第367回 男性社員の寿退社について

この記事について 税金や、助成金、労働法など。法律や規制は、いつの間にか変わっていきます。でもそれは社会的要請などではないのです。そこには明確な意図があります。誰が、どのような意図を持って、ルールを書き換えようとしているのか。意図を読み解けば、未来が見えてきます。

第367回「男性社員の寿退社について」


安田

結婚して寿退社する男性社員が増えているそうです。まあ当然と言えば当然ですが。女性が寿退社するのが当たり前という時代は終わりましたね。

久野

女性のほうが稼いでいる夫婦も当然ありますし。女性が都市部勤務、男性が地方勤務の場合は男性が都市部に移るケースが多いそうです。

安田

マッチングアプリで遠距離恋愛も増えてるみたいですし。

久野

若い人は普通にマッチングアプリで出会って結婚していきますね。

安田

「女性のほうが辞めるリスクが大きい」というのもあるみたいです。

久野

はい。キャリア断絶が1回起きると出世しづらくなるので。

安田

男性は転職しても元の収入ぐらいの仕事が見つけやすい。だけど女性は1回辞めると収入が激減するケースが多いみたいです。

久野

中小企業の場合は戻る場所がなくなったりもしますし。

安田

そもそもマッチングアプリで地域限定して探せばいいのに。

久野

地元に女性が少ないというのもあるんじゃないですか。マッチした人と食事するために男性が都会まで出かけるみたいです。

安田

確かに地元だけではパイも限られてきますよね。若い人はみんな都会に出ちゃうから。

久野

恋愛は遠距離もありで、結婚する時にどちらかが移動するんでしょう。そうなると地方に住んでいる人が都心部に出ることになりますよ。

安田

都心部のほうが仕事探しは便利ですもんね。となると地方に残っている数は男性が多いってことでしょうか。

久野

生物学的に「女性のほうが移動する」という文献を見たことがあります。おそらく若い女性のほうがどんどん都市部に出ていくんでしょうね。

安田

男のほうが保守的だと。

久野

ワーキングホリデーで海外に行く人も女性が多いじゃないですか。

安田

確かに。じゃあこれから男性の寿退社がどんどん増えていく?

久野

増えてくんじゃないですか。地方の経営者はそれを前提に考えておかないと。

安田

最初は驚くでしょうね。「結婚します」「おめでとう!」「引越しするので会社辞めます」「え!?・・・」みたいな。

久野

驚くと思います。中小の経営者は「寿退社=女性」だと思っているので。

安田

「女性は結婚したら辞めちゃうから」っていまだにおっしゃいますよね。

久野

逆に女性に給与をたくさん払って残ってもらわないと。

安田

ほんとですね。女性を積極採用していくのがいいかも。昔は旦那の転勤に女性がついていくのが当たり前でしたけど。

久野

もうそういう時代じゃないってことですよ。逆に奥さんの転勤に旦那がついていく感じ。

安田

奥さんのほうが稼いでいればそうなりますよね。どっちが安定するかって考えたら。

久野

男性は新しい仕事も見つけやすいですし。

安田

どこでも最低限の年収くらいは稼げますもんね。ちなみに今の世帯年収ってどのくらいですか?1000万とか?

久野

平均700万ぐらいじゃなかったかな。

安田

東京ではパワーカップルと言われている人たちが億ションを50年ローンで買うみたいです。

久野

億ションですか?

安田

今都内でマンションを買うと1億円以上するんです。60平米とかでも。

久野

地方都市なら一戸建てが買えますよ。30年ローンで。

安田

東京はファミリーが住むところではなくなってきましたね。仕事はありますけど生活コストがめちゃくちゃ高い。

久野

東京に比べれば他府県の都市部はぜんぜん安いと思います。

安田

仕事もあるし。だから人口が増えてるんでしょうね。

久野

おそらく地方の都市部に女性が就職して、マッチングアプリで出会った男性がついていくという流れでしょう。

安田

なるほど。じゃあ都市部以外はさらに減っていく?

久野

減っていくと思います。女性が辞めて地方に戻るってことはないでしょうから。都市部のほうが圧倒的に稼げるので。

安田

これからマッチングアプリでの出会いが増えると、人の移動もどんどん増えていくでしょうね。

久野

どんどん増えると思います。もうこの流れは止まらないんじゃないですか。

安田

東京は都がマッチングアプリを運営していまして。独身証明書まで出しているみたいです。

久野

いいですね。マイナンバーも登録してもらえば安心ですよ。

安田

偶然の出会いなんて数が限られるわけで。マッチングアプリの方が母集団は圧倒的に多いから。

久野

求人がマッチングシステムに移っていったのと同じ流れですね。

安田

同じですよ。知り合いから紹介された1人を採用するより、たくさんの母集団から選んだほうがいい人が採れる。

久野

飲食もショッピングもそうですけど、すべての出会いはアナログからデジタルに変わっていくんでしょう。

安田

しかも今はAIが好みを聞いて選んでくれますから。

久野

結婚相手もAIが決めるのか。すごい時代になりましたね。

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久野勝也 (くの まさや) 社会保険労務士法人とうかい 代表 人事労務の専門家として、未来の組織を中小企業経営者と一緒に描き成長を支援している。拠点は愛知県名古屋市。 事務所HP https://www.tokai-sr.jp/  

安田佳生 (やすだ よしお) 1965年生まれ、大阪府出身。2011年に40億円の負債を抱えて株式会社ワイキューブを民事再生。自己破産。1年間の放浪生活の後、境目研究家を名乗り社会復帰。

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