この記事について
自分の絵を描いてもらう。そう聞くと肖像画しか思い浮かびませんよね。門間由佳は肖像画ではない“私の絵”を描いてくれる人。人はひとりひとり違います。違った長所があり、違った短所があり、違うテーマをもって生きています。でも人は自分のことがよく分かりません。だからせっかくの長所を活かせない。同じ失敗ばかり繰り返してしまう。いつの間にか目的からズレていってしまう。そんな時、私が立ち返る場所。私が私に向き合える時間。それが門間由佳の描く“私の絵”なのです。一体どうやってストーリーを掘り起こすのか。どのようにして絵を紡いでいくのか。そのプロセスをこのコンテンツで紹介していきます。
『下絵:冷静と情熱』半導体業界の先読みが得意な理由|Sさんの7つの星を抱く青龍が生まれた自分だけのストーリー
今は、移り変わりが激しい時代です。影響力を持っている人もあっという間に蹴落とすSNSの力が大きく働いています。
今秋、世界中で不動の人気を確立したドジャースの大谷翔平選手でさえも、今年の春先を振り返ってみると、野球界を追放かまで騒がれていました。
日々超人的な努力を積み重ねる人でさえも、いつどこで何に巻き込まれるかわからない。
理不尽に蹴落とす力に対したこの時の大谷選手のぶれない姿勢は、確固とした自分のストーリーを持つ人の強さが滲み出るものでした。
自分軸を長く見て、自分で自分のストーリーを思い起こすことは、実は、ビジネスの土台となりえます。
経営では、創業時からの歴史やブランド、商品の独自性などを深く掘り、価値体系をしっかりと構築するのが大事だと言われます。これらの話は、セミナーや勉強会など、ワークショップで取り上げられることがよくありますが、経営での時間軸よりもさらに長い時間軸‥‥、自分の個人的なストーリー、つまり、創業以前から引退後まで思い描くのです。
フリーランサーならば、フリーになる前から仕事を辞めたあとまで思い描く。
会社員なら、入社から退社までではなく、生まれてから退社後までを思い描く。
主婦なら、結婚前から老後の過ごし方まで思い描く。
より長い時間で自分を眺めるのです。
そうすると視点が広がるので、将来の兆しをどのようにとらえて自らの経営や人生に体系化していくのかまで見渡すことが可能になってきます。
【対話できる絵画】では、クライアント一人ひとりのストーリーを絵にこめることを大切にしています。
Vol.124の記事で紹介したSさんのオーダー構想画でもそうでした。
「こういう深みのある、でも、澄んだ色のグラデーションの青い龍がいい。そして、希望を感じる黄色がうっすらと入っていてほしい」
自分だけの青いグラデーションの龍を選び出したSさん。
ふんわりと広がる青いグラデーションから、ハキハキと竹を割ったように早口で話す一見豪快なSさんのうちに秘めた繊細な感性が伝わってきました。
この繊細な感性はどこからきているのだろうか。Sさんの話を聞き、整理する一方で考えていると、「実は、世界の大陸を巡ってみたいというのが、夢なのです。今、会社を長い時間離れることができないけれど、引退後にゆったり時間をとって大陸を巡るような旅をしてみたい。この夢は大切に思い描いています。」
仕事とは関係ない個人的な想いが伝わってきました。
その瞬間、ふんわりと広がる青いグラデーションと、宇宙から眺める青い地球の美しい青と、Sさんの豪快と繊細を自在に行き来する幅広さとが、私の中で一つのイメージに浮かびました。
地球の7つの大陸を象徴する、7つの星を抱く青龍‥‥。
この青龍を毎日、眺めることは、Sさんにとって、自分軸を長く見、自分のストーリーを思い起すことを後押しして、ビジネスの土台をよりしっかりさせることに役立つのではないか。
Sさんに伝えると、「ぜひ、7つの星を抱く青龍にしてほしいです」と返ってきました。
それは、Sさんだけの繊細で強い、美しい龍が生まれた瞬間でもありました。
実は、この青龍からもう一頭の緑色の青龍が生まれてくることになります。それはいかにもSさんらしい優しさの表れでもあるのですが、別の機会にお話しします。
著者の自己紹介
ビジョンクリエイター/画家の門間由佳です。
私にはたまたま経営者のお客さんが多くいらっしゃいます。大好きな絵を仕事にしようと思ったら、自然にそうなりました。
今、画廊を通さないで直接お客様と出会い、つながるスタイルで【深層ビジョナリープログラム】というオーダー絵画を届けています。
そして絵を見続けたお客様から「収益が増えた」「支店を出せた」「事業の多角化に成功した」「夫婦仲が良くなった」「ずっと伝えられなかった気持ちを家族に伝えられた」「存在意義を噛み締められた」など声をいただいています。
人はテーマを意識することで強みをより生かせるようになります。でも多くの人は自分のテーマに気がついていません。ふと気づいても、すぐに忘れてしまいます。
人生
の節目には様々なテーマが訪れます。
経営に迷った時、ネガティブになりそうな時、新たなステージに向かう時などは、自分のテーマを意識することが大切です。
また、社会人として旅立つ我が子や、やがて大人になって壁にぶつかる孫に、想いと愛情を伝えると、その後の人生の指針となるでしょう。引退した父や母の今までを振り返ることは、ファミリーヒストリーの貴重な機会となります。そして、最も身近な夫や妻へずっと伝えられなかった感謝を伝えることは、絆を強めます。そしてまた、亡くなった親兄弟を、残された家族や友人と偲び語らうことでみなの気持ちが再生されます。
こういった人生の起点となる重要なテーマほど、大切に心の中にしまいこまれてカタチにしづらいものです。
でも、絵にしてあげることで立ち返る場所を手に入れることができます。