「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第116回 文字量が少ないチラシほど、反響が高くなる理由

そうなんですよ(笑)。特に見出しもなく、会社の強みや商品の情報についてつらつらつらつら綴られているチラシって結構多くて。でもね、チラシを受け取った側はまずキャッチコピーくらいしか見てくれないんですよ。

でしょ?(笑) 読み手側はまずはキャッチコピーとか写真とかをザッと見て、そこで初めて「読むか読まないか」を判断する。だから実は「絶対に伝えたいことだけを書く」というのが、ポスティングチラシの一番のセオリーなんです。

そう、アウトです。だって裏も表も字で埋め尽くされたチラシ、読みたいですか?(笑) だから「誰に何をどういう風に伝えたいか」を、できるだけ短く簡潔にまとめる。そして読者の方に「どうしてもらいたいか」ということが、チラシを見て1秒くらいでわかるように作らないといけないんですよね。

そういうことです。そもそもチラシの作成費用って、基本的に高いのは初回だけなんですよ。最初にしっかりとデザインを作り込んでおけば、あとはそれを印刷して配布していくだけなので、追加の制作費用はほとんどかからない。

まさに仰るとおりなんです。「デザイナーに作ってもらう費用がもったいない」ってご自身で作ったチラシを持ち込まれる方もいらっしゃいますけど、それはすごくもったいない話で。長くポスティングで集客する予定があるのであれば尚更、最初にお金を出してプロに作ってもらった方がいいです。

「内容は活かす方向で、デザインは刷新しましょう」と提案します。反響が取れなさそうだなと思っているのに、何も言わずポスティングする方が失礼だと思うので。そこは「どんなに思い入れがあってもダメです」ってハッキリ言っちゃいます(笑)。

そうですね(笑)。逆に、どのエリアからの集客が多いとか、お客様じゃないとわからない情報も多いので、そのあたりはもちろん重視しますけどね。そういった「お客様から聞きたい情報」と「こちらから伝えたい情報」のキャッチボールがうまくいった会社さんは、ポスティングの効果も高い傾向にある気がします。


そうなんですよ(笑)。というのも私たち、ポスティングの方で利益をいただいているからなんです。チラシはあくまでも「反響を取るために自分たちで作っている」というスタンス。だからめちゃくちゃ安く設定しています。

対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。