母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第28回 「人生の意味」と「ジュエリーの大切価値」の共通点

そのお坊さんは「人は何のために生きてるんですか」と聞かれたときに、「娘が買ってくれた万年筆」の話をするそうなんです。赤の他人からすると、ただの万年筆。でも親にとっては、自分のことを想って一生懸命選んでくれた特別な万年筆なんだと。

ええ、まさに。以前、1,000円くらいのアクセサリーを3,000円かけて修理したお話がありましたよね。私あのお話が大好きで。

お客さんとしては、Refineさんに一縷の望みをかけて来ているわけですもんね。

ええ。だから僕らとしては、なんとか期待に答えたいと思いますし、仮に専門外のご依頼であっても、単に他の修理店を紹介するのではなく、できるところまでやらせていただくようにしているんです。困った時に頼ってもらえる存在でありたいと思うので。

笑。そういう積み重ねがリピートにもつながっているんでしょうね。きっとRefineさんなら「娘にもらった万年筆」も修理してくれる気がします(笑)。

ですよね。ただそれが万年筆だと、修理しながら大切に使ったとしても親子3代4代とは使えないと思うんです。でもジュエリーなら、リフォームして代々受け継いでいくことができる。そう考えるとジュエリーってやっぱり特別な存在だと感じますよね。

そういうストーリーは大切にしたいですよねぇ。そういえばアンティークの世界でも「誰が所有していたか」によって価値が変わるらしいんです。例えば200年前のティーカップも、「何年から何年までの間は誰々が所有してました」というエピソード込みで価値になる。
対談している二人
望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。