「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。
第119回 絶好調のコビトベニエ、次なる一手は?

昨年12月にオープンしたベニエ屋さん『コビトベニエ』、かなり繁盛しているそうですね!

そうですね、ありがたいことに忙しくさせてもらっています。口コミなんかもすごく高評価をいただけていて。ただどうしてもご提供する商品にこだわればこだわるほど、人件費や利益に課題が出てくるわけですけど。

そこはなかなか難しい問題ですよね。そういえば決算はどうだったんです? かつては税理士さんから「飲食店は止めておけ」と言われていましたけど…(笑)。

ただ去年の夏頃からお店のオープンに向けて、私自身はポスティングの仕事をセーブしていたので、『マメノキカンパニー』としての売上は前期に比べて減収になりましたけどね。

ええ、すごくいい気付きになりましたね。ウチももう7年目になりましたけど、これまではずっと「増収すること」ばかり考えていたんですよ。売上3億、5億、10億目指すぞ、みたいな。でも「そうか、利益を残すってのも大事だよな」と。

仰るとおりです。せっかくお客様がいらっしゃっても、品切れの商品ばっかりだったり、提供までにすごい時間がかかったりしたら、きっとガッカリされるじゃないですか。だから人員を削ることはしたくない。じゃあどうするかといったら、増収するしかないんですよね。

もちろんゆくゆくは2号店、3号店の展開も考えていますが、まずは客数を増やしたり、客単価を上げることが先かなと。1店舗目がちゃんと地に足ついて営業できるようになって初めて、店舗を増やしたいなと思っています。

もちろんです。季節的にも、まずはソフトクリームを始めています。しかもそれはただのソフトクリームじゃなくて、「トッピングビュッフェ」ができるんです。

そうですね。それくらいはコンスタントに残したいなと。今でもそれくらい残る月もあるんですが、正直言って赤字の月もあるんですよね。仕入れをすると一気に何十万円とかかってしまうので。まだ始めたばかりで利益のプールもほとんどない今、すぐにマイナスになってしまう。

対談している二人
中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役
1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。