【新連載】第1回 衝撃の出会い

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、16歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第1回 衝撃の出会い

安田
中辻さんと知り合ったのは2017年のことでしたけど。出会いを覚えてらっしゃいますか?

中辻
もちろん覚えてます。安田さんとの出会いは、私の人生のターニングポイントですから。
安田
初めて顔を合わせたのは採用面接の現場だったんですよね。

中辻
ペイント王の面接ですね。社長の久保さんと安田さんが並んで座っていて。私はてっきり、安田さんもペイント王の方だと思っていたんですけど(笑)。
安田
そう見えるようにふるまってましたからね(笑)。実際は単なる顧問だったんですけど。

中辻
でも、どうして顧問の方が面接に参加されてたんですか?普通はそこまでしないと思うんですけど。
安田
事前に中辻さんの履歴書を見て、この人は逃しちゃいけないと。絶対に優秀な人だから、何とかペイント王に入ってもらわないと、と思ったんですよ。
安田
面接っていうのは、見抜くと同時に口説かないといけないわけです。でも久保さんはそういうの苦手そうじゃないですか。

中辻
確かに、久保さんは自他共に認める口下手ですからね(笑)。
安田
だから、私が口説くことにしたんです。さもペイント王の人間のような顔をして(笑)。

中辻
それでまんまと騙されて(笑)。でも今思えばペイント王に入って本当に良かったです。入社してなかったら、今みたいなポジションにはいなかったと思うので。
安田
いま中辻さんは、ペイント王のグループ会社である株式会社MAMENOKI COMPANYを運営してるんですよね。どんな事業をされているんでしたっけ。

中辻
日本ポスティングセンターという名前で、チラシの作成とポスティングの事業をしています。
安田
「日本一高いポスティング代行サービス」というキャッチコピーなんですよね。

中辻
そうなんです(笑)。どこよりも高いですけど、どこよりも反響を出してみせますよ、というスタンスで。
安田
それで問い合わせが殺到して大忙しなんだからすごいですよ。やっぱり私の目に狂いはなかった(笑)。

中辻
ありがとうございます(笑)。
安田
でも、どうしてそんなに仕事ができるんですか?経営の経験があったわけでもないわけでしょう?

中辻
前に勤めていたのが物流の会社だったんですけど、社長と私だけでやってたんですよね。必然的に右腕みたいな立場になってしまって。
安田
なるほど。そこで会社経営のイロハを学んだと。

中辻
学んだ、なんてキレイなものじゃなかったけですけど(笑)。社長が働いてくれないから、在庫管理とか工程表作成とか全部私がやるしかなくて。
安田
結果的にいろいろなことが身についてしまった。

中辻
そういうことになりますね。でも、やらされていたという感じではなかったです。負けず嫌いな性格なので、絶対に何とかしてみせると思いながら(笑)。
安田
さすがです。でも、そういう中でなぜ転職を?ある意味、出世は約束されてるようなものですよね。

中辻
うーん、なんというか、物足りなくなっちゃったんだと思います。私は社長と二人でどんどん会社を大きくしたかったんですけど、社長は「まあ今のままで十分じゃない?」という人で。
安田
なるほど。あまりハングリーじゃなかった。

中辻
そうなんです。確かに、私と社長だけなら十分に食べていける売上はあったんです。でも、今後も毎日この仕事をし続けるのかな、もっと新しいことに挑戦したいなって。
安田
それで退職されて。でもなぜペイント王なんです?塗装に興味があったとか?

中辻
いえ、その時は児童養護施設で働きたいと思ってたんですよ。
安田
児童養護施設!それはまたどうして。

中辻
読者さんには引かれちゃうかもしれませんが、実は私自身が、かなり壮絶な子供時代を過ごしてきた人間で。
安田
というと?

中辻
家庭環境が複雑で、小学校時代からいわゆる「不良」になりまして(笑)。それで非行に走ったり、家に帰らないみたいな生活をしてました。
安田
そうでした。この対談のタイトルにもありますが、15歳で妊娠されてママになったんですよね。

中辻
そうなんです。だから、私みたいな子どもがいるところで頑張りたいなと思ったんですけど、なかなか児童養護施設の働き口がなくて。それでたまたま見つけたのがペイント王の募集だったんです。
安田
なるほど、そういう流れだったんですね。

中辻
そこで安田さんにお会いし、まんまと騙されて(笑)。
安田
すみませんでした(笑)。では次回はその壮絶な幼少期について聞かせていただこうと思います。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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