ネットの履歴書
第24回『消せない過去』

株式会社ソルナが開発した究極の履歴書。それがネットの履歴書』これまでの履歴書や職務経歴書とは何が違うのか。なぜ究極と言えるのか。その秘密に迫ります。

小さなブルーオーシャンを追え
〜ネットの履歴書〜

第24回『消せない過去』

 

安田

京都アニメーション。悲惨な事件でしたね。

三澤

はい。

安田

警察が異例の発表をしました。

三澤

犯人の名前をいち早く公表しましたよね。

安田

はい。しかも、まだ犯人だって確定される前に公表した。

三澤

かなり異例ですね。

安田

でも、警察が発表する18時間前には、ネットの中で特定されてたらしいんですよ。実名が。

三澤

ネットの自警団ですね。

安田

やっぱり自警団ですか。どうやって調べてるんですか?彼らは。

三澤

「『小説パクりやがって』と言ってた」という証言にひも付く情報を見つけて、それを手がかりにして行き着いたと聞いてます。

安田

それは犯人の書き込みから?

三澤

はい。犯人の書き込みから発覚したケースですね。

安田

でも凄いスピードですよね。警察発表より早いって。

三澤

仮設まではあっという間でしたね。

安田

仮説ですか。

三澤

はい。「青葉真司と富樫○○、このどっちかだ」っていう仮説。

安田

そこまでは、あっという間だったんですか?

三澤

はい。あっという間でした。書き込みが怪しくて、どちらも逮捕歴があったんです。

安田

逮捕歴まで分かるんですね。

三澤

はい。「このどちらかで間違いない」となって「どっちだ、どっちだ」となってた時に「青葉真司だ」っていう発表があったんです。

安田

じゃあ、もうひとりの人は完全に無実だったと。

三澤

はい。もし発表が遅れてたら、富樫さんがえらいを迷惑被るところでした。

安田

危なかったですね。

三澤

でも無傷ではないです。前科があることが全国に知れ渡りましたので。

安田

迷惑な話ですね。なぜ前科まで分かるんですか?

三澤

一度でもネットニュースに上がったものは、削除されても“魚拓サイト”に残るんですよ。

安田

魚拓サイト?

三澤

いわゆるコピーサイトですね。技術がある人ならいくらでも探せます。

安田

膨大な量の情報から探すわけですよね?

三澤

はい。

安田

そんなの個人の力で出来るんですか?

三澤

ネットには時々、特殊な才能を発揮する方がいらっしゃって。

安田

いわゆるオタクってことですか?

三澤

オタクの中のオタクみたいな。すごい人がたまにいるんですよ。

安田

へぇ。

三澤

「いまの世の中はオタクが動かしてる」って言われるぐらいです。

安田

そうなんですか!

三澤

はい。いわゆる「オタク=特殊能力」なので。

安田

たとえば、どんな特殊能力なんですか?

三澤

情報を自動的に集めてくるシステムをつくったり。

安田

それは仕事でやってるわけではなく?

三澤

完全に趣味でやってますね。

安田

趣味でそこまでやりますか。

三澤

はい。自分の好きな情報を、世界中からリアルタイムで集めてくるシステムを、趣味で作っちゃうんです。

安田

で、そのシステムに犯人の情報を調べさせるわけですか?

三澤

そうです。自分で作ればコストもかからないし、アナログでは限界があるので。

安田

でも時間はかかりますよね?

三澤

システムを作る時間はかかります。

安田

なぜそこまでやるんですか?

三澤

たぶんゲーム感覚なんですよ。推理小説で犯人捜しをするのと同じ感覚。

安田

じゃあ正義感というよりは、犯人を当てた喜びみたいな感じですか。

三澤

そうです。でも、たしかに面白いと思うんですよね。実際に起こった事件で犯人を捜していく緊張感と当たったときの喜び。

安田

小説ではなく現実ですもんね。

三澤

はい。たぶん推理小説の何十倍も楽しいと思います。新しい趣味というか。

安田

新しい趣味ですか。

三澤

そんな感覚だと思います。

安田

じゃあ、未成年の事件で「A君」「B君」とか出てきたら喜ぶんですかね?

三澤

はい。実名が伏せられると動き出しますね。

安田

もはや匿名に意味はないと。

三澤

警察が公表してなくても、ほぼ100パーセント名前が公表されちゃいますので。

安田

顔とかも出ますよね、写真とか。

三澤

出ます、出ます。今はスマホがあるので。

安田

やっぱりスマホですか。

三澤

たとえば昔、学生時代に僕の地元で結構大きな事件があったんですよ。

安田

大きな事件?

三澤

人の頭をコカコーラの瓶で思いっきり殴って、植物人間にしちゃった人がいたんです。

安田

何と!

三澤

地元では誰がやったか分かってるわけですよ。でも地元の話だけで終わってた。

安田

引っ越してしまえば何もなかったことに出来ますね。

三澤

そうなんです。でも今はみんな書いちゃうじゃないですか。スマホを手にしてるので。

安田

確かにそうですよね。

三澤

そうすると、どこに行っても、どれだけ時間が経っても、やったことがすべて残っていく。

安田

やったことは消せないと。

三澤

はい。今は未成年の犯罪でも、本人の名前、自宅の住所、家族構成、お父さんが勤めてる職場、何もかも晒されちゃいます。

安田

それは犯罪にはならないんですか?家族まで晒しちゃったりして。

三澤

プライバシー侵害にはなります。

安田

書かれた本人や家族が訴えたりしないんですか?

三澤

負い目もあるので。プライバシー侵害で訴えたりもしづらいですね、やっぱり。

安田

犯罪を犯した人が一番悪いんでしょうけど。どっちが正義か難しいところですね。

三澤

いまの子どもたちって分かってないんですよね。それをやったら終わっちゃうってことが。

安田

自分で犯罪の動画をアップしたりしますもんね。

三澤

そういう人もいますけど、大概は周りが知らないうちにアップするんですよ。

安田

周り?

三澤

友達だと思ってる人が面白がってアップしちゃう。誰がいつ敵になるのか分からない時代なんです。

・・・次回へ続く・・・

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