第152回 「顔採用」はありか、なしか。

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第152回 「顔採用」はありか、なしか。

安田

中辻さん、「顔採用」ってご存知ですか?


中辻

採用する時に容姿を基準にするっていうやつですよね。

安田

そうそう。今は時代的に、表立って「顔採用をします」なんて絶対言っちゃダメじゃないですか。でも実際のところ、容姿で決まっている部分って小さくないと思うんですよ。


中辻

うーん、確かにそう言われるとそうかもしれないですね。

安田

でしょ? 私も経験ありますけど、面接でもやっぱりその人のルックスをまず見るんですよ。もちろんそれだけじゃないにしろ、かなり重要なポイントであることは間違いない。つまり多くの企業は「顔採用」しているわけですよ。


中辻

そうなんでしょうね。でもそもそも「顔採用」ってそんなにダメなことなんですかね?(笑)

安田

このコンプライアンス時代においては、明確にダメですよ(笑)。体型とか顔の美醜で採用を決めちゃいけないんです。


中辻

うーん、じゃあ「人柄」はOKなんですか?

安田

それは大丈夫です。人柄ってある意味スキルなので。でも顔って生まれついてのものだから、変えようがないじゃないですか。だから「顔採用」っていうのはダメ、という理屈です。


中辻

なるほど。うーん…これを言ったらひんしゅくを買うかもしれないんですが(笑)、それで言うと、は面接で普通に「可愛いね」とか言っちゃってます(笑)。

安田

えぇ?! それ、おじさん経営者が言ったら大変なことになりますよ(笑)。


中辻

女性経営者っていう立場を武器にしちゃっています(笑)。でも、ブサイクだからって落とすこともないですけど。

安田

それは神に誓って?


中辻

はい(笑)。ただね、面接でお話している時に、ニコニコした笑顔が可愛くて、礼儀正しくて、いい子だなって感じるのってごく自然なことだと思うんですよね。

安田

うんうん、面接官も人間ですからそう思うのも当然ですよ。で、そういう部分が少なからず合否にも影響を与えているのも事実ですよね。


中辻

ええ。例えば営業職の採用をしようとした時に、ムスッとして愛想の悪い小汚い人よりは、ニコニコ可愛らしかったり爽やかなイケメンの方が絶対いいじゃないですか。でも今は、それをあからさまに言ってはいけない世の中だということなんですね。

安田

そういうことです。「ウチは顔採用しています」なんて言ったら大炎上ですよ(笑)。


中辻

笑。うーん、そもそも「顔採用」っていう言葉が良くないのかもしれませんね。見た目を整えるのも「スキル」だと思うので。

安田

確かに、顔のつくりを変えることはできないですけど、愛嬌とか愛想の良さは努力すれば変わりますもんね。


中辻

そうそう。逆に言えば、たとえすごく可愛い顔をしている子でも、面接の場に金髪でど派手な長いネイルをしてくるような子だったら採用しないですもん。

安田

それは、自分をよく見せようとする努力を怠っているから?


中辻

そうですそうです。普通に考えて、「この会社で働きたい」と思っているなら、それに合わせた服装やメイクなどで「見た目」を整えて、その上でしっかり笑顔で挨拶するとかハキハキと喋るとかするじゃないですか。

安田

なるほどなるほど。でも例えば体質的に痩せられないとか、体臭がキツイとか、そういった「努力では変えづらい部分」を持っている人が面接に来ても、それを理由に落とすことはしちゃいけないと言われているわけですよ。それはどう思われます?


中辻

うーん…体型はともかく、体臭なんて面接前にシャワー浴びてくればそんなに気にならないんじゃないですか? 要は、最低限、人を不快にさせない身だしなみを整えるのって、顔採用云々ではなく「常識」だと思うんです。

安田

確かに。そこができていない人を採用しないことを「差別だ」なんて言われたら、何も選べなくなっちゃいますよね。


中辻

そうですよ。AIじゃなくて生身の人間が採用をしているんですから、相手から感じ取ったことが合否の結果に影響するのは当然じゃないでしょうか。

安田

じゃあ逆に、めちゃくちゃ好印象だったとしたら、多少スキルが足りなくても採用します?


中辻

いや、それはないです。

安田

そこは冷静なんですね(笑)。


中辻

そりゃそうですよ。だってそういう子を採用しても、私1人が面倒をみるわけではないので。他の社員の負担にもなるし、なによりもその子に支払う給与=会社のお金なんだから、会社にとってプラスにならない子はどれだけ可愛くても採用はしません。

安田

偉いな〜。世の経営者さんは「この子と働きたい」って思うと、会社にとってどういう影響があるかというのはそっちのけで、その子のいいところとか社内で役に立ちそうなポジションとかを必死で探し始めてしまうんですよ。で、結果として失敗することが多い。


中辻

もちろん容姿も含めた「見た目」が良ければスタートラインは高いですよ。でもタイピングもできない、ビジネスマナーもなってない、電話応対もできないみたいな場合は「もっとスキルアップしてから来てください」って言いますね。

安田

なるほどなぁ。結局のところ、現実問題として「顔採用」はあるけれど、顔だけでは合格できないんだぞ、という至極真っ当な結論にたどり着きましたね(笑)。

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

Twitter

1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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