庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。
第135回 10年後の暮らしを見据えた「引き算の庭づくり」

以前、日本庭園ってヨーロッパの足し算で作る庭園と違って、「引き算」で考えると仰ってましたよね。木を植えるにしても、植えすぎてはいけない。やりすぎるよりは足りない方がまだいいというか。

そうですね。あとは枝ぶりや大きさを考えて全体的に組み合わせを調整することもあります。ともあれ、一番意識するのは5年後、10年後の庭ですね。だから完成直後は物足りなく感じることもあるかもしれません。

そうなんですよね。実際、たくさん木を植えた方が完成直後の写真写りはすごくいいわけです。有名な建築家で、すごくたくさん木を植える人もいますしね。ただ、庭というのはいつも写真で見るわけじゃないので。

そうなんです。それに、木を植えすぎていると、何年後かには大きくなりすぎてしまったり、雑草でボサボサになってしまったりする。だから私としては、写真映えよりも10年後の暮らしやすさを考えて植栽を調整しています。

ああ、そうか。仕入れられる木や大きさって縁みたいなものもありますもんね。今手に入るもので数年後がベストになるようにアレンジするから、例えば「桜を絶対入れろ」なんて言われるとバランスが崩れてくると。

家づくりでもそうですが、最初の見栄えだけにこだわると後で後悔することって多いですからね。写真には写らない「日々の心地よさ」や「10年後の暮らし」を逆算してデザインするからこそ、中島さんの引き算の庭は長く愛されるんでしょうね。
対談している二人
中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役
高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。


















