【読むPodcast | ゲリラマーケティング】「楽しいけど、稼げない」 2017年8月16日配信

第255回「楽しいけど、稼げない」という映画製作スタッフからの質問。
キツい、稼げない、でも楽しい。という働き方に対する、安田の答えは。
栃尾

こんにちは。安田佳生のゲリラマーケティング。ナビゲーターの栃尾江美です。

金子

洗濯機まだ買ってません。ダイエットまだしてません。星の王子さままだ読んでません。テニスまだ行ってません。このように公言したけどまだやってないことが山のようにあります金子亜祐美です。

安田

安田佳生です。

栃尾

今週はこのような質問をいただいております。40代・映像制作の方からです。安田さん、栃尾さん、金子さん、こんにちは。

安田・金子

・・・。

栃尾

あれ?

安田

こんにちは。

金子

こんにちは。

栃尾

いつも楽しく拝聴しております。今回お聞きしたいことは安田さんの考える働き方についてです。私は10年以上フリーランスで映画やテレビドラマやCMの仕事をしております。特に映画の現場ではプロデューサー以外のスタッフ(助監督・カメラマン・照明・衣装・メイク・制作等)は作品ごとにフリーランスが集まりそれぞれの役割で仕事をします。各部署での上下関係はあるものの、ギャランティーは作品ごとに最初に決まっており、あとは良い作品にするためクランクアップまで一生懸命働きます。現場によっては素晴らしいチームワークだったりギスギスして一触即発だったりもするのですが、それぞれが責任を持ち、売上や利益はさほど考えないこの業種の(会社員ではない)働き方をどう思われますでしょうか?説明不足だとは思いますが安田さんのご意見を聞きたくて投稿しました。ちなみに朝5時から深夜まで撮影におよぶこともあり、好きでないと長続きしなく、常に人手不足な業界なのですが…。

安田
 つまりどういう質問なんですかね、これは。
金子

利益とか売上とかを考えない、だけどめっちゃ忙しくて、でも自分のやりたい仕事で何かモヤモヤするっていうことですか?

安田
 うーん。
栃尾

そうなんですか。

金子

ええ、分かんない分かんない。江美さんは?

栃尾

私は安田さんが理想とする働き方みたいなものがあるとして、「この方の働き方は何点ですか」みたいな感じかな、なんて思ったりしたんですけど。

金子

ああ、「何点ですか」か。なるほどね。

栃尾

結構自由に働いていて、でも大変なことも沢山っていうか、疲れてるみたいな。

安田
 好きなことをやっているけど、あんまり稼げてはいない、ということですよね。
栃尾

ぽい感じがしますよね。

金子

そんな感じですね。

安田
 そしてめちゃめちゃハードだっていうことですよね。まあ、毎日だとちょっと体力的に続かない気もするんですけど、どうなんですかね、映画撮影したことないんで分かんないんですけど。ちょうど8時間で終了というのは無理なんでしょうから、時間とか体力とかっていうのは好きだったらしょうがないんじゃないの?という感じはしますよね。でも、稼げないことに関してはなかなか賛同しかねますね、僕は。
栃尾

お金は稼げないと!

安田
 「好きな仕事やってるから稼げなくてもいいや」とか「しょうがない」と思うのは、かなり重要な部分を放棄している感じがします。
栃尾

なるほど。好きなことだけどちゃんと稼げる道を探すなり作るなり。

安田
 はい。経営者の人でもいるんですけどね。「もうこの業界だから無理なんだよ」とか「この商品は絶対値上げしちゃ売れないんだよ」とか、自分で答えを決めちゃっている。だから、多分、この方や周りにいる人も「この業界はこうなんだ」って思い込んでいる。
栃尾

決めちゃってるんだ。

安田
 うん。僕だったら絶対儲かる方法考えますね。
金子

かっこいい。

栃尾

安田さんはそういう感じしますよね。そうでしょうね、安田さんだったら。

安田
結果的に儲かるかどうか、というのは分からないですよ。だけど、少なくとも儲けるにはどうしたら良いか、ていうのを一生懸命考えると思うんですよね。
栃尾

毎日1時間?

安田

毎日まあ考えるでしょうね。そうしたらもっと良い人集まるし、もしかしたら時間的にもアシスタント雇えて楽になるかもしれないし、より良い作品ができるかもしれないじゃないですか。

金子

じゃあ、考えることを放棄してしまっている?

安田
僕はそう思いますけどね。
栃尾

かもしれない。

安田

はい。だから、好きなことをやるっていうのと、何を仕事にするかっていうのと、稼げるかどうかって全く別の話です。あの人いたじゃないですか、なんでしたっけ、腹話術の有名な人。

金子

ああ、一休さんじゃなくて、いっぷくさんじゃなくて。

安田
あ、そんな感じの。
金子

一風堂。

栃尾

一風堂かな。

安田
違いますよ。
栃尾

いっこくどう?

安田
 あ、いっこく堂!一風堂はラーメンです。一風堂の宣伝しちゃった(笑)
金子

やばい(笑)。ピー入りますか?

安田
それで、やっぱり腹話術というのは全然そんなに稼げないお仕事で、でも彼はすごい好きだったみたいなんです。でも、今やもう世界中でショーに呼ばれてすごい稼いでるじゃないですか。
金子

あ、そうなんですね。

安田
はい。だから、芸をもちろん磨かないといけないじゃないですか。すごい努力してると思うんですけど、でも、それとどうやって稼ぐかっていうのは別の問題だと思うんですよね。いっこく堂さんが稼ぐために努力したのか、それとも偶然すごい売れたのかは分かりませんけれども、僕は基本的に良い仕事をするとか、良い映画を撮るっていうのと、それらからお金を稼ぐっていうのは別々に考えないといけないことだと思ってますんで。だから、好きなことをやっている人ほど何となく「でも俺は好きなことやってんだから、間違ってない」とか「いいや」みたいなふうに思考停止になっちゃってるような気がします。好きかどうかと全然関係ないじゃんって僕は思いますけどね。
金子

あれですよね、「努力が報われない」ですよね、これって。

栃尾

ああ、私がツイートしてたやつですか?

金子

そうそう。

栃尾

「努力が必ず報われるなんてことはなくて、“この努力、報われないやつだ”と思って別の作戦を立てられる人こそ報われる」みたいなことを書いていた私の大好きなブロガーのスイスイさんっていう人がいるんですけど、その人が書いてましたね。

安田
ほお。「全ての努力は報われない」ということだと思うんですね。だけど、やっぱり何割かは報われるし、その確率を上げるにはやっぱり努力を報われるための努力が要ると思うんですよ。
栃尾

そのためにはやっぱり思考停止になってはいけないっていうことなんですよね。

安田
いけないっていうことですね。
栃尾

その業界で言われている常識みたいなものに囚われたり。

安田
そうですね。だから、今までの慣習みたいなのがあるじゃないですか、例えばこの人が言ってるのは「ギャラが最初から決まってる」とか書いてませんでしたっけ?
栃尾

ああ、そうですよね。

安田
ね、「ギャランティーは作品ごとに最初に決まっており」って。これがだから「当然のことだ」と受け取ってらっしゃるみたいですけど、変えりゃいいのにと思うんですよね。
栃尾

売上に比例して良くなるとか?

安田
はい。べつに法律で禁止されてるわけじゃないんで、好きなようにやればいいじゃないですか。で、やっぱり稼ぐことを考えるときに、昔、松下幸之助さんがおっしゃってたらしいんですけど、直接は聞いたことないですよ。値引きするときにチョロッと値引きをするとすごい残業したり手抜いたりして結果的に誰もメリットがないと。でも、思い切って半額にしろとか3分の1にしろっていうと絶対それじゃ成り立たないんで、新たなやり方を考えると。すると結果的に効率も良くなってお互いハッピーみたいな。本当に下請けさんがハッピーだったかどうかは聞いてないんで分かんないですが。僕、でも、収入を増やすときにも、今より1割上げるとか2割上げるっていう発想では絶対成功しないと思うんですよ。
栃尾

ただ沢山働くことになっちゃいますよね。

安田
ちょっと何かを工夫しようと思っちゃうので。そうじゃなくて、今の10倍ぐらいの収入にするということから逆算していったら。根本的に何か変えないと無理なんで。僕はどちらかというとそういう発想なんですよ、いつも。
栃尾

絵本作家の西野亮廣さんもそんなようなこと言ってましたね。「ウォルト・ディズニーに勝つ!」って言っちゃえばやり方を考えなきゃいけないみたいな。

安田
そうですよね。営業目標とかも常に「500パーセントぐらい達成する」っていう計画でいって、それを自分の計画の50パーセントしか達成できなくても250パーセントは達成するわけじゃないですか。だから「10倍にしてやる」っていう作戦を沢山実行していったら、そのうちの1つ2つしか当たんなかったとしても、そこそこ収入は上がると思うんですよね。やっぱ大事なのはね、今までの常識っていうか、この業界の常識っていうか、そういうのをいったん忘れるっていうことだと思うんですよね。全くこの業界未経験の人がいきなりポンと入ってきたら全然違うことをやり出すと思うんですよね。
栃尾

そうですよね。

安田
ということを考えたほうがいいんじゃないかなと。「常に人手不足な業界なんです!」とかっていうのは関係ないですよ。業界が人手不足でもめちゃくちゃ人気のある会社とか、例えば外食だったら全然人採れないですけど、大人気でどんどん断ってるお店とかいっぱいありますからね。
金子

たしかに。決めつけは良くない。

安田
はい。という結論をいただいたところで今日は以上とさせていただきます。ありがとうございました。
栃尾

ありがとうございました。

金子

ありがとうございました。

*本ぺージは、2017年8月16日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。


ポッドキャスト番組「安田佳生のゲリラマーケティング」は毎週水曜日配信中。

安田佳生
境目研究家

 

 

 

栃尾江美
emitochio.net

 

 

 

金子亜祐美
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