このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/産業財メーカーの人集め
「産業財メーカー」は「BtoB企業」とも呼ばれ、なかでも「鉄鋼会社」はその代表格。
基本的に、作り出された商品は「企業向けに販売」されるのですから、「一般消費者に直接」訴えかけるテレビCMや一般向け広告にはおよそ積極的ではありません。
商品の売れ行きには直結しづらいでしょうし、効果が見えづらいのですから当前ですよね。
ところが、昨年より「鉄鋼メーカー」各社が活発にCMを流しているのです!
日本製鉄
人気女優「川口春奈」さんが製鉄現場にて「日本製鉄中」というかけ声で体操する様子などが、シリーズ化!
JFEホールディングス
好感度No.1お笑いコンビ「サンドウィッチマン」が、「持続可能」を意味する「サステナブル」と「鉄」をかけ合わせた「サス鉄ナブル!」を紹介
神戸製鋼所
人気女優「奈緒」さんが「KOBELCO(同社)」を擬人化したメッセンジャー「コベルコさん」として、「あしたにいいこと、KOBELCOと。」をメッセージに掲げ、耳馴染みのない鋼鉄技術や、CO2削減に向けた取り組みをわかりやすく解説
どうやら、若手人材を中心とした「深刻な人手不足」が背景にあり、「一般層に向けたブランディング」に舵を切ったようなのです。
各社の人事関連の方々にその反応を伺うと、社員や社員の家族からも好評なようですし、また「採用力の強化にも繋がっている!」とのこと。
実際に、本社はもちろんのこと、関連会社まで新卒就活生のエントリー数は「飛躍的」に伸びているようです。
グローバルでの「鋼材需要」を見ても、
・2024年:17億9300万トン(前年比1.7%増見込み)
・2025年:18億1500万トン(1.2%増予想)
最大の需要国である中国は横ばいが続くものの、インドなどが押し上げることで成長は続くと予想されています。
さらには、世界の人口増加や経済成長予測などを踏まえると、「2100年には約38億トン」に需要が増加されると試算され、市場拡大が続いていく見通しとのことなのです。※世界鉄鋼協会調べ
一方で、製造過程での二酸化炭素排出を抑える「ゼロカーボンスチール」への取り組みが求められ、2050年には世界市場で「40兆円の市場」になるとも予測されています。
「時代の変化」や「人類の進化」の過程において、各社は生き残りをかけての「脱炭素」に向けた取り組みが求められているのです。
「進化の過程」においては、「ピンチ、、」と捉える企業も、「チャンス!!」と捉える企業も存在するでしょうが、
かつての「鉄鋼王アンドリュー・カーネギー」さんは「チャンスに出会わない人間は、一人もいない。それをチャンスにできなかっただけだ」とおっしゃいました。
業界の方々をこよなく愛しリスペクトするタカマツとしては、多くの若い方々に、鉄鋼業界での「チャンスを掴み取ってほしい!」と願っているのであります。