
例えば子どもがいるのに寂しいっていうのは、「本当はこのことを喋りたい誰かに」とか、「この気持ちを分かってほしいのに、子どもには伝わる内容じゃなくて、今伝えられる人が誰もいない」みたいなときかな、具体的には。すごく強烈に寂しいのはそういうときですね。

独身でね、すごい広い家に住んでたんですね。でも、週末になるといつもひとりで、彼女もいないし、何年間もいなかったんで、やっぱり週末に遊んでくれる友達もオジサンになるとなかなかいなくて、男同士で30代後半とかで2人で遊びに行くとかってちょっとなかなか気持ち悪くてですね。

女性同士って2人で温泉とか行けるじゃないですか。でも、おっちゃん2人で温泉とか行ったら「なんじゃコイツ」ってことになるわけで、女性同士で例えばフランス料理とかも食べれるでしょ?男同士ってやっぱり寿司屋ぐらいなんですよね、2人で並んで行けんのって。

商談風っていう?

商談風っていう。で、平日は仕事を装って社員を誘って飲みに行って、「寂しいから誘ってる」と思われるの嫌なんで、仕事の延長で「この話、じゃあ、ちょっとこのあと食事しながらしようか」みたいなことを言いながら、でも、その日その社員に予定が入ってたりするとすごい傷つくんで……

そうですね、途中からですね。何ていうのかな、「あ、オレは寂しさを社員で埋めてんだ」っていうことが分かったときに「これじゃいかん」と。まあ、「寂しいから一緒にメシ食ってくれ」って言えや良かったんですけどね。

そうなんですか。僕、一緒に会社をつくった、一緒に役員やってた人にね、その人、子どもの頃すごい貧乏で、家を夜逃げしたことがあるって言って、「本当に貧乏なヤツは『オレは貧乏だった』なんて、そんなことは言えないんだ」って言われて怒られたことがあったんですけど。

それで、社員、会社潰れていなくなっちゃったじゃないですか、そのときに寂しさを社員で埋めることもできなくなっちゃったんですけど、でも、そのときに会いに来てくれる友達とか色々いて、結局人って人数じゃなくて、何人か本当に、あんま会ってなくてもちゃんと繋がってるっていうことを自分が自覚できる人との繋がりがあれば寂しくないんだなということをそのとき気づきまして、それから寂しくあんまりなくなったっていう。

はい。それまではあんまり言えなかったですね。今は、だから何で言えるかっていうと、多分あんまり寂しくないからですね。「今オレ寂しいから、誰も相手にしてくれないから会ってくれ」とか。だから、質問来なかったら「質問来ませんでした」って言えちゃいますけど。
*本ぺージは、2018年8月29日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらからhttp://yasudayoshio.com/podcast/#/top
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