
はい、じゃあ進めます。60代以上、福祉関係&投資家、元経営コンサルの、ご隠居さまからの質問でーす。昔からの格言は将来も活用されるのでしょうか?完全隠居移行前の高齢者です。若い方々の考えを聞かせていただき、ボケ防止に役立てています。長く継続的な配信、本当にありがとうございます。前回の内容おもしろかったです。「働き一両、知恵十両」から始まる格言をご存じですか?投資家なら知ってると思いますが、百両・千両もあって、最高なのはたしか「損切り千両」です。女性陣は「なるほど」とすぐにわかるでしょうか?と、ここまで書いて、男性関係を思い出せば実感ある人多いかも、ですね。あれこれグズグズしていて、「よいことしてあげよう」とか「私が考え方を変えよう」と思うより、将来を考えればいまの損は受け入れ、損切りですよね。ところで福祉関係での話ですが、児童関係の問題はご存じだと思います。やれ児童の権利とか、虐待防止とか、支援金とか騒がれていますね。子育ても福祉の支援も経験していますが、私には「七歳までは神のうち」の一言で十分です。実際の支援場面でもこの言葉を使うことがありますが、言わないほうがいいかなという場面は多いです。みなさまには、この言葉は戒めにも励ましにもなり、考えるきっかけにもなる格言として、なにか感じることはありますか?格言ってこれからも使えるのでしょうか?いつか取り上げていただけるとうれしいです。ということです。

「男性関係を思い出せば」って書かれているので、これで思ったのは、「いま付き合ってる人がグズグズした人だった場合に、いまは別れていったん損かもしれないけど、ダラダラその人と付き合うより、損切りしたほうがずっと得ですよ」みたいなことだと理解しました。

まあ、どういう意味なのかわかんないですけど、子どもが小学生になったり中学生になったりすると、「なんで勉強しないんだ」みたいなことが親の結構大きな悩みになるわけですけども、昔、生きるか死ぬかわかんないときは、「生きてくれるだけで十分だ」と思ってた、みたいな気持ちを忘れちゃうっていうことで、「その頃の気持ちに戻らなきゃな」って思うことはよくあるんですよね。

だから、そういう格言は、まあ、いまは同じように当てはまんないとしても、「生きてるだけでいいじゃない」みたいな気持ちはずーっと持ちつづけるっていう意味で、そういう格言があったら、たしかに日々の感じ方は変わるかなあって気はしました。

なるほど。でも、世界中の格言いろいろありますけど、真逆のことを言ってるのあれば、同じ意味だよねっていうのもあって、やっぱおもしろいなあっていう。人間史の何千年っていうなかで、いろんな国のいろんな文化の人がいろんなことを考えるんですけど、やっぱ、本質的なところは同じだなあっていう、ね。

そうですね。そういう意味では、僕は、格言はずっと、いつまでも役に立つもんだとは思ってますけど、格言そのものがなにか答えを教えてくれるわけじゃなくて、本当にそれって本質みたいなもんで、なんていうんでしょう、1回そこに戻ってみる自分のホームというか、居場所というか、立ち返る場所というか、そういうもんだと思ってるんで。

私も、このお便りの格言を聞いてもぜんぜんわかんなかったわけなんで、どんどん忘れられていって、人づてに聞いたことしかわかんないってことは、世の中に流れている格言が同じようなものばっかりであふれちゃって、「聞き慣れちゃった」みたいなのが多いんですけど、昔のを掘り起こしてきたりすると、もうちょっと本質なことに迫れるかもしれないなっていうのも感じますね。

べつに知らなくてもいいと思うんですよ。だけど、壁打ちの道具として、そういうものがあるよっていうね。格言っていうのは覚えるためのもんじゃなくて、「こういう使い方をしたら、すごく人生の知恵とか、あるいは自分なりの答えを見つけるヒントになるよ」っていう、そういうこと自体を考える人がすごい少ないんじゃないかなって。

比喩ですけど、持ち運びしやすいなと思いますね。つまり、自分が考えているモヤッとしたものは、すぐに使えないんだけど、それにピッタリ合う「型」みたいのが格言だとして、パカッと見つかる、パッケージングできるってなると、すごい、いろんなところで持ち運びができて、それがいろいろ使えるなって気がします。だから、もともと自分にそういう同じような考えがないと、もともとある考えも使えないかなあって、ちょっと思いました。

たとえば、この「七歳までは神のうち」っていう、つまり「7歳までは人間の手でどうこうすることはできないと、命も含めて」っていうテーマで、いろんな人がいろんなところで何十回もブレストしたり、討論したり、対談したりしてみる価値があるかなって気がします。
*本ぺージは、2022年4月13日、ポッドキャスト「安田佳生のゲリラマーケティング」において配信された内容です。音声はこちらから
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