第68回 家族の未来を見据えた庭づくり

この対談について

庭師でもない。外構屋でもない。京都の老舗での修業を経て、現在は「家に着せる衣服の仕立屋さん(ガーメントデザイナー)」として活動する中島さん。そんな中島さんに「造園とガーメントの違い」「劣化する庭と成長する庭」「庭づくりにおすすめの石材・花・木」「そもそもなぜ庭が必要なのか」といった幅広い話をお聞きしていきます。

第68回 家族の未来を見据えた庭づくり

安田

中島さんって、お庭だけじゃなく駐車場などの外構も手掛けてますけど、最近は水槽まで作られてますよね。


中島

そうですね。おもしろいご依頼をいただくと、ついワクワクしてしまって(笑)、積極的にお受けするようにしています。

安田

いいですね(笑)。となると、一体どこまで対応してくれるのか気になります。例えば「ツリーハウスを庭に作ってほしい」なんて依頼も大丈夫なんですか?


中島

ツリーハウスですか!…さすがにまだ作ったことはないですけど、ハウスの部分は建築をやっている兄に依頼できるので、技術的には問題ないと思いますね。

安田

なるほどなるほど。確かにツリーハウスは「ハウス」だから「庭」ではないか。とはいえ、他の職人さんとタッグを組むことで、対応できてしまうと。


中島

ええ。ただ現実的な話で言えば、「ツリーハウスを支えるほどの木が植えられる広さがあるか」がポイントになります。相当広い敷地じゃないと難しいかもしれません。

安田

確かに、まずは「ハウスを支えられる大きな木」が必要ですもんね。公園みたいに広さがないと難しそうです。ちなみにブランコや滑り台のような遊具はどうですか? お庭に作ってほしいという依頼は庭づくりに含まれるんですか?


中島

遊具の設置も庭づくりの範囲内ですが、個人宅で作ってほしいとご相談いただいたことはまだないですね。

安田

そうなんですね。確かに日本では本格的なブランコのあるお庭ってあまりないかもしれません。海外ではよく見ますけど。でも作ってほしいと言われれば作れちゃうわけですか。


中島

そうですね。できると思います。

安田

すごいなぁ。けっこう何でも作れちゃいそうですね。では、洋風の家に合わせたイギリス式の庭園を作ってほしい、なんて依頼が来たらどうですか?


中島

洋風の庭も対応可能です。普段から建物に合わせてデザインしているので、それに関しては特別難しいことはないですね。建物の雰囲気に合わせて木を選び、庭全体のイメージを組み立てていきます。

安田

なるほど。建物に合わせて植える木やデザインを変えていく、ということなんですね。


中島

ええ。それで言うと、雑木はわりとどんなスタイルにも合わせやすいです。和風のイメージが強いもの以外は、比較的応用が利くと思います。

安田

ああ、確かにそうでしょうね。逆に苔などは洋風のお庭のイメージには合わなそうです。いずれにせよ、住む人の要望や家の雰囲気に合わせて考えてもらえると。


中島

もちろんです。お子さんのために遊具を置きたい場合など、成長に合わせて取り外せるようにすることも可能です。固定してしまうと後々のリフォームがしにくいので。

安田

そうか。使われなくなった遊具が庭に残っているのは、なんだか物悲しいですもんね(笑)。そういう意味ではツリーハウスも、子どもが幼い時はすごく良さそうですけど、大きくなって必要なくなっても簡単に取り除けないですよね。


中島

そうなんです。だからお庭も長期的な視点で設計するのが大事で。最初は砂場として使い、後から土を入れ替えて花壇や家庭菜園に変える、みたいな提案をすることも多いです。小さなリフォームを繰り返して、少しずつ変化させていくのもいいですしね。

安田

なるほどなぁ。特にお子さんがいる家庭だと、庭の使い方もどんどん変わっていきますもんね。最初は遊び場として、次はバーベキューを楽しむスペースにしたり。家族の成長とともに庭が進化していくのは楽しそうだなぁ。

中島

そうですね。ちなみにそういうケースでよく「人工芝」を希望されることが多いんですが、あまりオススメしません。ビニール製なのでバーベキューには向かず、静電気がたまってしまうなどのデメリットもあるので。

安田

へぇ、人工芝って静電気の問題があるんですね。ということは、お子さんが遊ぶことを考えると天然芝一択ってことでしょうか。

中島

天然芝か、あるいは防草シートを敷いて砂利を敷く方法もおすすめしています。

安田

なるほど。中島さんに相談すれば、そうした庭作りの選択肢も含めて幅広い提案がいただけるわけですね。お庭について希望があれば、突拍子もないことでもまずは中島さんに相談してみるのがよさそうです。

中島

そうですね。どんなアイデアでもまずはご相談いただけると嬉しいです。「こうしたい」という思いがあれば、できる限り形にできるようサポートしたいと思いますので。

安田

しかも言われたことをそのままやるのではなく、後から後悔しないようにアドバイスもしてもらえますもんね。

中島

もちろんです! 「長く付き合えるお庭」を目指して、少し先の将来も見据えた提案をさせていただきます。


対談している二人

中島 秀章(なかしま ひであき)
direct nagomi 株式会社 代表取締役

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高校卒業後、庭師を目指し庭の歴史の深い京都(株)植芳造園に入社(1996年)。3年後茨城支店へ転勤。2002・2003年、「茨城社長TVチャンピオン」にガーデニング王2連覇のアシスタントとして出場。2003年会社下請けとして独立。2011年に岐阜に戻り2022年direct nagomi(株)設立。現在に至る。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

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