母から受け継いだ指輪をネックレスに、片方なくしたピアスをペンダントに、思い出の詰まった2つのリングを溶かして1つに――。魔法のようにジュエリーを生まれ変わらせるジュエリー修理・リフォーム専門店「Refine」(リファイン)。代表の望月信吾さんに、お客様に感動を届けるジュエリーリフォームの魅力、そして波乱万丈な人生についてお聞きする対談企画です。
第43回 「黄金の国」に眠る60兆円の宝石
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「日本に眠っている中古の宝石」の市場がかなり大きいらしいという話を以前もしましたが、それが実に60兆円規模だと耳にしまして。
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そうらしいですね。私がこの業界に入った30年前、小売店や卸業者には在庫が山ほどありましたから。今はあの当時ほどの商品は出回っていないので、どこにあるんだろうとずっと不思議ではありました。でもそれが60兆円規模とはね。
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すごいですよね。今は海外でジュエリーのニーズが非常に高まっていて、宝飾品が大量に眠る日本はまさに「黄金の国」に映るらしいですよ。そういう層に向けて販売すれば、60兆円が70兆、80兆になる可能性もあるわけじゃないですか。
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いやぁ、あらためて聞くと本当にとんでもない規模ですよね。でも日本人はあまり宝石を「資産」だとは考えないから、安い金額であっさり売ってしまったりする。保有していればどんどん価値が上がったかもしれないのに。
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そうそう。でも私はそれが昔から不思議なんですよ。皆なぜか資産=現金だと考えるじゃないですか。私も昔、金のネックレスを買ったことがあるんですが、そのまま金として保有しておけば価値が上がったのに、うちの奥さんが「使わないんだから売ろう」と言って譲らなくて(笑)。
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そうですね(笑)。ただ「資産価値」とまで言えるのは、実はごく一部の高額宝石だけかもしれません。オークションで数千万から億単位になるような希少石なら別ですが、一般のジュエリーは売っても大した金額にはなりませんから。
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それはそうかもしれませんね。例えば洋服も、「昔は古着なんて誰が買うの?」と思われてましたが、今は海外の人まで日本の古着を高値で買うと言いますし。宝石も同じ流れになり得るというこということですよね。
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インバウンド需要がさらに盛り上がれば、外国人観光客が日本で中古ジュエリーを探す時代が来ると思いますよ。「ユーズド・イン・ジャパン」の品質は海外でも高く評価されてますから。
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日本の「丁寧に使う文化」も影響しているんでしょうね。実際、状態のいいものが多く残っていますし。実はRefineでも中古品は新作よりも人気があるくらいなんですよ。
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そういうことです。昔に比べて中古品を買うことに対する抵抗感はなくなってきていますし、リフォームすれば昔のデザインを今風に生まれ変わらせることもできる。…言われてみればすごく可能性のあるビジネスなのかもしれない(笑)。
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本当ですね。タンスの肥やしにするくらいなら、リフォームした上で販売してみてもいいかもしれません。もっとも個人的には、リフォームした上で普段使いしてもらいたいですけどね。「使いながら資産を楽しむ」という考え方も広まってくれたらいいなと。
対談している二人
望月 信吾(もちづき しんご)
ジュエリー工房リファイン 代表
25歳で証券会社を退社後、父親の経営する宝石の卸会社に入るが3年後に倒産。その後独立するもすぐに700万円の不渡り手形を受け路頭に迷う。一念発起して2009年に大塚にジュエリー工房リファインをオープンして現在3店舗を運営。<お客様の「大切価値」を尊重し、地元に密着したプロのサービスを提供したい>がモットー。この素晴らしい仕事に共感してくれる人とつながり仕事の輪を広げていきたいと現在パートナー募集中。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。