この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
忙しさに流されずに、行きたい方角に橋をかける
「本の執筆で何度も会っているので、絵を見て『ピンっ!』と、きました。
きっと、 S先生は門間さんの絵が気にいります」
そう言って、
編集者の友人が、S先生を引き合わせてくれました。
S先生は、英会話学校を経営しながら、次々と本の執筆も行う方です。
最初の出会いは、喫茶店。友人と喫茶店でコーヒーを飲みながら待っていると、入り口に姿が見えました。大きな姿から、陽気な空気がただよっています。そして、テーブルの前にたったS先生は、ニコニコとふっくら大きな手を差し伸べました。握手すると、おおらかな空気が手の中で広がりました。
その後、挨拶が終わって、画集の一枚いちまい丁寧に見たS先生は、
「柔らかな色彩の、不思議な感じがする絵、すてきです」
と、にっこり笑いました。
そして、「私の肖像を描くとしたら、どんな感じになりますか?」
と問いかけました。
「姿形だけでなく、何を大事にしていて、どんなふうになりたいのか、など、想いも表現します。
なぜかというと、日々の中で悩んだり迷ったりしたときに、自分の原点はこうだった、目指したい未来はこれなのだ、と思い起こせる絵を届けたいからです」
こう答えると、S先生は陽気な瞳で
「では、私の想いを聴いて、肖像を描いてください」と言いました。
S先生は、学校経営でたくさんのスタッフや講師と関わります。それだけでなく、執筆のため、編集者や共同執筆者とも毎日のように打ち合わせ。東京のど真ん中で、いろんな人と関わる忙しない日々‥‥。
でも、心の奥に、自然に囲まれた空気へのあこがれがあります。自然が大好きなのです。
これらを聞いて、ビジョンクリエイターとして、ピンときました。アースグリーンに囲まれたS先生のイメージ。
ビルに囲まれた東京のオフィスにいても、絵を見るたびに、自然と一体感が感じられる肖像です。
それを伝えると、S先生は「それはとても素敵です!」と喜びました。
その後、アトリエに帰って、構想を練りました。今度は画家の出番です。
普通の肖像画は、モナリザのように、人物が主役で背景は脇役です。しかし、この絵のポイントは、【自然との一体感】。だから、自然も人物も、主役にしました。大事なのは、目的だから、常識は、時に脇に置いていいのです。目的にそって考えればいい。そうすると、あるべき答えに導かれます。
そして、最大のポイントは、色や形にS先生の大事にしているもの象徴させることでした。絵にすることで、「心の奥深くに大事に秘めておきたい」ことを、色や形を通じて、いつでも味わえるようにしました。
完成した絵を手にして、S先生は、
「普段、私は自分の写真や絵が好きではないのだけど、この絵は好きです。インスパイアされて、自分のより良き未来をイメージすることができます」と、母国語の英語で喜びを書いてくれました。
S先生は、その後も時代に合わせた英語教室を追求し続けながら、本の執筆にも精力的に取り組んでいます。
心の奥深くの大切なものを映し出すとき、絵は、人生の豊かさを育む場所になります。
そして、人生の豊かさを育むことは、ともすれば、忙しさにおぼれて流されてしまう川に、杭を打ち続けて、行きたい方角に橋をかけるようなものです。それは、己の原点を静かにみつめ、遠い未来へとつなぐ、勇気と希望を与えるのです。
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。