第153回 女性だけの会社が、うまく機能している理由

この対談について

「日本一高いポスティング代行サービス」を謳う日本ポスティングセンター。依頼が殺到するこのビジネスを作り上げたのは、壮絶な幼少期を過ごし、15歳でママになった中辻麗(なかつじ・うらら)。その実業家ストーリーに安田佳生が迫ります。

第153回 女性だけの会社が、うまく機能している理由

安田

今日は「女性だけの職場」って実際どうなのか、というテーマでお話ししたいと思っていまして。中辻さんの会社もそうですが、女性だけしか採用しないことでうまくいっている職場がある一方で、「男性がゼロではやっぱりうまくいかない」っていう経営者の声も聞くことがあるんですよ。


中辻

へぇ、そうなんですか。どんなところがうまくいかないんでしょうかね?

安田

営業数字をアグレッシブに追いかけるような企業カルチャーが生まれにくい、とかですかね。なんていうか「戦闘民族」的なところってやっぱり男性の方が持っていると思うんですよ(笑)。もちろん例外は多々あるでしょうけど。


中辻

ああ、でも確かにそうかもしれませんね。

安田

女性ってどちらかというと「チーム目標」の方がやる気が出るって言われている。他にも、男性は大きく1回褒めるのが良くて、女性は小さく毎日褒めるのがいいとも言われていたりしますよね。


中辻

確かにウチの会社も、私1人で数字を管理するんじゃなくて、社員全員で同じ目標に向かってやっています。だから会社が黒字になれば、利益はみんなで平等に山分け。

安田

売上トップの人だけにボーナスを渡すわけではない、と。


中辻

そうですそうです。皆で一丸になって目標を達成して、皆で山分けするっていうルールを明確にしています。

安田

なるほどなるほど。というかそもそも「男性を採用しない」という方針には、中辻さんのこだわりがあるわけでしょう?


中辻

えっと…別に男性が嫌とか男性がダメとか、そういう理由ではないんです。単純に私は「男性を採用するお金があるんだったら女性を採用したい」っていう思いが強いだけで。

安田

ふ〜む、それはどうして?


中辻

今の社会って「家族のために外でバリバリ仕事をして、社会で活躍する=できる男」みたいな意識がまだまだ根強いと思っているんですよ。一方で女性は、結婚や出産したら家のことがメインで、たとえ働くとしてもパートで…みたいなパターンが多いじゃないですか。

安田

まだまだそういう風潮はありますよね。旦那さんの稼ぎが家計のメインで、奥さんの収入分はプラスアルファ、みたいな。


中辻

そうそう。特に私の住んでいる南大阪の田舎には、「急に休まれたら困るから…」みたいな理由で子持ちの女性の採用を敬遠する企業がたくさんあるんですよ。

安田

なるほど。そういう会社って、仮に女性が入社できても、結婚や妊娠を機に退職せざるを得ない雰囲気もありそうですよね。


中辻

まさにそうなんです! そうやって、せっかく優秀なのにもかかわらず、前線に立てない女性がたくさんいるわけですよ。だから私は、彼女たちが家庭を大事にしつつ、正社員としてバリバリ活躍できる場所を作りたいんです。

安田

は〜、なるほど。それが中辻さんの「ミッション」なんでしょうね。いやぁ、素晴らしい。ちなみに自社には女性だけしかいなくても、お客さん側の経営者や担当者が男性の場合はたくさんあるでしょう?


中辻

もちろんもちろん。というか、その確率の方が断然高いですね。

安田

ですよね。そういう時に相手側から「男性の担当者はいないの?」とか「女性ばっかりだとやりにくい」とか言われた経験ってないです?


中辻

正直なところ、起業したての24〜5歳の頃はそういう雰囲気は感じていましたね。初対面なのにタメ口で話されたり、すぐに値引き交渉されたり。

安田

若い女性だからって、舐められていた?


中辻

そうなんじゃないかなぁ。あとはお客さんと食事に行ったり懇親会みたいな場に参加したりしていたこともあったんですけど、そういうときにいわゆる「女性として扱われる」ような、居心地の悪さもたくさん経験しました。

安田

なるほど。…今の中辻さんにそんな態度を取る人はいないだろうと思うんですが(笑)、当時は何が違っていたんでしょうね。


中辻

うーん、結局、自分自身に自信がなかったのが原因やったんやろうなぁって思います。

安田

自信、ですか。


中辻

はい。当時って「自分はいいものを売っている」っていう思いはありましたけど、やっぱりどこかで「ウチは他社さんより値段が高いよなぁ」って思いながらお客様に提案していたんです。

安田

当時の若い中辻さんは、自信なさげに売っていた、と。


中辻

そうそう。もちろん今は違いますよ? 適正価格…なんなら安すぎるくらいだって思いながら、自信を持って提案しています。でもそれはやっぱり、起業してから7〜8年で培ってきた経験とか成功体験があってのことで。

安田

なるほどなるほど。逆に言えば、自分の仕事や商品にしっかりとした誇りと自信を持ててさえいれば、仕事をする上では性別なんて関係ないというわけですね。


中辻

そういうことです。あとはウチの場合、現場のコミュニケーションは女性がする方が円滑に仕事がまわることが多いんですよ。

安田

ほう、それはどんな場面で?


中辻

典型的なのはポスティングスタッフさんとのやり取りですね。時にはどうしても厳しく指摘をしなくてはいけなかったり、ちょっと突っ込んだヒアリングをしたりする場面もあるんですが、そういう時にも女性の方がずっと上手で。角が立たない柔らかいコミュニケーションが自然にできるんですよ。

安田

確かに女性の方がコミュニケーション力が高いですもんね。なるほどなぁ。今日は中辻さんが女性だけの会社をうまく機能させている理由がよくわかりました!

 


対談している二人

中辻 麗(なかつじ うらら)
株式会社MAMENOKI COMPANY 専務取締役

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1989年生まれ、大阪府泉大津市出身。12歳で不良の道を歩み始め、14歳から不登校になり15歳で長女を妊娠、出産。17歳で離婚しシングルマザーになる。2017年、株式会社ペイント王入社。チラシデザイン・広告の知識を活かして広告部門全般のディレクションを担当し、入社半年で広告効果を5倍に。その実績が認められ、2018年に広告(ポスティング)会社 (株)マメノキカンパニー設立に伴い専務取締役に就任。現在は【日本イチ高いポスティング代行サービス】のキャッチコピーで日本ポスティングセンターを運営。

安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

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1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 

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