vol.25【憧れ】を絵から紐解いて、理想を呼び寄せる絵を創り出する秘密

 この記事について 

自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。

【憧れ】を絵から紐解いて、理想を呼び寄せる絵を創り出する秘密

「ヨーロッパの素敵な絵画への憧れは、実は、日本への共鳴だったのがわかった」というオーダーがあります。【憧れ】をてがかりに、本当に自分がなりたい姿をイメージできたのです。

あなたは、【憧れをパワーに変えるコツ】を知っていますか?

誰でも、憧れの人やものがあると思います。「ああ、この人っていいなぁ」「こんなふうになりたいなぁ」という、憧れ。憧れの人に元気をもらったり、励まされたりした経験を、あなたも持っていると思います。

憧れを、上手に紐解くと、人生を大きく変える力になり、人生が加速します。

Oさんは、ミュシャという画家がとっても好きでした。中でも、ポスター作品に強い憧れを持っていました。「あのモダンレトロの世界観がいい」と、目を輝かせて語りました。

それは、Oさんの3枚目のオーダーの時でした。「オーダー靴サロンに、絵を飾りたいと思っています。実は、どんなイメージがいいのか、わかりません。でも、理想のお客様がきてくれる絵。従業員も、自分も、理想の姿になる絵。そんな絵がほしいと思います」と依頼されました。

一見、開運の願掛けにも聞こえますが、Oさんは、努力の人です。実際、サロンも、自宅の一角からコツコツと実績を重ねて大きくしてきました。だから、この言葉を聞いて、それは、「憧れを実現する自分」を映し出したいからなのだな、と、感じました。

その人の言葉の背後を読む。掘り下げて考える。それが、ビジョンクリエイターの役割です。
だから、Oさんの憧れについて質問したら、ミュシャの話が飛び出してきたのです。オーダー絵画を依頼するときに、憧れの絵が浮かんでくるのは、ごく当たり前のこと。

それを今度は、画家が分析します。分析というのは、ミュシャの絵がどんな作品で、どんな人で、どんな時代に生きたか、というだけではありません。なぜならば、作品の核は、そこにないからです。その核の部分とは、色の意味、形の意味、構図の意味、など‥‥、画家が扱う専門的なメッセージです。

分析のため、Oさんに詳しくお話をお聞きすると、ポスター作品の平面性に惹かれているのがわかりました。ミュシャには奥行きのある作品もあるのですが、あまり好きではなかったのです。

この時、ミュシャへの憧れの奥に、日本への共鳴があるのが紐解けました。ミュシャを通して、Oさんは、日本の思想に共鳴していたのです。

実は、ミュシャは浮世絵などジャポニズムに影響されたアールヌーボーの流れの中の画家。そして、ポスターはアールヌーボーの様式がはっきり現れて、平面的です。平面的な画面処理のために、写実的絵画からすると、間違いがたくさんあります。でも、平面的な表現は、日本の思想の結晶です。

日本の思想。振り返ってみれば、和の文化や、八百万の神を認めたりすることは、有名です。また、江戸時代では、主人の命令に使用人は盲従するのではなく、身分の中にも自由がありました。

いろんな個性や、いろんな視点を認めることは、日本の絵に反映されました。表現すると、バラバラな視点になるので、自ずと平面的な作品になるのです。

つまり、Oさんが、「ミュシャのポスター(平面的)作品は、好きだけど、もっと写実的(立体的)な作品は好きじゃない」といった時。そこには、「関わる人たちが個性豊かに輝く世界を創り出したい」という想いが隠されていたことになります。

憧れの根っこにあるものを辿ると、あり方そのものまで、たどり着けます。根っこにあるものがはっきりすると、実際、どのように行動するのか、そのビジョンもはっきりしてきます。そうすれば、「理想のお客様」「理想の自分」に向かうための具体的な行動も見えてきます。

Oさんの世界観が反映した絵が完成した時、
「大人の女性は自分を客観視できる賢さをもち、祈りを大事に生かされている謙虚さを忘れないものだ、と絵を見てイメージできます。また、絵の中央のバラは、循環を表して、平和の象徴です」と、言葉ではっきりと言い表しました。

そして、数年経って、「あの時、理想と思っていたものは、みんな実現しました」と、さらなる夢に向かって進んでいます。
この絵には、他にも【開運の秘訣】があるのですが、それはまた別の物語です。

自分の中にある憧れを一歩二歩と掘り下げて、核を取り出す。そして、自分のあり方まで見出せれば、行動も変わります。憧れが、本当のパワーになるのです。人生を変えるのです。

 

今回完成した作品 「ソウル・ローズ」

 

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 著者の自己紹介 

ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。

今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。

人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。

人生

の節目には様々なテーマが訪れます。

経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。

こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。

でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。

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