小さなブルーオーシャンに出会う旅 第40回「ニーズと明瞭会計から生まれた小さなブルーオーシャン」

このコラムについて

小さなブルーオーシャン?
何だかよく分からないよ。ホントにそんなので商売が成り立つの?

と思っている方は多いのではないでしょうか。何を隠そう私もそのひとりでした。私は人一倍疑り深い人間なのです。そこで・・・私は徹底的に調べてみることにしました。小さなブルーオーシャンなんて本当にあるのか。どこに行けば見られるのか。どんな業種なら可能なのか。本当に儲かっているのか。小さなブルーオーシャン探求の中で私が見つけた答えらしきもの。それはきっとみなさんにとっても「何かのヒント」になるはずです。

第40回「ニーズと明瞭会計から生まれた小さなブルーオーシャン」


「伝統や文化がこうして受け継がれるののかもしれない」

今回は「葬儀」のビジネスについて。

「鎌倉自宅葬儀社」という会社をご存知ですか?

この会社は、「自宅葬」に特化したサービスを
提供している会社です。

近年、家族葬や無宗教葬など
葬儀の形が多様化しています。
結婚式でも大々的にやる必要はない
という人が増えているそうですが、
お葬式も、できれば家族やごく親しい人だけで
葬儀を上げたいというニーズがあります。


鎌倉自宅葬儀社のホームページより

そんなニーズに応えているのが、
「鎌倉自宅葬儀社」さまということなのでしょう。

葬儀の起源は5万年以上前の
ネアンデルタール人の時代だそうです。

日本の仏式葬儀は飛鳥時代から
徐々に行なわれるようになり、
平安時代には貴族を中心に
火葬や法事が行われるようになりました。

江戸時代からはキリスト教が普及し、
カトリック式葬儀が盛んになり、
戦後にはほぼ100%の確率で
火葬が行なわれるようになりました。

現在のような告別式が一般に
行なわれるようになったのは、大正時代。
現在の基盤ができたのはつい最近のこと
なんですね。

このように、
葬儀の形は人々の生活や、
社会の情勢によって変化していきます。

昨今では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、
お葬式を自宅で行なう「自宅葬」のニーズが増えています。
そもそも、自宅で葬儀をあげるというのは、
旧来からありましたが、これからは
ますます加速していきそうです。

小さなブルーオーシャンを生み出しているものは何なのか?

すぐに目につくのは、価格の明瞭さです。
葬儀関係でお金の話をするのは
ある種タブーに近いものがありました。
しかし、「鎌倉自宅葬儀社」さまでは、
宗教的儀礼が必要か、無宗教なのか、そして
シンプルプラン、スタンダードプランの
2価格帯のみ。
フルオーダーというプランもありますが、
希望の価格を言ってください、と言っています。
価格が明快だと、消費者は安心しますね。
(高い、安いというのではありません。
あくまでも、価格を明快にしているというだけです)

ついで、需要があるということです。
「お墓離れ」「墓じまい」といった話題もありますが、
逆に「終活」「生前葬」といった話題もあります。
葬儀は、形が変わっても、今後なくなることはないでしょう。
伝統、文化が守られていくのではないでしょうか?

最後に、「自宅葬」というサービスに特化していることです。
自宅ですから、式場費も、装飾費も、ご遺体安置料も、
安置所から式場への搬送料も、不要です。
最低限の予算でも、充実した式は作ることができるのです。

ちなみに、この「鎌倉自宅葬儀社」さまの
大株主は、面白法人カヤックさま。
目のつけどころが違いますね。

 

株式会社グロウスブレイン 代表取締役

大学(日本史専攻)を卒業後、人材コンサルティング会社に16年間勤務。ソフトウェア開発会社、採用業務アウトソーシング会社、フリーランスを経て、起業。
中小企業の人材採用、研修に携わる一方で、大学での講義、求職者向けイベント等での講演実績も多数。人間の本質、行動動機に興味関心が強い。
国家資格キャリアコンサルタント、エニアグラムファシリテーター、日本酒ナビゲーター。

 

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