第11回 宝石の知識よりも大切なこと

この対談について

母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。

第11回 宝石の知識よりも大切なこと

安田

前回のお話では、「Refine」のお仕事と掛け算で別の事業をやるとしたら、「ジュエリーやアクセサリーを作って売りたい人」との相性がよさそうということでしたね。「やってみたい!」となったら、まず何から始めればいいんでしょうか?


望月

未経験だったら3年くらい働いて経験を積んでから、独立して自分のお店を持ってもらうのがいいかなと考えています。

安田

ほう、なるほど。3年で卒業するわけですね。


望月

そうですね。業界経験があったり、資質とやる気があれば1年くらいでもいいかもしれません。そこはぜひご相談いただきたい部分ですね。

安田

ふむふむ。ということは、将来的に自分のお店を持って、そこで自分の作ったジュエリーやアクセサリーを売りたいという人は、「3年以内の期間限定社員からスタートする」というイメージですね。


望月

ええ、仰るとおりです。「のれん分け」のような感じで考えていただければ。

安田

なるほど、わかりやすいですね。外から見てやってみたいなと思っても、実際にやってみないとその仕事の本当の面白さや大変さってわからない部分もありますもんね。


望月

そうなんです。だから何年か実際に働いてみて、「これなら独立してやってみたい!」と思っていただけるかどうか。こちらもそれを応援したいと思えるかどうか。そういうお互いの合意が一番大事な気がします。

安田

なるほど。「仕事自体はあまり興味はないけど、儲かりそうだからやってみよう」という、フランチャイズ的な感覚だとちょっと違うかな、ということですか。


望月

一つ一つのジュエリーとじっくり向き合う姿勢を大事にしていただきたいので、タイプが違うかもしれません。

安田

望月さんご自身も「お客さんに喜んでいただける素敵な仕事だ」と仰ってましたもんね。そう思える方だといいですよね。


望月

本当にそう思います。体力的にも精神的にも辛くなく、その上お客様から頼りにされたり喜んでいただけたりするわけですからね。

安田

そんな仕事だったら誰でもやりたいんじゃないかと思うんですけど、人によって向き不向きもあったりするんですか?


望月

しいて言うなら、「独立してとにかくガンガン稼ぎたい」という人には向いていないかもしれないですね(笑)。

安田

ああ、なるほど。どちらかというと、「好きなことを仕事にしながら、お客さんに喜ばれて生きていきたい」という人が向いてそうですね。


望月

ええ、そうですね。短期集中というよりは、長くお客様から必要とされる仕事だと思います。一見さんがどんどん入れ替わっていくのではなく、同じ方が何度も来てくれたり、知り合いを紹介してくれたりして、だんだんと収益も安定していくような感じなので。

安田

なるほど。そういう意味では「人付き合いが好きな人」だとなおいいんでしょうね。


望月

そうですね。スタッフにも言っているんですけど、「宝石のことは二の次でいいから、まずはお客様に喜んでいただく、楽しんでいただくということを最優先にしよう」と。そうすると「〇〇ちゃん、来たわよ」とスタッフと話しに来ていただけるようになるわけです。

安田

それはすごく強みになりますね。宝石にまつわるその方の物語を興味を持って聞けるかどうか、そういうことが苦にならない人が向いていると。


望月

仰るとおりです。専門的な部分は僕らがフォローすることもできますので、宝石の知識がなくても、お客様の役に立つことに楽しみを見いだせる人がいいと思います。それを近所の人と井戸端会議のように気軽にできる人だとなおいいですね。

安田

井戸端会議と聞くと、女性を思い浮かべますが。

望月

そこは老若男女問わずですね。むしろ若い方よりはある程度年齢を重ねた方の方が、相談しやすくていいかもしれません。

安田

なるほど、お客さんの年齢層も40代以上が中心と仰ってましたもんね。その前後かそれ以上の人の方が、話しやすいというのはありそうです。ちなみに地域的にはどうなんですか? 自分の出身地にお店を作りたいとか。

望月

関東圏なら問題ないと思います。それ以外は僕らも経験がないので、一緒に相談しながら進めていけたらと思います。すごく大きな地方都市でなくても、ある程度の人口がいるところであれば成り立つとは思います。

安田

なるほど。どんな人が「自分の店を持つ」という夢を叶えやすいのか、だんだんと見えてきました。


対談している二人

望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表

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25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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