第69回 「お金の貸し借り」はアリかナシか

この対談について

「オモシロイを追求するブランディング会社」トゥモローゲート株式会社代表の西崎康平と、株式会社ワイキューブの代表として一世を風靡し、現在は株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表および境目研究家として活動する安田佳生の連載対談。個性派の2人が「めちゃくちゃに見える戦略の裏側」を語ります。

第69回 「お金の貸し借り」はアリかナシか

安田

西崎さんって、ご自分でどう思われてるかはわかりませんが、社会的にはやっぱり成功者じゃないですか。知名度もあって、お金も持ってて。で、ちょっと下世話な話なんですが、お金貸してくれって言われることもありません?


西崎

う〜ん、あんまりないですね。

安田

あ、そうなんですか。私は過去にけっこうあったんですよ。友達からとか、経営者からとか。


西崎

へえ、そうだったんですね。それで実際に貸したんですか?

安田

私、親に言われてたんですよ。「保証人になるな」「お金は貸すな」「貸すときにはあげるつもりで貸せ」って。で、実際にあげるつもりで貸して返ってこなかったことも何度もあります(笑)。


西崎

あら(笑)。僕が唯一お金を貸したって言えるのは、前職のときの後輩が会社をやってるんですけど、そこに出資や融資という形で出したくらいですね。

安田

それってもう投資というか、ビジネスの一環ですよね。そうじゃなくて、たとえば本当にお世話になった人や、昔からの友達から「お金貸して」と言われた場合にどうします?  貸すべきか、貸さない方がいいのか、あるいはあげちゃうべきか。


西崎

僕だったら、あげたい人にはあげるつもりで貸しますね。体裁として「貸す」とするかもしれませんけど。でも、基本は「返ってこなくてもいい」という気持ちで出すでしょうね。

安田

なるほどね。でも、貸したことによって友達との関係が崩れることもあるじゃないですか。だから「金の貸し借りは一切しない方がいい」っていう人もいる。


西崎

あ~、確かにそれもわかる気がします。逆に僕が借りに行くとなったら、やっぱり考えちゃいますもんね。お金より関係性のほうが大事だしなと。

安田

そうですよね。ともあれ、貸す側だったとしたら、「返ってこなくてもいい」と思える相手じゃないと貸さないってことですね。


西崎

そうですね。というか、基本的には断っちゃうと思います。ほんまにお世話になった人とか、助けてくれた人には、あげるつもりで出すでしょうけど。

安田

ちなみにあげるつもりで出せる金額って、どのぐらいまでなんですか?


西崎

リアルな話をすると、1000万円くらいまでなら返ってこなくてもいいかなと思えるラインです。

安田

は~、すごいですね。逆に言えば、それくらいの価値を持つ関係じゃないと貸さないってことですね。


西崎

そうそう。言い換えるなら「1000万以上のギフトをもらってるような相手」じゃないと貸さないだろうなと。それはお金って意味じゃなく、関係性とか気持ちとか含めてですけどね。

安田

なるほどなるほど、わかりやすいですね。ちなみにこれは想像の話ですけど、もし西崎さんがお金に困って誰かに借りに行くことがあるとしたら、何のためだと思います?


西崎

やっぱり社員の給料のためじゃないですかね。家賃とかなら引っ越せば済むけど、社員の給料は止められない。それぞれの生活がありますから。

安田

ああ、やっぱり。私も会社を潰したことありますが、社員の給料だけは止めたことがないです。あれは本当に最後のラインですよね。


西崎

そうですよね。僕ら経営者が一番守らなきゃいけない部分だと思います。


対談している二人

西崎康平(にしざき こうへい)
トゥモローゲート株式会社
代表取締役 最高経営責任者

Twitter

1982年4月2日生まれ 福岡県出身。2005年 新卒で人材コンサルティング会社に入社し関西圏約500社の採用戦略を携わる。入社2年目25歳で大阪支社長、入社3年目26歳で執行役員に就任。その後2010年にトゥモローゲート株式会社を設立。企業理念を再設計しビジョンに向かう組織づくりをコンサルティングとデザインで提案する企業ブランディングにより、外見だけではなく中身からオモシロイ会社づくりを支援。2024年現在、X(Twitter)フォロワー数11万人・YouTubeチャンネル登録者数19万人とSNSでの発信も積極的に展開している。

 


安田 佳生(やすだ よしお)
境目研究家

Twitter  Facebook

1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。安田佳生事務所、株式会社ブランドファーマーズ・インク(BFI)代表。

 


 

 

感想・著者への質問はこちらから