母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第31回 オーダーメイドリフォームの要は「ヒアリング」
それはあんまりないかもしれないですね。お客様からしっかりご希望や背景をお伺いしながら進めていくので。
ああ、そうか。リフォームの場合はお客さんから「こうしてくれ」と言われることがほとんどなんですね。よっぽど「お任せで!」と言われなければ、イチからデザインすることはあまりないわけだ。
仰るとおりです。指輪にしたいのかネックレスにしたいのか、シンプルがいいのか華やかがいいのかなどをお伺いしながら、必要に応じて提案していく感じです。
なるほど。実際「こういうデザインがいい」とイメージが固まってる人の方が多いんですか?
半々くらいだと思いますね。「なんとなくイメージはしているけど、具体的には相談しながら決めたい」という方が一番多いかな。
へぇ。何となく美容室の最初のカウンセリングと似てますね。
ああ、確かにそうですね。実際、写真や雑誌の切り抜きなんかを持ってきてくださる方も多いので、そのあたりも似ています(笑)。
本当だ(笑)。ちなみにそういう場合は写真通りに作るんですか? それとも石の大きさなどに合わせて変えたりもするんですか。
基本的にはご希望に沿うように進めますが、「こうした方がより良くなりますよ」とアドバイスすることもありますね。
なるほど。ちなみに先日は「最近はシンプルなデザインが好まれている」と仰っていましたが、宝石も小さいものが人気なんですか?
そうですね。特に若い方は小さめの石を好む傾向があります。ただ50代や60代になると、少し高価な、大きめの石を好む方も多いですね。
ああ、わかる気がします。子どもの頃、大きな指輪をつけたおばちゃんをよく見かけました(笑)。
笑。ただやっぱり全体的に、少し控えめなデザインが人気ではありますね。
ちなみに具体的なイメージが全くないお客さんの場合、どうやって進めるんですか?
ご予算やデザインの好み、あとは「誰がどういう時につけるのか」をお聞きしながら、まずはカタログや以前のデザイン画をご覧いただきます。そうすると、「これいいわね」とか「これはイメージと違う」とかの意見が出てくるので、だんだんと傾向がつかめてくるんです。
ははぁ、なるほど。つまりヒアリング力が重要になってくるわけですね。
ええ。ヒアリングこそがアドバイザーの腕の見せ所かもしれません。お客様に満足いただけるものが作れるかどうかが、そこにかかっていますから。
確かにそうですよね。そこでお客さんの好みや想いをしっかり聞き出せないと、満足できるものはできあがらないわけですもんね。
仰るとおりです。とはいえ、毎回イチから提案するというわけでもなく、既成で作られている「空枠」という枠から選んでいただき、石を乗せ換えるというリフォームも多いんですよ
なるほど。つまり既成のデザイン枠に石をはめ込むわけですね。
そういうことです。7割ぐらいのお客様は既成の枠を選ばれますね。その場合は既成の型に金やプラチナなどの地金を流し込んで作ります。
ああ、なるほど。型からパカッとプリンのようにできるわけですね(笑)。
まぁそんなに簡単ではないんですが、一言で言うととそんな感じです(笑)。一方、オーダーメイドデザインの場合は、職人が地金を叩いて火を入れて、さらに曲げたり伸ばしたりして作っていきます。
それは手間ひまかかってますね。その分、自分だけの特別なジュエリーという感じがします。
ええ、まさに世界で一つだけのジュエリーです。お値段もその分かかるので、既成の枠に比べると、少なくとも倍くらいは違いますね。
なるほど。でもかかる手間や価値を考えると納得です。お客さんの希望するリフォームを叶えるためには、アドバイザーさんのヒアリングと職人さんの技術が欠かせないというわけですね。
対談している二人
望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。