どうなんですかねぇ、いかにもアーティスト！みたいな方ですね。

見た目。

デザイナーさんというよりは、やっぱアーティストって感じで、普通になかなか会話すんのが難しいっていうかですね。

「すごい不機嫌なのかな」と思ってたら、ぜんぜんそんなことなかったりとか。いままでお会いした人間の中で、いちばん酒が強いです。

僕も途中で酔っぱらって帰っちゃうんでわかんないですけど、夕方ぐらいから飲んで、ウイスキー1本ぐらいは平気で空けて、2本目も半分ぐらい飲んだぐらいで、1人でそのぐらい飲んじゃうんじゃないかと思います。そのぐらいで僕帰るんですけど、そのあとさらに朝まで飲み続けているという。

そうですよね。サーフボードとか自分で手作りでつくっちゃうんですね。

形をつくるんじゃないですか。

何でしょうね。

そのときは木でつくってましたね。

はい。

ご自身でサーフィンされるんですよ。

はい、私よりちょっと年上ですけどね。

娘さんがまだちっちゃくて、たぶん幼稚園ぐらいだと思うんですけど。

コエビちゃんっていうんですね。

はい。

僕、蝦名なんで、Facebookとかで通称コエビなのかと思いきや、本当に本名らしくて。

蝦名こゑびっていうんですよ。

そういうことになりますかね（笑）コトチっていうことになりますね。

再婚してらっしゃって、前の奥さんとの間には3人ぐらいいた気がしますね。いや、2人だったかもしんないな。あんまり他人に興味がない。

むかし、「ウエディング・ベル」っていう、すごい流行った歌謡曲がありまして……

知ってます？

そうそう。そのうちの1人が元奥さんらしい。

はい。

なんか、そんなんでしたかね。

はい。結構引っ張ったけど、まだ半分もいってませんねえ。

そうですね。BFIのロゴをつくってくれたりとか、そういう人ですね。

壁画っていうか、落書きというか。

元々デザイナーさんなんですけど、デザイナーさんとしてはすごい有名なんですよ。日本でもニューヨークでも賞をとってて。だけど、アーティストとしていきたいらしいんですね。デザイナーとしてすごい有名だったらアートの仕事もいっぱいありそうなもんなんですけど、そういうもんでもないらしく。で、僕が頼んでる挿し絵はデザインとアートの間みたいな感じらしいです。

はい。ちなみに、「境目アート」というものをつくっていただいているのも蝦名さん。

絵じゃないですかね。個展とかやると絵が多いですね。

知りません。

あります。何で描いてるのかはわかんないですね。いろいろじゃないですかね。

大きさもいろいろですね。シルクスクリーンもやってたし、ステンシルとかもやってたし、いろいろ。

すごい器用ですね。何でもつくっちゃうんですよね。流木とか川に流れてくるじゃないですか、あれで家具つくっちゃったりとか。

何でもできちゃうんですよ。でもね、その人と会ってすごいなと思ったのが、デザイナーというよりはアーティストに寄ってるからなんでしょうけど、仕事の依頼をね、僕、電話でするの嫌いなんで。電話苦手なんですよ。

はい。言いましたっけ？

間がないのがね。電話って、間、ないでしょ？

2人で実際に会ってると、何もしゃべんない時間とかも許されるじゃないですか。

でも、電話って「聞いてんの？」みたいなことになっちゃうんで。

え？

それが1つと、あと、仕事で「電話じゃないと嫌だ」っていってすぐ電話かけてくる人って、要領を得ない人が多いんですよね。ガーって言いたいこと言って、実際に書いてみると「何も言ってないじゃん」みたいな、文字起こしして送り返してやりたい！みたいな。

そうなんですよ。メールを自分で書けないんで、「言ったほうが早い」みたいな。

それはつまり、言ってないのに「わかれ！」みたいなことなんですよ。

まあ、本人にその気ないんでしょうけどね。

それで、だから僕はメールでちゃんと整理して送るんですけど、まあ、アーティストさんじゃないですか、だから「わかんない」って言うんですよ、文字が。

もちろん日本語は読めるんですよ。だけど、たぶん、何て言うんですかね、文字を僕らは絵にするでしょ？脳の中で。

会話すると、たとえば「ハワイってこんなとこで、こういうふうに素敵だったんだよね」って言われたら、ハワイの情景が頭の中で絵になるじゃないですか。

だから普通は文字を絵にするんですけど、絵を絵のまんまで捉えて絵にするんだと思うんですね、アーティストさんって。

だから、風景見て、いったん翻訳せずに、英語で聞いて英語で出すみたいなもんですよね。だから、絵の雰囲気を伝えないと。文字じゃなくて。

「これこれこういうような」みたいな、すごい僕が苦手とする「なんとなく」なイメージで伝えると、わかってくれるんですよね。

へぇ～。出てきたものは、本当に安田さんが伝えたかったものが出てくるってことですか？

だから、たとえば「ハワイの波がザブッと来て」みたいな、そんなこと言われても普通の人はわかんないじゃないですか。

それで、蝦名さんが頭の中に情景が浮かぶと「ああ、なるほどね」みたいなことになって。で、「これこれこういう絵」ってちゃんと文字で説明すると、わかんないんですよ。

うーん、だから僕、そもそも電話が苦手ですし、そうですね。会って、ホワイトボードに落書きっぽいのを描くと、たまに「おっ、わかった！」みたいな。

何て言うんでしょうね、僕が頭の中に思い描いている情景を断片的に伝えてほしいってことですね。そうすると、それが蝦名さんの頭の中でたぶん組み立てられていくんじゃないかなあと思うんですけど。

すごいんですかね。

まあ、だから、コミュニケーションツールは人それぞれってことですよね。

ええ。

買えます。たぶん。

そうですね、はい。ebina.comとかが……

あるかどうかわかんないですけど（笑）

まあ、でも、個展とかたまにやってるんで、どこで宣伝してるかはわかりませんが、ご縁があれば行ってみてください。

あ、そうですか。

じゃあ、おまとめを。

はい。コエビさんのお父さんです。

ということで、今日は以上です。ありがとうございました。