仕事をこなす傾向にあり、生産性向上に繋がりやすい

・品質の向上
高いモチベーションを持つ社員は、自分の仕事に誇りを持ち、品質の高い成果物を提供しようとする傾向にある

・イノベーションの促進
モチベーションが高い社員は、創造的で革新的なアイデアを生み出しやすくなる可能性が高い

労働者にとってのメリット:
・キャリアの発展
モチベーションを高めて仕事に取り組むことで、スキルや経験が積み重なり、キャリアの成長が期待しやすい

・仕事の満足感
自分の仕事に意義を感じ、達成感を得られることで、仕事への満足感が高まりやすい

・健康の向上
モチベーションを高めて仕事に取り組むことで、ストレスが軽減され、精神的・身体的な健康が向上しやすい

(4)社会全体が成長する働き方はどのような働き方だと思いますか?(私は、社員がモチベーションをもって仕事に望み、社員の成長による生産性の向上という好循環を生むことだと思っています)

社会全体が成長する働き方ですが、まず前提として、「成長の定義」を明確にする必要性があるかと思います。

「経済的成長、精神的成長、身体的成長、思考的成長、衛生的成長」など「個々人の価値観」「求めるモノ」によって、「成長の方向性」が異なるように感じます。

それを前提に各人の求める成長を目指す働き方とは、各人が理想とする社会についての「意見交換がしやすい場づくり」が醸成されている社会で、「自身の思い描く働き方にチャレンジ」できること。

または、「働かなくとも生命の危機に繋がらず」に生きていける社会基盤が成立していることなのでは、と感じます。

「成長」という言葉をひとつとっても、人により、「モノの見方・考え方」は様々あるため、その全てを成し遂げるには、「究極の個人力」がそれぞれに必要なのかと感じます。

以上。

大手さんに働く方々であっても、「究極の個人力を磨くこと」が大切な世の中になってきたようですね。

 

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高松 秀樹(たかまつ ひでき)

たかまり株式会社 代表取締役
株式会社BFI 取締役委託副社長

1973年生まれ。川崎育ち。
1997年より、小さな会社にて中小・ベンチャー企業様の採用・育成支援事業に従事。
2002年よりスポーツバー、スイーツショップを営むも5年で終える。。
2007年以降、大手の作法を嗜み、業界・規模を問わず人材育成、組織開発、教育研修事業に携わり、多くの企業や団体、研修講師のサポートに勤しむ。

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