「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。
第60回 「他責思考の人は損している」と思う理由

採用の仕事を長くやっていたこともあって「安田さんならどういう人を採用しますか」ってよく聞かれるんですよ。私の答えは、「その仕事に適性があるか」「頭が柔らかいか」、そして「自責思考か」の3つなんです。

まさに仰るとおりだと思います。…ただ現実問題、これだけ勤勉で真面目と言われながら、日本人ってけっこう他責思考の人が多いじゃないですか。俺の収入が低いのは政治家のせいだ、政策が悪いからだって書き込みだらけですよ(笑)。

私なんかはそういうのを見ると、「そうやって他責にしているからあなたの収入は低いんだ」くらいに思っちゃうんですよ(笑)。だってたとえば西崎さんもいわゆる「氷河期世代」でしょう? でもそれを国のせいにしたりはしないじゃないですか。

まぁ僕はちょっと変わっていたんで、「確かに選考は厳しいかもしれないけど、入社さえしてしまえばライバルが少ないぞ。ラッキーじゃないか」くらいに思ってました(笑)。まぁ結局、その状況をどう捉えるかって話ですよ。

そうそう。そこで他責にしていたって問題は解決しないわけで、逆に「じゃあどうしようか」と自分で考えて動ける人は強い。でもね、たとえばXで「氷河期時代のせいだ、とか言ってる奴は他責思考だ」なんて書いたら、多分すぐ叩かれますよ(笑)。

でしょう?(笑) でもね、そういう状況だからこそ、自責思考の人が成功できるとも言える。他責思考の人がそうやって停滞してくれているから、自責思考の人がちょっと頑張れば成功できちゃうわけですよ。…そういえば昔は「ポストが赤いのも社長のせい」って言葉がありまして。

うーん、確かに言われてみればそうだったかもしれません。どちらかというと「何事も自分で決めたい」というのが先にあって、「自分で決めたんだから何が起こっても自分のせいだな」と思うようになったというか。

ああ、やっぱり。放任と自責思考はセットなのかもしれませんね。逆に言えば、他責思考の人は親があれこれ決めすぎなのかもしれない。愛情はちゃんと注いで、でもできるだけ放任にした方が、世の中は自責思考の人が増えるのかもしれませんね。
対談している二人
西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社 代表取締役 最高経営責任者
1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。
安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家
1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。