
(笑)。どうやって工夫するかとか……まあ、はい。じゃあ、今日のご質問を読ませていただきまーす。40代・ECサイト管理者の方からです。ペンネーム ガンスケさんからです。安田さま、栃尾さま、金子さま、いつも楽しく拝聴しております。安田さんの切れ味鋭い意見に、いろいろ刺激を受けています。ありがとうございます。さて今回、境目研究家の安田さんにぜひ聞いてみたいことがあり投稿しました。それは「できる」「できない」の境目です。先日、何度か以下のようなことがありました。ある方に「聴覚障がい者の支援をしている」と伝えたところ、「手話ができるのですね」と言われました。私が支援している方法は要約筆記といって、聴覚障がい者に文字で情報を伝える方法であって、手話ではありません。ただ、聴覚障がい者とコミュニケーションをとる必要があるため、カタコトの手話を使うことはあります。手話のことをまったく知らない人からすれば「できる」といえそうですが、自分の意思を思いのまま表現できる人からすれば「できない」段階だと思っています。ちなみに、「手話ができるの?」という質問には、「手話はできません」と答えました。ただ、あとから振り返ってみると「どうなのかな」という思いが出てきて、今回初質問させていただくことになりました。結局は自分の考え方次第だと思いますが、安田さん、そして栃尾さん、金子さんのご意見を聞かせていただけるとうれしいです。よろしくお願いします。ということでした。

昔、アメリカから帰ってきてすぐのときに、「ボーリング」を英語で書こうとしたらつづりが間違ってて、「おまえほんとにアメリカ行ってたのか?」って言われたことがあるんですけど。“Ball”じゃなくて“Bowl”なんですね、ボーリングって。

だから、英語できないっていうことをとにかく宣言しようと思って、「いままでアメリカの大学を卒業したなかで、もっとも英語ができないのは自分だ」っていうことをずっと宣言してたんですけど。で、いまの奥さんと知り合った頃に、エレベーターのなかで外人さんに話しかけられて、ちょっと返事したわけですよ。

はい。

(笑)。あ~、もし私がガンスケさんだったら、たしかに「できない」って言いそうですけど、できない人からしたら、できるふうに見えるんだろうなって、やっぱりこの人と同じように思うので、「できる」って言って、納得いくまで勉強するとかはどうかなとは思いました。

でも、がっかりされたくないから「できない」って、まず言っとくっていう人もいると思うんですよね。だから、「できる」って言っちゃったあとで「なんとかしよう」みたいな人は、いろんなことで「できる」って言うのかなと思って。

僕でいえば「ハロー」ぐらい言えるし、レストランに行ってメニュー頼むぐらいはできるけど、たとえば人とコミュニケーションをとって自分が思ってることを伝えるとか、仕事に役立つ通訳ができるとかっていうことに関しては、まったくできませんってことなんで。だから定義によるんですよね。

そういう言葉を使う人は、「できる」っていうこと自体がわかってないとか、「できない」っていうこと自体がわかってない気がするんで、そういう人にはあんまり仕事を発注しようって思わないかなって気がしますね。

どうしよう。むずかしくないですか。「できる」「できない」は「黒」「白」のようなものではなくて、もうちょっと細かいものであるっていうことと、あと、なんでしたっけ、相手に合わせて「ここはできるけど、ここはできません」みたいに伝えるのがよいのではないでしょうか。という感じですかね。
*本ぺージは、2021年5月27日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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