このコラムについて
「担当者は売り上げや組織の変革より、社内での自分の評価を最も気にしている」「夜の世界では、配慮と遠慮の絶妙なバランスが必要」「本音でぶつかる義理と人情の営業スタイルだけでは絶対に通用しない」
設立5年にして大手企業向け研修を多数手がけるたかまり株式会社。中小企業出身者をはじめフリーランスのネットワークで構成される同社は、いかにして大手のフトコロに飛び込み、ココロをつかんでいったのか。代表の高松秀樹が、大手企業とつきあう作法を具体的なエピソードを通して伝授します。
本日のお作法/今からは作れない間柄
かつて大変お世話になった某大手さん「元人事部門の方々」と久しぶりの会食を。
お集まりいただいたのは、Hさん(元部長)、Nさん(元課長)、Kさん、Oさんの4名様。
およそ20年前に、「まったくの未経験」から足を踏み入れた「研修業界」。
しかも、それまでの高松は「中小、ベンチャー、スタートアップ」と呼ばれるような企業に属する方々としか仕事経験もないのに、、
「大手組織」を中心とした「組織育成」なる仕事をたった二人で始めたのであります。
冒頭の皆さんは、そんな僕にとって、「初めてのご発注」をくださった「恩人たち」なのです。
全員が揃うのなんて、10年以上ぶり。
H部長は、その後「役員を歴任」し、現在はすでに「ご引退」されていて、
N課長は、「主要関連会社の社長」を務めていらっしゃいます。
高松と同世代のKさん、Oさんは、「他部門の部長」としてご活躍中。
何とも「優秀な方々!」だったわけですが、10年近く一緒に仕事を進めさせていただいた間柄なのです。
Hさんは遅れての参加ということで、4人で先に「乾杯の予行練習」をしましょうか、と元部長の馴染みのお店で「近況共有や思い出話」を交わしていたのですが、、
◆高松さんはさ、業界用語はもちろん「一般的なビジネス用語」も知らんかったよね
→「アジェンダって何?」とか笑顔で質問していたようです、、
◆いや、そもそも「敬語もままならない状態」だったよね
→メールには「様」も使わずに、砕けた会話口調で「馴れ馴れしさ全開」で「やる気の押し付け」をしていたようです、、
◆「目も当てられないような企画書」を持ってきてましたよね
→新規提案で持参した企画書の表紙は「社名を間違えていた」ようで、、
◆中身も「何を伝えたいのか、全くわからない内容」だったよね
→冒頭3枚めくった段階で、Nさんに企画書を放り投げられ、、ドラマや映画でしか見たことのない「宙に舞うシーンを演出」したようなのです、、
他にも、こちらに記載するには収まらないほどの「失態」を繰り返した高松でしたが、
どうしてでしょうか、気長にお付き合いいただき、「社外のアホを育成」していただいたのでありました、、
ありがたいことに彼らにとっては笑い話に変わっておりましたが、「記憶の奥底」にカギをかけて「隠していた事実」をすっかり掘り起こされてしまっていたところ、店の入り口に人影が!
すると、今までバカ笑いしていたNさん、Kさん、Oさん、そして高松も、
「Hさん!お待ちしていました!!」
と、その場にいた全員がスッと立ち上がり、笑顔を振り撒いてのお出迎え。
それぞれが身体と心に刻まれた、「偉大なる上司」を敬う姿勢全開で、宴席は盛り上がりを続けたのであります。
周囲から見たら「滑稽にも映るかもしれない上下関係」ですが、どちらにとってもごく自然な振る舞い。
それが居心地良く、
「なかなかこんな関係性は、これから作ることなどできないよね」と笑い合った機会だったのであります。
(くれぐれも申し上げますが、H部長はユーモアたっぷり穏やかで丁寧な人格者さんなのであります、、)