
こんにちは。毎週配信を楽しみにしております。私は地方銀行に勤めている20代後半の男性です。早速質問です。私はいわゆる仕事のできない社員です。仕事ができないイコール仕事が遅いと考えており、私はそれに当てはまります。遅い原因は、頭の整理整頓が上手く(早く)できないことにあると自己分析しています。具体的には、文章を読んで理解するまでに時間がかかる、手順をいちいち書き出し細分化しないと進めていけない、書類の量が多くなると整理に時間がかかる(軽くADHD傾向があると思います)。このような状態で「石の上にも三年」と思いながら続け、入社5年目になります。同期社員との差も開き始めています。転職も度々考えていますが、上記のような特性では銀行だけではなくどの職場でも同じ状態になると思い、この歳で進路を迷っています。転職の有無にかかわらず、仕事が早くなる方法は考え続けるべきでしょうか?それとも、開き直って遅くても活躍できる場所・方法を探すべきでしょうか?ちなみに、今のところどちらも良い方法が見つかっていません。何か今後のヒントになるお考えをご教授いただければ幸いです。よろしくお願いします。

だからね、鬱とかもそうですけど「やる気ないのはサボってる証拠だ」みたいなのが、だんだんと症状に名前が付いて、こうなっていくのかもしれないですけどね。トム・クルーズさんも実は文字が読めないでしたっけ?

はい。でも、僕もタイプ似てるんでよく分かるんですけど、僕も、もうホントに小学校2年生ぐらいまですごい周りの動きが速すぎて、自分だけが止まった世界で生きてるみたいな感じで。だから、幼稚園のときとか、多分そんな難しいことしてなかったと思うんですけどね、折り紙とか、周りの人はみんなできてるのに10分の1ぐらいしか進まないんですよ。小学生のときもずっとあまりにも「ノロマ」って言われて、「要領が悪い」っていう言い方してましたけど、あらゆることに手間がかかるっていう子どもでしたね。

すごい自分でも不思議です。だから、訓練して速くなったっていうのは、多少はもちろんあるんですよ、予習みたいなもんなんですけどね、仕事もある程度準備して予習しとけば速くなるんです。でも、この人僕と似てるんで、多分一番の問題は得意じゃないことをやってるからだと思いますね。向いてないんじゃないですか、その仕事が。

文章を読んで理解するのに時間かかるとか、手順を書き出して細分化しないと進めないというのは、この今の仕事だったらもっとテキパキやれっていうことなんでしょうけど、その能力がないとできない仕事もきっとありますから。手順とか要領の良さとかって、企画を考えたらビックリするぐらい時間がかかって全然上手くできない人が、料理とかやるとめちゃくちゃ手際が良いとかってあるんですよ。

だから、やっぱりね、向き不向きっていうのがあって、多分この方もまだ出会ってないだけで、「どんな仕事やっても私はダメなんだ」っていうふうに書いてあるけど、まだ20代じゃないですか。ビックリするぐらい苦にならず、他の人よりも楽にスピーディーにできることって絶対あると思うんですよね。

この方が細かい作業を好きかどうかは分からないですけどね。そういうキチキチっとした方であれば好きなのかなと。私もあんまりよく知らないですけど、ADHDの人って、ザクッと言われるのが苦手っていいますよね。「植木に水あげといて」と言うとジャボジャボになるぐらい入れちゃったりする方がいて、例えば「何cc入れといて」って言わないと捉えづらいみたいなのがあるらしくて。

昔この番組を一緒にやってた下出君っていうのが料理が苦手なんですけど、「『塩・コショウ少々』っていうのがすごい腹が立つ」って言ってました。「『何ミリグラム』とか『何粒』とかちゃんと書け!」みたいな(笑)。「米をよく研ぐ」とかも「『よく』が分からないんだ」みたいなことを言ってましたね。

僕はどちらかというとちょっとグレーなほうが仕事の指示ができるタイプで、全部細かく決められるとできなくなっちゃうタイプなんですよ。「やり方は好きにやってちょうだい」って言われたらすごい効率良くできるんですよ。「決められたとおりやれ」って言われると全くダメなんですよ、見事にノロマになっちゃうんですよ。

何か自分でやってみたら良いんじゃないですか?銀行員の仕事べつに辞めなくても、それをやりながら、お金稼げることだけが仕事じゃないんで、「お金は稼げないけど、これやってたらめっちゃ楽しい」ということを、まずはやれば良いんじゃないですかね。

今安田さんが最後におっしゃったことでまとまってるんですけども、得意なこと好きなことを見つけていく。そのためには業務外であっても色んなことをやったり、作ったり、活動したり、みたいなことを続けていくと良いんじゃないかっていうことですよね。それで好きなこととか得意なことの共通点がどんどん見つかって、多分仕事の中でも「ああ、これが得意なんだ」っていうのがだんだん分かってくると私も思います。
*本ぺージは、2018年5月16日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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